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海老名の商店街で2016/03/21 3:47 pm

神奈川県海老名市、小田急線海老名駅に初めて降り立ちました。東京の延長上にある小さな街かと思ったら、とんでもない!

駅前には、極彩色のアミューズメント施設や、巨大商業施設がそびえ、駅からの人を吸い込んでいきます。

その足元にある、商店街というよりは、ぽつぽつと残っているお店たち。今までとは違う商売を強いられながら、どっこい明るく頑張っているのでした。
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海老名市は人口約13万人、人口増の土地だけあって、駅前にはマンションが建ち並んでいます。少し前まで、田んぼのあった辺りもどんどん都市化され、昨年できた大きな商業施設で駅を隔ててあった賑わいの差が無くなったそうです。




鉄道3路線が結節し、市内に9駅があり、車でなくとも通勤・通学に便利。私がうかがった2月末の日曜日には、駅を降りると、驚くほどの人が駅からぞろぞろと歩き、動く歩道まで利用して近くの商業施設にむかって行列していたのでした。

ご案内の方によると、「高額のマンションもどんどん売れちゃう」のだとか。駅から見える範囲に、日本を代表する大企業の巨大な社屋が見えます。「あそこだけで数千人が働いていますよ」さらに「羽田空港まで直通のリムジンバスもあります」と。もちろん、東名高速道路、さがみ縦貫道の幹線も走る土地です。

この日私は、奈良県十津川村、人口減少に悩む山の集落から8時間半かけて自宅まで戻った、その翌日。ここの交通の充実と、人の多さに面喰ったのでした。

「昔の海老名はこんなではなかったんですがね」と語る、ご案内の方。今が悪いのか、昔がいいのか、その逆なのか・・・これは人それぞれの物差しによって違ってくるでしょう。



駅から伸びる空中の歩道を行くと、はるか昔に、ここに国分寺があったことを示す、塔の作り物が現れます。周囲は映画館や飲食店、やれ買えそれ食えという商業施設。

しかも、景観への配慮など全く考えていない時代に建てられた施設なのでしょう、けばけばしい色調が溢れています。その中に建つ塔は、遊園地のビックリハウスのようにもみえます。

思わずうかがいました。「海老名の子どもたちは、自分の街の絵を描くとしたら、この光景を描くんですか?」



昨日まで私が居た、山深い集落、店も電車もない緑一色の自然の中、吊り橋を渡って育った子どもたちと、このけばけばしい色と騒音のなかでくつろぐ子どもたちが、同じ日本の同じ世代になっていくなんて・・・。

この格差は何なのだろう?





そんなことを思いながらこの日お招きいただいた、海老名駅前商栄会の会合に出たのでした。商店街ではない、商店主の繋がりの会です。

確かにもう、商店街という店の地べたつながりの“街”は各地で成立していません。海老名もそう、駅を離れて道路一本超えたとたんに静かな世界。

ぽつんぽつんとお店が開いていたり、閉じていたり。私にとっては静かでようやく息ができた感じなのですが、お店の方々には、人通りがなく、閑散として困ったところなのでしょう。

ここでお店をやっていくのは、大変です。少し先には、あんなにたくさんの人がうごめいているのに。大きな怪獣のような施設と、同じ土俵で戦っても仕方ありませんね。

この日は、私が話をするというよりも、皆さんのお話を伺いながら、何とか励ますような形になりました。

「長年やっているお店を、コンビニという形に姿を変えても続けている」「ドラッグストアには無い漢方薬なども扱っているが、最近のお客様はインターネットで買ってしまう」「カラオケを歌いに来るのは高齢者、もっぱらシルバーカラオケの店になった」
「家族の記念写真などを撮影しても、個人情報の関係で写真館のショーウィンドウに飾れない」「NPOで古着などを扱い、東北の支援もしている。古いお店とこれから繋がりたい」

それぞれのお店に、時代の波がいろいろ影響しています。

でも、みんな顔を合わせて、いろいろ話していると、「お寿司屋さんでエビにこだわった海老名寿司を出そう」「地酒をもっと取り入れよう」「海老名カクテルできないか?」「海老名の農産物をもっと使っても」などなど、小さなアイディアが出てきます。

「巨大な施設にはじき飛ばされそうな高齢者が、ゆっくり店頭で座れる場をつくっても」「駅前はファストライフ、こちらはスローライフと違いをはっきり出して」「お店でお寿司の教室や、お魚料理の会とかなど企画しても」などと私からも意見が出てきます。





ご案内いただいた方の写真館に立ち寄りましたが、店頭に咲き誇るシクラメンの鉢にビックリ。お母様が面倒を見ておいでとか。ここにベンチがあったらどんなに安らぐか。こういうお店が増えれば、何とも心穏やかな街になります。

このエリアは「売る」よりも、まず、「安らいで」もらうことから始めた方が良いかもしれません。

そのためにも、こうしてワイワイ話す機会がもっともっと必要でしょう。講師の話をきっかけに、お酒も飲みながら、トコトン話す、そんななかで海老名の商い魂がチラリとみえてきてうれしくなりました。

他のエリアの商店とも、一緒に取り組む何かをこれから作っていきたいですね。大きなハードには、ソフトなネットワークで対抗し、違いを出していきましょうね。

海老名のスローライフなお店づくり、応援しますよ!

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野口 智子 のぐち ともこ
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局
ゆとり研究所

TEL 090-7433−1741
E-Mail yutori@noguchi-tomoko.com

NPOスローライフ・ジャパン
〒160-0002 東京都新宿区四谷坂町9−4 リカビル301
TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
E-Mail slowlifej@nifty.com


略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。