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ゆとりある記 オリーブオイル搾り 2018/10/29 2:27 pm

オリーブの実を摘み取り、洗い、選別し、搾るという一連の作業を、雲仙市で体験しました。

枝からぶら下がり光る、揺れる、イヤリングのような実をとるのは楽しい作業です。おしゃべりしながら集めた実は緑色やワイン色、宝石のよう。

これを機械にかけるとやがてタラりタラり。100キロの実で、5キロのオイルがとれるそうです。強烈なバージンオイルの味は衝撃でした。
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オリーブです。

ね、まるでアクセサリーのようにきれいですよね。

このまま摘み取らないで枝ごと活けたら、素敵なカフェやブティックにぴったり。







今回お誘いくださった、稲田信忠さん。本業はイナダ創研という、生産省力化機械製作の会社の経営者。

図面を引かずに相談を解決する機械を作ってしまう、“発明王”の名を持つ人です。

この厳つい感じ(失礼!)の人が、オリーブ栽培に目覚め、お茶や化粧品まで手掛けようとしておいでなのだから面白い!

耕作放棄地にオリーブを植える運動を起こし、ナチュラルファーミングという会社も起業されました。

オリーブの収穫なんてめったにない体験。私だけではもったいないので、お知り合いに声をかけました。

人間は収穫欲求があるのでしょうか、どんどん採り始めます。

「これをこのまま口に入れて、食べられればうれしいわね〜」




「野口さんでも採れるところを残しておきましたよ」と稲田さんが気づかってくださって、私たちが収穫したのは道路に近いところ。

もちろん無肥料・無農薬です。

「脚立に乗るの何年ぶりだろう?楽しい〜〜〜!」



「簡単に採れるのね〜、葉っぱもきれい」

「実をかじるとビックリする味よ。でもその実を手にこすりつけると、油がスッと肌に入ってくの」

「へえ〜。顔に塗ろうかな〜」

作業をしながらの、こんな会話がのどかで楽しいのです。


首から下げていた袋からポロポロとオリーブを空けると、なんだか気分は地中海。

これだけで体験観光メニューになりますね。







たっぷりの水で洗い、浮いた実ははねて、さらに柄や、しぼんでいる実、カメムシが刺した後のある実、大きな傷のあるものなどをひとつずつチェックして避けていきます。

少々面倒ではありますが、これをやった後の手はすべすべになるというごほうびが。




機械に投入。

イタリア製の搾油機です。稲田さんがこれを作ってしまうのも時間の問題でしょう。








さあ、オリーブの実が砕かれ潰され始めました。

一気に周囲が青青しいような、少しツンとするような、独特の匂いで満ちてきます。







機械にお任せの間に、工場横で即席オリーブパーティー。

以前に搾ったオイルと岩塩を、特産のジャガイモを練り込んだパンにつけてパクリ。

オリーブの塩漬けの入った、コロッケをパクリ。

「これはワインを飲まなくちゃね〜」と何度もいうのは私。

家庭用のこの塩漬けはいわゆる浅漬け、塩分が少しでパクパク食べられました。


稲田さんのところでは実やオイルに限らず、葉にも注目。オリーブの葉のリーフティーとパウダーティーを作っています。

強い苦みがあるのですが、それを解決する発明が上手くいったとのこと。これから本格的に商品化されるそうです。

パウダー茶は、先日、地元の洋菓子屋さんが、新作のお菓子に既に使われました。抹茶ブームの後は、オリーブ粉茶のブームが来るのかもしれません。

オリーブの樹の盆栽もあるのだとか、これには驚きました。


そうこうしているうちに、タラりタラりと、そのうちチョロチョロと、オイルが出てきました。

小さなプラ容器でほんの少し飲んでみます。








「おいしい〜〜〜〜」という声は上がりません。

何でもおいしがる私の、この複雑な顔。

辛い、えぐい、酸っぱい、青青しい。人を寄せ付けないパンチのある味です。でも、これこそがポリフェノールの味。バージンオイルなのでした。

雲仙は小豆島などのオリーブ栽培に比べたら、まだまだ始まったばかりで産地ともいえない段階です。

