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「湯河原げんき隊」NPO法人へ2010/12/05 10:05 pm

まちづくりにおいて主体は住民。それならばと行政が人づくり講座などを設営するのですが、なかなか住民主体の動きまでにはなりません。

しかし神奈川県湯河原では「旅コーディネーター養成講座」卒業生を中心に、春に「湯河原げんき隊」をつくり、夏の暑さの中せっせと自ら書類を整えて、NPO法人になりました。そしてこの秋に披露会を開催。スクスク育っています。
















スクスクといってもそれなりの場があったからこそ、という辺りをここでは解説しましょう。

湯河原は、平成19年度、国土交通省の「観光まちづくりコンサルティング事業」で重点支援地域となりました。地域の魅力を発掘し、新たな企画旅行商品を売り出していくことを目的に、検討会議やワーキンググループ会議が開かれました。

あわせてモニターツアーも開催。20年3月には「地域が提案する魅力ある旅行商品説明会(於:東京)」で企画発表。旅行業者から注目を集めました。この動きの中で、町民が主体となって、地域に根ざした新しい観光を考える下地が出来上がりました。



それらを踏まえ、平成20年度は町が「観光戦略会議」を設けました。中長期的観光のあり方を検討しながらも、短期的な重点目標として「町民が考える着地型旅行商品の開発」と、それが「企画できる人(旅コーディネーター)の育成」に力を入れました。

検討会議3回、ワーキンググループ部会9回、そして「旅コーディネーター養成講座」(町内20名公募参加、講義3回・フィールドワーク3回 )を行っています。 加えて実験ツアーまで、と欲張りました。

21年度には、引き続き「旅コーディネーター養成講座」を開催、そしてこの講座が終わる時、今年の春に、19年事業辺りから関ってきた町民のみなさんと、講座卒業生とが呼びかけあって「湯河原げんき隊」が誕生したのです。

そのときのことはこのブログで。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=48&date=201004

と、ここまで書くと事業報告書のようですが、この流れに19年度は私個人の仕事として、その後はNPOスローライフ・ジャパンが委託事業として関ったため、たまにはそういう視点からのことをもう少し述べましょう。

私もスローライフ・ジャパンもコンサルタント業者としては、実に素人っぽい存在です。業者というよりも、住民の力の引き出し係、みんなの力のコーディネーターといったところでしょう。ただ、それがより良く影響するように、いつも意識はしています。

例えば19年度のワーキング会議を私はコーディネートしましたが、極力、硬い難しい会議にならないようにしました。参加した人が何も発言しない会議、などにならないように。





外部からの委員がずらりと並ぶ検討大会議の際は、ワーキングに参加の町民はオブザーバーのように後ろに座るのですが、本当の主人公は町民です。行政やコンサルタントの話を、きれいに整った資料をもとにただ聞いているだけの会議
は、一見効率的なようですが、行動を起こす人は出てきません。

会議だけではなく、どんどん外にも出ました。モニターツアーにも会議のメンバーが助っ人として参加、だんだん意見を言う、から、動き出すための根っこができていきます。そして東京での企画発表には、絶対にパワーポイントなど使わない方向でのぞみました。

プレゼンテーションなどコンサルタントの腕のみせどころですが、真っ暗ににしてパソコンで説明する観光など、町民のもてなし心にそぐわないやり方です。瑞々しい生の言葉で心から説明すること、言葉だけでなく、物や動きで表現する、そんな発表は印象に残ったはずです。

一緒に発表を作った、行政と町民がまるでグループ活動のように燃えた時間でした。



そして20年度から、ワーキング部会はそのまま「旅コーディネーター」養成講座の企画・運営スタッフとして活躍してもらいました。講座に参加してきた町民には、新住民や町をもっと知りたい人が多く、そういう人たちに先ずは町の魅力を伝えることが、ワーキング部会の動きとしても正解でした。

地域の素材で楽しむ新しい観光の仕方を、考え、現場をこしらえ、それを養成講座のカリキュラム、フィールドメニューとして実践しました。













足湯に入り温泉卵を食べながら、温泉をとことん学ぶ1日。ミカン畑や町を歩きミカン作りや歴史を知った後、柑橘スイーツ作りに挑戦する1日。など、そのまま地域観光のメニューになりそうな企画をワーキング部会の町民が考え、実行しました。


そして2年目の講座でも、前年のワーキングのメンバーに第1回の卒業生が加わって、企画・運営スタッフとして、チラシ作りから下見、交渉まで、講座を回す側に回りました。

最初の会議の設営から、その後、公募した講座の受講生まで。年齢・仕事・趣味などさまざまな人たちが混ざっていました。そして、最初から会議や学びの場を自分たちの力で作っていったことで、いろいろな参加の形が可能でした。









大工仕事、料理、パソコン、運転、人集め、場所探し、おしゃべり、自然観察、歴史解説、絵、写真、園芸、など、何かしら自分がスタッフ側として関れます。自分たちのアイディ
ア、技、労力を集めて、初めてこの講座は出来上がる。と、みんなが思ったのでしょう。私や役場が段どらなくとも、見事に1日がかりのフィールド講座が作られていたものです。

言い訳ではありませんが、こちらがあんまりやらなかった、手を抜いた?お任せした?そうしたことが良かったと今も思っています。

手取り足取り、すべてをきちんとやりぬくコンサルタントだと、町民が出る幕がありません。何時までたっても町民はお客さまです。完璧コンサルタントは行政には便利かも知れませんが、育ちたい町民、育ち盛りの町民には悪影響となるようにも思えます。

いまさら、行政の満足するぶ厚い報告書を競う時代ではないし、町民を子ども扱いしたらむしろ失礼でしょう。

町を悠々と泳ぎながら、お金のない役場と一緒に知恵を出し、フットワーク良く動いていく町民に向けて、私は「わあ、いいね、すごいね」という係りでいただけ。これからもそうしていきたいものです。












「湯河原げんき隊」の活動はこちらのブログをご覧ください。小さなことに悩みながら、あっちこっちにぶつかりながら、それでも元気に楽しんでいる様子がわかります。
http://genkitai.blog133.fc2.com/

ここの皆さんの特色は、フットワークの良さです。理屈より行動の団体。そして、個人はもとより、いろいろな団体が参加しているので、その活動を繋ぐネックレスの糸の役割もしています。NPO法人として定款の目的にはいろいろ難しいことを掲げてはいますが、要は観光によってまちづくりを進めて行こうというもの。

ゴミ拾いをしたり、花を植えたり、観光チラシ配りをしたり、駅前で観光客のおもてなしをしたり。湯河原スイーツを開発したり、温泉説明の出前をしたり、ミカン多種1個ずつ詰め合わせを販売したり、ミニワラジ作り講座をしたり、自然観察会をしたり。なんだかいろいろなことをしています。

かたくなに○○をせねばならない、という団体ではありません。「うん、いいんじゃな〜い」ってことは、どんどんやっているのがわかります。とにかく動くことが、可能性にも繋がっていくことでしょう。







1年後ぐらいには、「げんき隊」企画の湯河原の旅メニューが充実し、スローライフのお稽古に東京からSuicaで湯河原温泉通いができますように・・・期待しています。

というわけで、いよいよ私もNPO法人湯河原げんき隊の会費を払わなくては!

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連絡先

野口 智子 のぐち ともこ
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局
ゆとり研究所

TEL 090-7433−1741
E-Mail yutori@noguchi-tomoko.com

NPOスローライフ・ジャパン
〒160-0002 東京都新宿区四谷坂町9−4 リカビル301
TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
E-Mail slowlifej@nifty.com


略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。