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出雲の國で味わった2017/10/30 3:20 pm

打ち合わせや住民の方々との交流のために、何度も出雲の國にうかがってきましたがフォーラム本番となると、その味わいは格別のものに。

「夜なべ談義」では、たたら製鉄の歴史文化の産物といえる棚田の「仁多米」おむすび、蕎麦を中心に、煮しめやお豆腐など。ご馳走とともにホットな会話を味わいました。

ステージには斐伊川源流の山の樹々、花が。この味わいも秀逸なものでした。
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スローライフ・フォーラムの名物は「夜なべ談義」です。地元の人と、他所からの人が、地元の味を楽しみながら語り合う。

一見ただの宴会のように見えますが、まずは宴席に上座・下座もない。一応、皆が語りたい人については目立つところに座ってもらいますが、あとは混ぜこぜ。

そして、なるべく皆が交流できるように、楽なように、座敷で座布団ではなく、足腰が楽なテーブルとイス。今回も、会場に無理をいってそうしていただきました。

そして、テーブルには、エビの天ぷらやお刺身盛り合わせなどはナシ!今の時代、そんなものはご馳走ではない。この日の会場は出雲の國でも奥の奥、奥出雲町の「斐乃上荘」。



こういう場で、何処でも食べられる定番の“宿めし”が出たら、ガッカリですものね。

これは出雲市の特産の生姜。さわやかな辛さ、そしてきめが細かい。まずはこれをかじって乾杯。






私のお気にいりはこの「煮しめ」。山菜がたくさん入っている。これで飲むのがまた美味しい。

雲南市では、こうした煮しめの教室をやっているとか。観光客はもちろん、最近は地元のお母さんと娘さんとセットで学びに来る方もあるそうです。

確かに、「麻婆豆腐の素」や「カルボナーラパスタの素」などはスーパーにありますが、「お煮しめの素」などはない。手間と素材の良さがお煮しめの素なのでしょうから、よそ者はここに口を運んで味わうしかないですね。


ステージでは蕎麦打ちが始まりました。よくこういう会では、カラオケとか太鼓とかが歓迎の出し物として出てきますが、うるさいものはいりません。

だって、人々は語り合いたいのですから。そういう時に見せていただくのは蕎麦打ちの技がぴったりでした。



たたら製鉄のためには、広大な森林を炭にする必要がある。木を伐ったらすぐにはもとに戻らない。焼き畑にし、蕎麦を育てる。そんな出発の蕎麦が、やがて出雲の割り子蕎麦となっていく。

特に美味しい奥出雲の新そばを、目の前で打ってくださって。こんな贅沢な宴会芸はありません。蕎麦に人生をかけた方の話をうかがいながら、その技を学んでいる若者が一生懸命蕎麦を切る。「うまくなったよ」と師匠から声がかかると、若者は目を細めました。



そんな愛情と真剣さが繋ぎになった蕎麦です。尊い技を拝見させていただき、さらにそれをいただいたのでした。








神々が降り立つという船通山のある地です。神々しいほどのいい水が湧く。

その水で作った、お豆腐。Uターンした若者が、豆腐作りに決意をもって向かい合っています。

その豆腐を、夕日の名所、出雲市・日御碕近くの藻塩でいただく。この味わいは、もてなしの極みでしょう。外食産業のほとんどが冷凍やレトルトの解凍や電子レンジのチンで出す、それに慣れている舌には衝撃が走る清冽な味でした。

持ち込んだ各地の食材、料理を、地元の方が説明します。食べ物の話は、老若男女が関われる。

だから話が弾む、笑顔がこぼれる。そうして初めて同士が仲良くなり、地域おこしの話にも及んでいきます。





テーブルの上で、王様のような存在感で鎮座していたのは奥出雲町「仁多米」のおむすび。

砂鉄を採るために山を崩し、そのあとを棚田にしていった、その歴史が作ったブランド米です。






横にかしずくのは飯南町の「とんばら漬け」、福神漬けのようでそれとも違う、独特の歯ごたえと、甘辛過ぎない味付けが箸を呼び寄せます。








出雲市に住んでいても、なかなか食べられない!と白むすびをほおばる若者。


「うん、うまいです」







長崎県雲仙市、広島市、兵庫県淡路市、大阪市、奈良市、和歌山県海南市、静岡県掛川市、埼玉県越谷市、新潟市、東京と各地からスローライフ学会会員がやってきました。

これはフルーツ産地、和歌山県紀の川市の柿、参加者からの差し入れです。



そして、翌日の朝ご飯。これがまたすばらしかった。

もちろん仁多米のご飯。地元マイタケのお味噌汁。地元産ブランドキャベツのお浸し。地元豆腐の湯豆腐。地元の沢庵古漬け。






そして、地元の卵。地元の醤油屋さんの「卵かけ醤油」「椎茸醤油」が並びます。











誰かが食べながら話しています。「餌に着色料をいれて黄身を不自然に赤くしている卵が多いけど、ここのは自然の色だね」

「久しぶりに旨い卵かけご飯を食べたよ」あっちこっちでお替りをしています。もちろん私もご飯2膳お替りでした。

地元の牛乳も美味しかった〜。

いつもこの宿がこういう料理なのではありません。温泉宿に来たら、ずらりと揚げ物、お造り、煮物、焼き物、と定番の物ものが並ばなくては嫌な方もあるでしょう。

特に板前さんの世界でも、田舎の家で食べるような「おかず」は人に出すものではない、という考え方が強いものです。

ここは緩急自在、何を喜ぶ人なのかを見極めて料理を選べばいい。さらに、何を、どういう物を喜ぶ人に来てほしいのかもその土地が自らが見極めなくてはならないでしょう。

こういう地元の味をこんな風に喜ぶ人たちがいる、こんな交流ができる、そんな実験になったならフォーラムをやって、夜なべ談義をやって、良かったなあと私は思うわけです。

泊まったみんながバスに乗り込もうとしていたら、花を積んだ軽トラが。

これから出雲市まで行ってフォーラムのステージにお花を活けてくださるのです。

斐乃上荘の玄関にいつもある、迎え花が素朴で素敵で、是非これをステージにとお願いしたところ、願いが叶いました。



普段見ている近所の花、山の枝、秋の彩りが、「なんだか、こんなんでいいのかねえ〜」と言いながら活ける地元の女性の手によって、素晴らしいステージ花に仕立てられていきます。








花屋さんの花を注文すれば、実に簡単にお金で解決し、何処ででも同じような花がステージを飾ったでしょう。

でも、この日のフォーラムでは、斐伊川サミットにふさわしい川の上流、水源に近い山の樹々、花々が晴れやかに活けこまれました。

講演やパネリストの言葉を聞きながら、考えながら、ふと目をとめ仰ぎ見る、この日の花のすばらしさ。



いろいろな物を食べ、様々なところを見て、学んで、たくさんの人と語り合ったスローライフ・フォーラムin出雲の國。

このたたら文化の地で、ヘルシーで素朴な本物「たたらフード」を守り、育て、発信するプロジェクトを始めたいものです。

そして、全国から神様が集まるように、全国から食いしん坊でわきまえのあるスローライフ人が、集まる仕掛けを皆で考えていきましょう。

今回のフォーラムで出雲の濃い応援団が、ぐっと増えたのですから。

なんてことを考えながら、台風で遅れた飛行機をまちつつ、出雲発祥というぜんざいをすすったのでした。

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野口 智子 のぐち ともこ
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局
ゆとり研究所

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略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。