でも確実に国産オリーブの需要はある。この数年でどこの家でも当たり前に、オリーブオイルを使うようになっているのですから。

そしてさらには、「少し高くてもいいから、無農薬の国内産のオイルを使いたい」と思っている人は、今や少なからずいます。

その人たちに向けて、オリーブを植える、植える。畑を荒らしているよりはいい。

そして実だけでなく、栄養や薬効もある葉も加工して摂取できるようにする。いずれ機械も日本で作る。

和オリーブの世界はこれからなのです。

雲仙は観光地です。温泉国際観光地ならではのオリーブの発展があるでしょう。

旅館やホテルで、雲仙オリーブオイルを使ったお料理を楽しめます。和食としてのオリーブオイルの活用が期待できます。

温泉蒸しした和野菜に、地元のオリーブオイルなんて、贅沢ですね。お刺身にお醤油とオリーブオイルも合います。

この地ならではのカタクチイワシの塩辛とオリーブオイルは相性抜群です。

温泉療法の後に、オリーブオイルでお肌のお手入れもできるでしょう。

今回のオリーブ体験がプログラム化すれば、自分で収穫し搾ったオイルをおみやげにもできます。


いろいろな実りの妄想がキラキラと広がる、雲仙オリーブに期待しましょう。


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お仕事 ワインライフ 2018/10/22 1:47 pm

ブドウ収穫の時期を迎えた北海道池田町を訪ねました。たわわに実る黒い小粒のブドウは名産の十勝ワインになります。

このブドウに魅せられて、会社務めを辞め、家まで建ててブドウ作りを始めた男性に会いました。自分のブドウでワインを。それを楽しみにする第二の人生です。

急がないでゆっくり、実りと熟成を待つ生き方。そこには良い友も集まります。これぞワインライフですね。
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池田町といえば自治体ワイン造りの草分け。「ワイン城」が有名です。

観光バスに乗ってワインを買って帰るのもいいですが、リピーターにはこんな景色を眺めてほしい。

見渡す限りのブドウ畑、地元では当たり前でしょうが、これこそ観光資源。ここからワインが始まるんだ、と実感できます。

たわわに実るとはこのことでしょう。「山幸」というワイン用の品種が収穫真っ盛りでした。










よく見るブドウ棚とは違います。垣根のような作り方、下の方にブドウはなります。手際よさに見とれました。

もちろん畑は持ち主が居るので普通は勝手には入れませんが、実ったブドウと収穫風景はかつての築地市場見学同様、産業観光の一場面。この「山幸」ワインをどうしても買いたくなってしまいますね。



この日の夜は当然のように、ワインでお食事でした。ここでは書けないほどの、銘ワインをいただきました。

そして、別の意味で貴重なこの写真のワインも。

ワインに魅せられて、ブドウ栽培に魅せられて、半移住し、家も建てられた男性のそのお家「クマゲラ亭」のラベルが貼られた「山幸」です。

そのご本人、Hさんと、Hさんを引き寄せるように結果的には池田町に根付かせてしまったYさん、その出会いとつながりのエピソードはドラマチックでした。

大人の男たちの友情というか、絆というか。聞くほどに、人生って面白い、とワインが進みました。

翌朝、Hさんの「クマゲラ亭」を訪ねました。外壁は木を燃やして真黒にした加工、昔の海辺の倉などにあった方法です。

屋根は赤。このため、身体が黒く頭が赤い「クマゲラ」という鳥の名がつけられたとか。私など、まだ実物をみたことがないのですが・・。



Hさんは、何かを栽培したくて、それも実がなるものを作りたくて、ワイン用のブドウにたどり着いたのだそうです。

最初は挿し木にする枝がほしかった。ワイン城を訪ねるうちに、Yさんと仲良くなり、何度も訪ねてはワインを飲みかわしながらワインの魅力に惹かれていきます。

やり手の居ないブドウ畑があることを知り、Yさんの紹介でブドウ栽培を始めました。当初は自宅のある関西から、月に2回飛行機で通ってきての農業だったとか。

そのうち、会社員を辞めてしまい、この家も建てました。なかに入ると、暖炉やロケットストーブ、ブドウ搾り機、バケツ一杯のブドウ、窓辺に並べたブドウと、実に「農的」な暮らしです。

