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外国人目線2018/01/22 1:42 pm

和歌山県紀の川市の地域おこし協力隊が市民と共に、外国観光客向けイラストマップを作るワークショップを開いています。

外国人目線で見たら何が興味深いのか?と、みんなでウロウロ歩きをしました。屋根の鬼瓦、小さな祠と紅葉、古墳、剪定した庭木、イチジク畑、田んぼの氷。

もし自分が遠い国からやってきたら・・の目線で見ると、普通のことが急に面白くみえてきました。
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そう、猫の駅長たまが居ることで知られる、和歌山電鐵貴志川線です。たま電車やイチゴ電車など、凝ったデザインの電車が走り、これに乗って「貴志駅」まで、たくさんの外国人観光客がやってきます。







今の駅長は二代目。お休みの日があったり、後ろ向きばかりの日があったり。海外から噂を聞いてやってきても、当たり外れがあります。

そりゃ、生き物だものしょうがない、画一的なサービスはできません。

で、必ずや、外国からのお客様は駅長と駅舎の写真を撮ります。そして、そのほとんどはサッサと帰ってしまいます。

ネコだけ見せて、それで帰していいのか紀の川市!!と、私は常々思っていたのです。

この貴志駅前に、観光交流拠点が整備されることになりました。

その先行事業として、市民の交流心を育て、外国観光客にもっと滞在してもらうきっかけ作りのために、このワークショップは設営されたのでした。

11月から3月まで全5回、2時間ずつ。20人くらいが参加して、かなり忙しいメニューをこなし、最後にはマップを作ろうというわけです。

私は2回だけ参加の冷やかし客ではありますが、楽しい時間を過ごさせていただきました。

やみくもに外国人の方に話しかけてみよう、という無謀な実験もありましたが、これもみな体当たりでクリア。

けっこう通じるものです。(笑)

そして、駅から500mくらいを数人で歩いて、外国人の方が喜びそうなポイントを発見する、というメニューも。

「この田んぼと古い立派な家どう?」「あ、これはいいね、喜ぶよ」なんて発見を続けていきます。


白壁に瓦屋根、黒い鬼瓦。きれいに刈り込まれた庭木は、大きな盆栽のように美しい。

「この辺は、ちゃんと説明がマップにあったほうがいいね」「こういうお家で、住んでいる人が中を見せてくれて説明してくれれば、いい思い出になるんじゃない」

「立派な観光施設より、普通の、古くからの暮らしを見た方が喜ぶと思う」「そういう観光の時代だよね」

なんて話しながら、歩きます。

庚申さんの祠。「これは何て説明すればいいのやら」「でも、外国の人、喜ぶねきっと」

そういえば駅のすぐ近くにもこんな祠があって、近くに紅葉が一本。アジア系のお客様がその紅葉と祠を熱心に撮影していました。

紅葉のない国では、紅葉やイチョウの黄は珍しいのでしょう。

それなら写真を撮るだけでなく、この竹ぼうきで紅葉を掃き集める体験などさせてあげたらどうでしょう。

枯葉の感触、竹ぼうきの音、土の匂い、みんな日本、みんな紀の川市です。





畑のなかの真ん丸な小山?なんと古墳だそうです。これは外国人でなくとも興味がわく。

しかも手前の畑はかんきつ類の苗がズラリ。果物のまちらしい風景です。

いっそ、キウイフルーツ古墳と名付けましょうか。ちゃんとマップで解説すれば、歴史の浅い国の方には驚きの丸山になることでしょう。

別の古墳横に並んでいたお地蔵さん?地元では何かきっといわれがあり、新しく整備されたのでしょう。

せっかくなら何か物語を作ってもいいですね。健康を願うなら何番目、恋愛なら右から三番目、商売繁盛なら一番左、など。

あ、不謹慎かもですが、そういうストーリーがあると、駅から15分、ただの田舎の道を歩いてくれるかと思いまして。

イチジク畑です。普通は上に伸びる枝を、真横にし、よけいなところはすべて選定し、若芽がまた垂直に伸びる季節を待ちます。

こういう形に樹を整えれば、高齢者の方でもイチジク生産ができると聞きました。ぎゅーんと伸ばした手を繋ぎ合ってるみたいですね。

果物はその収穫時期だけが魅力ではありません。実りの無い真冬の時期も、ここでもし農家の方の解説をいただければ、知識の実りをいただいたことになります。

この畑の見学後、暖かいところでイチジクジャムを入れた熱々の紅茶など飲みましょう。これは外国人でなくても体験したい内容です。

観光地ではなかった紀の川市、貴志駅だけに猫目当ての外国人がやってきますが、地元の住民の方々と上手な交流が育っているとは言えません。

むしろ、「マナーの悪い人たちが来て嫌だ」「お金を使わない」など、外国人観光客に好感を持たない、否定的な声も聞こえてきます。

でもこの氷のような関係も、お互いが歩み寄って溶けていくもの。

お金だけの関係でなく、知識や心の交流をしましょう。マナーが悪ければ、ぜひ、紀の川市でいいマナーを覚えて帰っていただきましょう。

このマップができる頃には、貴志駅まわりに妙に詳しくなった市民が数十人できあがります。外国人目線で地域を見ることは、地域を客観視することです。そんな訓練のできた人たちです。

そしてその人たちは、英語ができなくても笑顔で話す度胸試し済み。さらに、何度も同じ時間を過ごし、打ち解けた仲間でもあります。

観光施設や観光名所がなくても、いい時間を過ごせる貴志駅回り、そして紀の川市を目指そう。このマップ作りは小さな試みではありますが、なかなか深い意味合いを持つことになるでしょう。

“私たちが作ったマップ”を胸を張って使いこなしながら、外国人をガイドしたり、外国の方向けの体験プログラムを企画する、そんな動きがワークショップ参加者から起きていくはずです。

きっかけとなるワークショップを仕切る、地域おこし協力隊さん、ありがとう。

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ゆとり研究所

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略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。