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それぞれの宿で2018/07/02 1:34 pm

その土地のことを知るには、いろいろな宿に泊まることが大事と思っています。

いま通い始めている雲仙市でも、3泊するなら3種類の宿に泊まります。

今回ある宿では、大女将さんのまかない食事にご一緒し厨房で楽しいおしゃべりをしました。

スポーツ合宿専門の宿では、アスリート並みの食事量にびっくり。地元のはじける宴会に遭遇した夜も。

それぞれに土地の事情を吸収できました。
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雲仙市に毎月通い始めています。今回は、雲仙市国見町を回りました。いろいろな活動や人を訪ねていますが、宿は私セレクトです。

1日目は多比良地区にある「割烹旅館観月荘」という宿。「タイラガネ」(ガネとはカニのこと)呼ばれるカニで有名な海辺のまちです。



2階の部屋でしたが、1人で食事はどうも淋しい。1階に降りてひょいと覗くと、あれ?室内に池がある。大きな鯉が泳いでいます。

厨房で老夫婦がお食事中、「綺麗な鯉ですね」というと「金魚なの」と大女将さん。2人の仲睦まじい姿に、「ここで私も食べたいな〜」なんていうと「どうぞ」と大女将さんがさらりと許してくれました。

ふと見ると、「酒」と書かれたお燗用のヤカン、「のり」と書いた缶、「いりごま」と書いた容器などが並びます。

「みんなお父さんが書いちゃうの」と大女将さん。お爺ちゃんはどうもマジックで表記癖があるようです。



娘さんの若女将さんも加わりました。「このお造りのヒラメはそこの浜でとれたんですよ」「ウリの漬物も沢庵もみんなここで漬けるの。この町は野菜も採れるし」

そこに、嫁いだ娘さんが立ち寄りました。お好み焼きの差し入れです。

ビール1本ですっかりご機嫌の私は「これからはこういう家庭的な宿を求めて外国の方も来ますよ」なんて演説です。

「ええ?こんなとこまで来ますかねえ。雲仙温泉なら来るだろうけど」「来る来る!だから簡単な英語を覚えましょうよ」など、女たちのおしゃべりは果てしなく。



メバルの煮物の美味しかったこと。煮汁をかけたご飯がまた最高でした。

若女将さんはまちづくりに熱心です。この辺りのお店や宿は自慢の逸品を黒い看板に書き出しています。ここは「三角いなり」、そして「おはぎ」も名物。

お爺ちゃんが昔は和菓子屋さんだったことから、当時の銅鍋を使って今も餡を煮るとか。



本当は予約制ですが、翌朝のご飯に若女将さんがわざわざ作ってくださいました。

ゴマのたっぷり入った大きな三角いなりをずしりと食べたあと、さらにおはぎがまた美味しい。海辺でこんな味に出会うとは・・。




2泊目は「遊学の館」。巨大なグランドと大きなお風呂を持つ、スポーツ合宿の宿です。そんなところに個人客が、しかも女性1人でなんて?と思ったらOKでした。

部屋の中のトイレも洗面所も立派。お風呂にはサウナもあり、廊下の横には洗濯機、乾燥機、共同で使う冷蔵庫も。

ここに個人や家族で泊まれることを知ったら、もっともっと賑わうでしょう。とはいえ、夏はもう合宿で満室状態、雲仙市内でもかなり稼働率のいい宿なのです。

夕飯の量が凄かった。刺身、煮魚、エビフライ、餃子、蒸し鶏、エビチリ、豚の陶板焼き、ざるそば。とても食べきれません。

「サッカーの子たちはこのくらいペロリです。ご飯もジャーが空になるし」と調理の方。地元の物を少量食べたい私のような高齢者?!は、今度は夕飯は外で済ませましょう。



それにしてもスポーツ少年たちをいつも相手にしているせいか、従業員の方々の笑顔がさわやかです。応対がいちいち清々しい。最近の普通のお宿に学んでほしい感じの良さでした。

ここはお風呂だけもOK。地元の方々がけっこうお風呂利用にやってきていました。外来者受けの施設をジモティーが上手に利用する、賢いですね。しかもお行儀のいい入り方。

私のようなよそ者が居ると、邪魔にならないようにして家族で入っています。そして洗い場から出るときは、シャワーで自分回りの床をざっと流している。見習わなくちゃと思った仕草でした。



3泊目は「旅館 松栄」。予約の時から女将さんが「この日は宴会が入っているので、うるさいかもしれませんが」とおっしゃいます。

「いえいえこちらも他のところで実は宴会をして、そのあとうかがうので夕飯はなしで、しかも到着遅いです」と条件がピタリ!

いい加減遅く、こちらも酔っぱらって到着するとまだ宴会は続いていました。どうやら地元の農業関係の若者のようです。

私は宴会が大好きなので、盛り上がったりはじけたりは大歓迎。ロビーで女将さんは気にしますが、実はこちらがその輪に飛び込みたいくらい。

そこにスタスタと若者が階段を降りてきました。トイレかな、お水かな?と見ると、ストーン、と音まではしませんでしたがズボンが落ちた〜〜〜!大丈夫、パンツは履いていました。

こちらは大笑いなのですが、女将さんが子どもをあやすように「あら、ダメよ。ズボンあげてよ〜」と世話をしています。

どこに行くのも車社会の田舎の地、普段は外ではなかなか飲めません。皆とたまに飲むのなら、こうして思い切り飲みたいのでしょう。

黒々と日に焼けて、ご機嫌の若者はいい顔をしていました。こういう宿が身近にあること、幸せですね。



お風呂に入っているうちに宴会は引けました。そこで私のお目当ての「野菜ぷりん」です。

実はこの宿は、例の看板に「野菜ぷりん」と書いてある宿。雲仙市の豊富な野菜をたっぷり使って手づくりプリンを手がけています。

一番ベーシックな雲仙名産の「じゃがいもぷりん」をいただきました。夜中のぷりん、ほっこりとしたジャガイモの風味をそのままに、魔法にかかったような甘さが私をとろけさせます。

このノリで、翌朝もう一つ「ゴーヤぷりん」もいただきました。





女将さんは他のお菓子にも挑戦中、料理にも熱心で朝から可愛いジャガグラタンも。玄関にはジャガイモの新種が「女将さん、試しに使って」と届いていました。






雲仙市内に有名で巨大な温泉観光旅館もありますが、3か所3様のこういう宿もまたいいものです。お宿のおかげで土地の素顔に触れ、ますます雲仙が好きになったのでした。

※ちなみにカニの写真は朝の散歩のお友達、タイラガネではありません。

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略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。