ブドウジュースをご馳走になりました。糖度22度、ほんの一口で元気になり、目の疲れが直りそうな濃さ甘さです。

昨年の干しブドウもいただきました。生では気になるブドウの種が、干しブドウになるとそれほど気にならない。むしろ、カリカリと噛む食感が美味しさを引き出します。

これとバターやチーズで、ブランデーやワインを飲みたいものです。「ぜひ商品化してほしい」とリクエストしました。


Hさんの畑に行きました。彼は垣根造りにはせず、支柱を立てた独特の作り方にチャレンジしています。

支柱にもオリジナルの工夫があります。そういうことのひとつひとつ、考えることが楽しくてしょうがないようです。

実を口に入れながら、収穫時期を考えておいででした。収穫には彼の友だちが、泊りがけで援農?に来るのだそうです。またまたワインパーティーですね。

わたしはワインになるまで待っていられない、このまま生でどんどん食べたくなっちゃいます。

それに普段、見たことのないこのワイン用のブドウの姿が、かわいくて、美しくて。

ブドウの葉や枝も、秋の象徴のようで愛おしい。ご無理を言っていただいてきました。(この写真はHさん撮影)




Hさんのようなワインライフもあれば、これは私のワインライフ。生け花ではなく、活けブドウです。

残念ながら、帯広、羽田と運ぶうちに、葉のほとんどは取れてしまいました。

でもこのツルがいい。冬には葉を落としたツルをたくさんいただいて、カゴなど編みたいと夢は膨らみます。Hさんの畑を手伝って、ツルをいただくなんてことできないかな〜。

もしかしたら観光客だって、ブドウのツルでリースはもちろんのこと、カゴやオブジェを作りたいはず。

ワインライフは飲むだけじゃないのです。

ブドウと葉を、私の事務所のテーブルに飾りました。来客の目を引きます。

食べ物ではなく、活け物ですね。久しぶりにデッサンして絵などを描きたくなってしまいます。

そういえば古い西洋画に描かれたブドウはこんな感じだったのでは・・・。

花を活けるより、こんなふうにブドウを活けこんだテーブルで、ワインを飲みながら食事をしたい。これもワインライフでしょう。

Hさんのおうちを訪ねた時に「あ、ハクチョウだ」とHさんは空を仰ぎました。こんな大空とブドウに囲まれたのびやかな暮らしの選択、素敵だなあと思います。

池田町には、ブドウが年数を重ね育ち、もう収穫できるのに栽培をやる人が居ない畑がまだあるそうです。

このブログをご覧になって、栽培というワインライフをしたくなった方、私にご一報くださいネ。

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ゆとりある記 お手振り「SL大樹」 2018/10/15 2:39 pm

日光市の下今市駅から鬼怒川温泉まで走っている「SL大樹(たいじゅ)」に乗りました。

ほんの35分間の蒸気機関車体験ですが、驚いたのは沿線の方々が手を振ってくれること。家のベランダから、イモ畑から、ふと見ると手を振っています。

ついこちらもニコニコと振り返します。往復乗ると、何人もの人と友達になった気分。

淋しくなったらお手振りを求めて、また乗りましょう。
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東武鬼怒川線に50年ぶりにSLが走ったのは昨年の夏。下今市の駅舎もぐっとレトロに、新しく古くなりました。









