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昔の写真展2018/07/16 11:50 am

久しぶりに十津川村谷瀬へ行くと「谷瀬昔のくらし写真展」が開催中でした。

奈良女子大生と谷瀬住民による手作り展示。眺めながら村人の話がつきません。

90歳のおじいちゃんの若い頃の写真を見て「イケメンだったね〜」、今はヒゲを蓄えてた集落総代の赤ちゃんの頃の写真では「可愛い、ヒゲがない!」なんて声が。

“みんなの昔”が主役になれる写真展は、よそ者にも楽しい場でした。
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4ヶ月ぶりの谷瀬です。今年も「純米酒 谷瀬」になる、酒米がすくすく青々と伸びています。

谷瀬の吊り橋を渡って「ゆっくり散歩道」を歩いていくと、やがてあるのが「こやすば」。

古民家を皆で使えるようにした休憩所です。




ここでは春までは「暮らしの写真展」として、村おこしの様子や、名産品づくりの作業など、谷瀬の今の暮らしを伝える写真展をしていました。

その昔バージョンです。2月頃から奈良女子大学室崎研究室の学生さんが、集落の皆さんに呼びかけて昔の写真を集めてきました。

「ないよ」と言っていた住民が、意外に「あった」と反応。アルバム一冊出てくると、それは宝の山のように、いろいろな情報が埋もれているのでした。

集落の人は、ひたすらあちこちをゴソゴソ探す係です。アルバムがあったら一緒に写真を選び、学生さんがスキャンしてデータにし、プリントしてボードに貼ります。



ちょっと素敵なギャラリー風でしょう?

この撮影時は、「こやすば」の戸が閉まっている状態だったので暗めですが、土日のオープン時は、もっと明るいです。

しかし、時々まだコウモリ君が登場するのですが・・・(笑)。





古民家の黒い板戸と白い障子は、そのままシックな展示スペース。特に、こういうモノクロームの写真に合いますね。










ひときわ目を引くこの写真は、谷瀬名物の吊り橋が昭和29年にかかった時の、渡り初めの様子だそうです。

紋付袴に山高帽姿、何度も流されて苦労してきた、その橋が、皆の力で架かり開通した。その待ちわびていた気持ちが、佇まいから伝わってきます。

今ではもっと立派な吊り橋になっています。この頃の吊り橋は、大風の日はよくねじれた!のだそうです。

一方この写真?これはいったい何を運んでいるのでしょうか?婚礼か何かあって、その荷物をリヤカーで運んでいるのか。

それともいつもの農作業のひとコマなのでしょうか。そんなときにわざわざ写真を撮るのかなあ〜とも思うし。やはり何か特別なものを運んでいるのでしょうね。



集落の人々は、何をしているか?よりも「ああ、○○姉だ」「これ、△▽兄だろう、きっと」なんて、人物の特定に夢中です。

一番右が、いまや最高齢?のお爺ちゃんのはず。素敵です、もちろん今もですが。






電話の交換、という仕事もあったわけですね。











お嫁さん、一世一代の晴れ姿です。

こういう花嫁姿で、吊り橋を渡って谷瀬へお嫁入したのでしょう。今と違い、情報がない時代です。他と比べるなどということもなく、親や親せきの決めた縁談で。

ただただ、嬉しくて恥ずかしくて。いい笑顔ですね。

地元の方々、相変わらず「これ、□□婆じゃないかね」「ああ、そうだそうだ」「ほお〜」という調子。

花嫁姿のご本人は、今は集落においでにならないようですが、こうして写真を飾られるなんて、喜んでくれるはずです。



昭和20年〜30年代くらいは、子どもはみなおさがりを着て、鼻を垂らして、下駄で走り回っていました。

小さな子は、お母さんや上の兄弟にいつもおんぶされていましたっけ。そう、黒い襟のついた“おぶいばんてん”にくるまれると温かでした。

おぶわれているのが、今の谷瀬集落の総代さんです。



吊り橋を渡ってお嫁入し、やがて子どもができて、家を建てる。

当時の家は、新建材など使わない、地元十津川の木を使ってでしょう。自分の山の木を伐って、ということだったはずです。

建前は嬉しい、餅をまいて、幸せを祈る、振る舞う。


写真を見ていると、この小さな集落に暮らし、身体を酷使しながらみんなでささやかながらも幸せをつかんできた、創って来た、そんな皆さんの生きざまが伝わってきます。

集落の人と、学生さんと、飾る場所があれば、こういう試みはどこででもできますね。

誰かの立派な写真を鑑賞するのではなく、自分たちの歩んできた日常が主題になり、自分たちが主役になれる写真展。

写真を前にほとんどおしゃべりは噂話や冗談のですが、それでも住む人たちも、よそ者も混ざって、人のつながりを編むことができます。

ぜひ皆さん、ぶらりとお立ちよりください。そしてぜひ、皆さまの地域でもこんな催しをしてみてください。奈良女子大さんありがとう。


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野口 智子 のぐち ともこ
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略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。