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ピザ窯造り交流2018/09/24 4:42 pm

私は、和歌山県紀の川市と長崎県雲仙市とお付き合いがあります。このたび、両市の方が交流する機会がありました。

ドラム缶でピザ窯を造る技術のある紀の川市民が「これがあると、地域おこしに役立つから」と、わざわざ雲仙を訪ねたのです。

雲仙市民も受けて立ち、ジャガイモ農家をスタッフ隊長にワークショップに40人も集合。みんなで造った窯で焼いたピザは美味でした。
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「紀の川市の人がピザ窯を造ろうかって言ってるけどどうする?」なんて私が話をしたのは今年の7月ごろだったと思います。

そう言われても見たことも聞いたこともない「え、ドラム缶で?」というところから、話は始めなくてはなりません。




何か組織があって、そこが受け入れるとか、役所の仕事としてオーダーするとか、そういう話じゃありません。

「そりゃ、あれば便利だろうけど」「ドラム缶はどうするの」
何時、何処で、誰が、誰に向けて、どうやるのか。決めるにも話し合うにも心もとないところからのスタートでした。


たまたま私と知り合ったということで「やれば〜?」といわれてしまった雲仙市千々石のジャガイモ農家青年も、迷惑な話です。

そもそも彼は自分の仕掛けたイベントをこの夏に抱えていたわけで、ドラム缶もピザも考えられない状態でした。




「行くなら、フェリーの切符もとるよ。ドラム缶は現地で手に入るかな〜?」来てくださる紀の川市の方からは、もう行程表くらい作らないと、と私が迫られます。

「どうするの、やるの?やらないの?それだけ決めて」なんて今度は私が雲仙に迫ります。





「やりますよ!」「うん?やるのね、じゃあやろう!」とまずそこが決まってこの企画は走り出しました。

雲仙で、たまたま知った人の何人かに声をかけます。「一緒に考えませんか?やりませんか?」

そして、4人の市民がファミレスに集まりました。市民の立場で加わった雲仙市役所の職員さんも。

紀の川市の人と一緒に連絡を取り合うファイスブックメッセージグループをつくったり、ラインで繋がったり。

それからは必要な道具から、集客人数、体験料の割り出しまで。まあ、いろいろ打ち合わせがはるか離れた2つの市をまたいで頻繁に行われました。



やるということが決まり、本人たち同士で話が進みだしたら、私のような接着剤の役はあまり口出ししない方がいいです。

言い出せば限りなく何か言い出してしまう。

そうして迎えた9月23日です。雨でないだけで半分成功したようなもの。



私は島原外港に前泊し、紀の川市からの一行を出迎える役でした。そして、千々石までご案内です。

ピザの材料は揃ってるのかな?受付は誰がするんだろう?そもそも人が来るのかしら?




いろんなドキドキはあったのですが、現地に着くと女性スタッフがまずはカレーで腹ごしらえ中。

その様子を見て急に安心しました。紀の川の方々には、チャンポンの昼食が用意されていました。道具などを出したり設営しているうちに、あらあら〜〜?次々と人が集まってきます。



「こんにちは〜」「あら来てくれたの」「久しぶり〜」「どんなのかと思って覗きにね」なんて声が飛び交います。

子ども連れが多いのがうれしい。ドラム缶をみて子どもたちは興味津々です。

これだけの人を集めるのに、どんなに大変だったか。雲仙の人たちはすごいなあ。



ジャガイモ農家の隊長が開会のあいさつをし、紀の川市から来た3人も挨拶。作る手順などの説明が始まります。

まずはドラム缶を輪切りにして、雲仙の文字をアルファベットで切って。





ジグゾーとかサンダーとか、荒っぽい道具が音を立てはじめます。誰もが何かしら作業をしましょう。

そう、だから、スカート姿でも高齢者でも、鉄を切ったり、ねじを回したり、金切りバサミを使ったり、です。

鉄工女子のような方も現れたりして、作業はぐんぐん進みます。


一方、別のチームはロケットストーブづくりも。これまた家族で煙突を固定したり、ねじを締めたり。

ほんの少しの枝を燃すだけでゴーッと音を立てて燃えるので、着火役に抜てきされたの女の子はこわごわと、でもうれしそうでした。





家庭のパン焼き器のなかの釜を動員して、ピザ生地は作られます。

トマトソースはとことんお手製です。トッピングの野菜は10分前に採って来たもの。これを焼くのですから美味しいに決まっています。





出来あがった窯に薪をくべると、あっという間に窯の温度が上がりました。

これがドラム缶ピザ窯の特色、すぐに熱くなって、ばらして運べる。だから屋外の市民イベントなどにぴったり。

この窯があるだけで、何かやってみようという気になるのです。



参加者を特におもてなししない、とにかく何かしらやってもらう。すると皆が仲間になっていきます。

先にやった人が教えてあげたり、人の動きを補佐してあげたり。

催し自体、プロが企画していませんから、ふわふわと不安定。それをそこにいる人みんなが何かしら気づいて、支えて、よくしている感じが伝わります。


ロケットストーブの方ではお湯を沸かし、パスタを茹でました。雲仙のアンチョビを使ったソースを絡めます。

ニンニクとオリーブオイル、ワインが飲みたくなりますね。これも役割が決まっているわけでもない、そこにいた人がなんとなくやっている。




知らない人同士が一緒に、何かをやる。段取りは悪いし、ゆるゆるしているし。

私などついつい、大声をあげて仕切っってしまったりなのですが、そのゆるさの方が大きくおおらかで、ヒスを起こす方が恥ずかしくなりました。

こういう人の繋がり方、いいなあ〜。




誰か一人が100%満足して、他の人がそれに従うよりも、この指とまれで集まった人たちが、30%ずつぐらい思いを叶える。

そして他の人の思いを知ったり、30%でも結構嬉しいということを知る、そんな時代なのではないか、なんて考えもし、、ました。

ついきちんと進行しようとするのは、私の悪い癖です。こんなにみんながニコニコして、初めての人たちが家族みたいになれたなんて大成功ですもの。

ドラム缶ピザ窯造りは、地域を救う!なんて言っても大げさではないですね。

紀の川市と雲仙市の市民の皆さん、これからも親戚づきあいしましょう。

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略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。