SLについての魅力は、撮り鉄、乗り鉄、SLマニアの方にお任せするとして。ここのSLは首都圏からすぐに、サッと乗れるというのがひとつの際立った特色と私は思います。

片道35分ならば、日帰りで往復2回なんて乗り方が可能なのですから。





東武鉄道の偉かったのは、SLを単なる観光資源だけにせず、まちづくりのきっかけにしようとしたこと。

「SL大樹にみんなで手を振ろうプロジェクト」や花植え、絵画募集、ネットワーク組織の立ち上げなどを行い、沿線住民の地域づくり運動を展開しています。



カメラを向ければ、関係者がサッとポーズを取ってくれる。

駅員さんもSLアテンダントさんも、素敵な笑顔ですね。







誰もが写真を撮りたい撮られたい時代ですから、SLなどはとても良いモチーフなのでしょう。










運行初日などに、地域の人たちがずらっと並んで手を振るということは多々あります。

でも、ここではずーっと一年以上も、誰かが手を振っている。

SLを撮りに来ている人が、カメラそっちのけで手を振っている。




ふと見ると、景色の中に手を振っている人がいる。

右にも、左にもです。









手を振られれば、こちらもつい嬉しくて振り返すから、ああ、写真が間に合いませーん。










あの親子は、何時からあそこで待っていてくれたのか?

今日の夕飯の時に、このお手振りの話をするのでしょうね。また振りに行こうね、なんて話すのでしょうか。







山手線のようにしょっちゅう走っているわけではないので、調べて待って手を振る。傘を振り回したりしている。

あのエネルギーは何なのだろう?こちらにも力が伝わってきます。元気になります。

わーい!と声が出ます。



イモ畑の端のおじさんは、どんな気持ちであそこに1人、ちょっぴり恥ずかしそうに立っているのだろう。

旗までもって、振ってくれる。

心がジーンと熱くなります。きっと客車の窓からもたくさんの人が手を振っている、その笑顔がおじさんにも届いているはずです。


ベランダでワンちゃんを抱いて、その小さな足を振っている女性も。

なかにはSLの絵を描いた大きな看板みたいのを持って、飛びはねている家族もいます。

これまた、こちらが大きく手を振っているうちに写真が撮れず・・。



踏切で止まっている車、手前から2番目の車の窓で手が振られてます。

遠く離れていても、向こうとこちらが繋がっている感じ。糸電話で声まで聞こえてきそう。








病院の前には、車いすのおばあちゃんが。お手振りをするために外まで出てきていました。SLへのお手振りは、ワクワク感もあるし健康に役立っているのでは。

なんだか、泣けました。





こんなに普段、手を振られてことなどありません。

理屈じゃない、ただただ笑顔が手を振ってくれる、そうするとこちらも笑顔で手を振る。

窓越しに、損得抜きの人間関係ができている。「人間て、いいなあ〜」と思えてきます。



都会暮らしは過酷です。他人を無視しないと生きていけないこともある。

いえ、家族でも、夫婦でも。笑顔で手を振るなんてこと、だんだんなくなってきています。

そもそも今回の旅行で、家族のだれかが手を振って見送ってくれたかしら?

このSLに乗って、たくさんの手のひらをみて、心が温まった人が多いのではないでしょうか。

そして、「SLが走っている、すごいなあ自慢だな」と胸を張るそんな地元家族も多いことでしょう。

この「SL大樹」に乗ると、アテンダントさんが昔のSL写真のハガキにスタンプを押してくださいます。

都会のマンションに、これを飾っておきましょう。そして「なんだか1人っぽっちで、心が寒いなあ〜」という気持ちになったら、「SL大樹」に乗ることを思い出しましょう。

大樹に身を預ければほっとして、たくさんの手のひらが心を温めてくれます。

温泉にも浸かれば、身体も温まって帰れますね。


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ちょっとしたこと おばちゃんの味 2018/10/08 10:32 am

どこの土地でも女性たちが、素朴ながらも工夫をした食べ物を作り、地域の顔を作っています。

雲仙こぶ高菜漬け入りの巻き寿司と饅頭、地元野菜果物入りのドレッシング、アイディア豆腐蒲鉾、ジャガ団子汁、雲仙市でいただいた味はどれもが頑張る中年女性、おばちゃんの手によるものでした。

この味がいまや、旅の時間の重要な彩りとなっています。
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「山の駅 べジドリーム」の小林芳子さん。最初、東京でお会いした時は、従業員の方かと思っていましたが、なんと社長さんでした。

「周りがみんな畑で、果物・野菜がとってもいいのができるの。これをもっと食べてほしい、打ち出したいとドレッシングを作ったんです」




とのことで、ここのドレッシングは無添加、無着色。イチゴ、ミカン、パクチー、ビーツなど、いろいろな種類があります。

野菜にかけるだけでなく、お肉や魚にもたっぷりかけたくなる。数種類をかけて、その色や味を楽しみたくなります。ここのメイン商品です。



カフェの窓から見えるのは、畑。その先に海。

農作業している人、学校帰りの子どもたち、ギューンと伸びる野菜たち、そんな農の日常を眺めながらヘルシーな食事ができる。目からも健康になるロケーションです。

写真を撮ろうとしたら小林さん、「帽子かぶるわ!」。なるほど、真っ赤な帽子が決まっていました。


「雲仙こぶ高菜漬け」を作っている馬場節枝さん。以前からお世話になっていますが、久しぶりの訪問。

「朝、4時に起きていろいろやって、いまなの」と。さっき起きた私などより、数倍ももはや働いている!

しかも、卵で巻いた太巻き寿司と、ふわふわ蒸かし饅頭も作っていてくださいました。

早速いただくと、どちらにもきちんと「こぶ高菜漬け」が入り、その存在を主張しています。

こぶ高菜は雲仙の伝統野菜、その漬物はイタリアのスローフード協会が認めた、希少な味です。







ただ、漬物だけではなかなか食べる機会がないので、様々にこうして漬物の出番を作っているのでしょう。

「絶対に、なくしちゃならない味だから、頑張るの」と馬場さん。こぶのある珍しい高菜「こぶ高菜」は、力こぶのこぶなのでした。



「あい娘酒造」の山崎智佐子さん。まるで“鶴瓶の家族に乾杯”のようにブラッと現れた、私の相手を笑顔でしてくださいます。

「お酒?いただきますよ、主人と。ハイ、毎晩。もちろん一番安いのを飲んでますよ〜〜」と大笑い。





水のいい雲仙です。造り酒屋さんは昔はたくさんあったとか。今はほんの数軒ですが、こうして地酒の蔵とお店がきちんとある、というのは幸せな土地ですね。

永遠の娘さんのような奥様と、自分のつくったお酒を晩酌なんて、ご主人もお幸せです。




帰ろうとして足元のガーデニング?に気付きました。昔の徳利が、雨上がりに瑞々しく美しく並んでいます。

この店先で、キューッと一杯飲みたくなりました。






「みゆき蒲鉾本舗」の久山つや子さん。この人がいるだけで、その場がピチピチと活きが良くなり、元気オーラをいただけるお日様みたいな方。

今回も、お店で「あら〜〜〜〜♪せんせ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」と飛びついてくれます。




50年前から製法の変わらない大きな四角い「天ぷら」、ソウルフードですね。

こういうのをちぎってかじりながら、日本酒なんて美味しいに決まっています。

このお店で有名なのは「とうふ蒲鉾」上品な滑らかな味はワインにあいますね。


「食べてみて、食べてみて、これも、こっちも食べてみて」と次々に。ここに映っていない新作もずいぶんいただきました。

「今度、こういうの作ってみてくださいよ」と私がひとこと提案すると「うん、うん、やる、やってみる、いいね、うん♪」と、もう走って試作しそうな勢い。即やる!!蒲鉾パワーでしょうか。


「小浜ビジネスホテル」の女将さんと、お嫁さん。ああ、しまった、お名前を聞き忘れた。すみません。

地方の海辺の小さなビジネスホテルです。でもしっかり天然温泉がかけ流しです。湯の花の巨大な塊が温泉の流れる口になっている、まるで古木のようでした。ああ、この写真も撮り忘れた。



女将さんと前日にちょっと会話した時、特産のジャガイモの話になりました。

食べ方のことを聞いたいたら「ジャガイモの団子汁美味しいですよ」とのこと。もちろん「え?それ食べたい」とリクエストして、朝ごはんにご登場となりました。

普通の朝ごはんですが、この汁が「雲仙ジャガだぞー」と胸を張っています。

箸で割るとほっくらと、口に含むとジャガの香り、そして、あら、意外にお餅のようにねっとりと。

「私よりうちのお嫁さんが作るの上手いんですよ」と女将さん。「ジャガをすりおろして、ザルでこすと、水分とその下にはでんぷんの白い粉がたまるので、水は捨てて、そのでんぷんとザルのジャガとを混ぜて団子にするんです」とお嫁さん。

そんな手のかかることをしてくれたんだ・・・。「特別じゃないんです、連泊のお客さんにはよく出すんです。喜ばれますよ」と女将さん。

ほっとする味でした。

どうでしょう?いずれも味を支える女性たちです、女性による地域の味です。もしこのおばちゃんたちに会わずに、この味に触れずに、ただ景色を見て、旅館料理だけを食べて帰ったら、観光地はどこものっぺらぼうでしょう。

こういう人たち、こういう味を大事にできる土地が、この時代生き残っていくと思います。

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ゆとりある記 練馬の「農」 2018/10/01 2:27 pm

東京23区の中で最も農地の多い練馬区、減少する都市農業をさまざまな工夫で支えています。

援農する“農サポーター”を育てる「農の学校」。農業者が開
校する農の塾「農業体験園」。果物狩りできる「果樹あるファーム」も各種。もちろん「区民農園」や農産物販売の「ねりマルシェ」の開催も。

農が身近にあることの幸せを、皆で大事にしていきたいものです。
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環状八号線からすぐの高松地区を歩きました。車がたくさん行き来している道路から、少し入るとこんな風景がありました。

そこらじゅうが畑や田んぼ、森、という土地の方には、この写真を見て、そんなに貴重か?と思われるかもしれません。

畑には住宅が迫っていますし、大規模農業というような畑でもありません。

でも向こうにはかつて農家がたくさんあったころの屋敷林が少し見える。土が見える。育つ苗が見える。

もしこの近くに住んでいる会社員なら、通勤の朝、マンションを出て歩きながらも、土を耕す人の姿をみたり、ブロッコリーの収穫の様子を見たりする。挨拶もするかもしれない。

土の匂いや、季節の変化を感じる。ヒバリの姿も見るかもしれない。もうそれだけで、この畑は価値あるものなのではないでしょうか。畑からは“癒し”という農産物を受け取っていることになります。

私の住んでいる新宿区四谷には、こんな風景はありません。野菜に出会うのはスーパーの売り場だけ。

土を見るのは街路樹の足元か、小さな公園位なのですから。

練馬区には農地や農家が多いとはいえ、ぐんぐん減っています。人口がいまだに集まっている東京で、減り続けているのは農家と緑でしょう。

「歳をとって、いつまでも安い値段にしかならない野菜を作っているより、もう引退したい」という農家さんがほとんどです。

ならばサポーターを派遣しましょう、というのが練馬区の考え方。高松の「農の学校」では、希望する区民が農家さんや専門家から知識や技術を学ぶことができます。

卒業すれば、相性のいい農家さんのお手伝いに行くことになる。平成27年にできて55人が卒業、31人が農のサポーターとして動いているそうです。

都市部の高齢者で、それまでサラリーマンなどしてきた人、特に男性は、退職後しばらくは好きなことをしても結局はテレビ人間になりがちです。そしてぶくぶく太り、病気になるだけ。

それなら感謝されて作物をつくる応援をする役割を担う方が、建設的です。そういう場があれば学びたいという方、これからますます増えることでしょう。

学んでいるうちに友達もできる、いい空気も吸える、筋肉も着く。農だけでなく、ここは第二の人生学校なのではないでしょうか。

これも、農地と農家さんがあるからできることです。

練馬の農家さんはいいアイディアを考えました。農業は続けたい、いろいろな事情から続けなくてはならないのではあるけれど、マンパワー的に無理。

ならば、農作業を教えてあげる、畑を塾にしよう、というわけです。教えるだけでなく、ちゃんと結構広いエリアで作物を作ってもらう。それを利用者が買い取ったという考え方で、授業料?使用料?体験料?的なものを年に数万円いただく。

これならば農業を続けられる。畑も守れる。自分の身体もしんどくない、というわけです。

畑が農の塾のようになっていると農園が17カ所もあるとのこと。これは他の都市も見習いたいですね。

一般的な区民農園もあります。小さな畑にいろいろ植えている姉妹に出会いました。

「イチゴ作ってみようと思って〜。ホームセンターで苗を買いました」苗ひとつだけ植えて、イチゴは実るのでしょうか?収穫はあるのでしょうか?

「深く植える?浅く植える?どっちだろう?」おぼつかない農作業ですが、もうこの人たちは“くつろぎの時間”“実りへの想像”という上質の時間を得ているのです。

デュズニーランドに行くのとは違う、リフレッシュタイム。こういう時間を自分に用意できるなんて、おしゃれですね〜。

畑の横に「マルシェ」スペースもありました。あちこちで年に30回位農産物のマルシェが立つ。

練馬区民でなくても楽しみ、だからマルシェには年間4万人も集まるのだそうです。

そうなると、畑は、農産物は、観光資源・交流資源となるわけです。キャベツは単にビタミンや繊維を私たちにもたらす物ではなく、「ねりマルシェに行ってみよう」という人寄せパンダにもなるのです。

ブルーベリー農園の多い練馬は「果樹あるファーム」という果物狩り、摘み取りができる農園にも人が集まります。

道ばたにはこんな直売所もあります。

覗いていると、向かいのおうちからお爺さんが現れました。ついいろいろおしゃべりをします。ネギを買います、ナスを買います。ああ、生姜もおいしそう。

もしこれが小さな子どもとお母さんなら、お爺さんは「そこの畑から採ったナスだよ」と教えてくれるでしょう。

子どもはナスの花が黄色いこと、ぶら下がってなることを知ります。お母さんは、抜きたてのネギには泥がついていることを知ります。

興味がわけば、区民農園や農業体験園を借りて農作業もするでしょう。自分が育てた野菜は残しません、捨てません。一度経験すれば、すべての農産物を見つめる目が変わるでしょう。

こうした経験のない子どもや若い親はどうなるのか?生き物のわからない、生き物を扱えない、生き物に優しくできない、そんな人間になるはずです。

都心のマンションに暮らし、育ち、という子どもたちは、親がよほど努力しない限り、自然・緑・生き物・野菜・農作業などを知らずに育ちます。

お受験にパスして高学歴になったとして、歪んだ物差ししか持たない人間ができてしまうでしょう。

だからこそ、練馬は偉いし、素敵だと思うわけです。

すぐそこで採れた野菜が手に入る、食べられる、とうことがどんなに素晴らしいことか。

歩ている時にあった焼肉屋さんは、近くの農家さんの経営。メニューより先に練馬の野菜の讃歌が書かれていました。

こういうお店があることは、この地の誇りですね。

練馬の「農」は、“癒し”“上質なリフレッシュ時間”“生涯学習”“いきがい”“元気な身体”“人の繋がり”“健全な子ども”“緑”“季節の伝達”“賑わい”“地域の誇り”という農産物を創り出します。

さらに、災害時には避難場所になり、畑の野菜は食べることもできます。近々、「世界都市農業サミット」も計画中と聞きました。

練馬、えらいぞ!

そう思いながら、私、いま「練馬大根」についての小学生用のガイドブックを読んでおります。

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写真でみるゆとりある記

雲仙市千々石のところてん屋さん
JT生命誌研究館で
佐賀県太良町で
和歌山県湯浅で醤油作り

連絡先

野口 智子 のぐち ともこ
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局
ゆとり研究所

TEL 090-7433−1741
E-Mail yutori@noguchi-tomoko.com

NPOスローライフ・ジャパン
〒160-0002 東京都新宿区四谷坂町9−4 リカビル301
TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
E-Mail slowlifej@nifty.com


略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。