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スローライフ運動 篠山で知ったこと 2019/03/25 1:33 pm

丹波篠山フォーラムで市民の方々と語り合う、グループトークがありました。その中でいろいろ学びました。

「篠山は日本三大狩猟地のひとつ」「黒豆はいまや黒枝豆として集客の目玉」「丹波焼では料理プラス器を提案中」「デカンショセレクションとして、優れたもの、ことを推奨」

10人くらいが集まると多様な話が出ます。小さな話し合いが大事、ということを実感で知りました。
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このグループトークは同時進行で3つのテーマで行われました。「みどり」「ひかり」「みのり」。私が参加したのは「みのり」、農産物や逸品作りなどの話の場。もちろん話はどんどん広がったのでした。

まずは篠山のいいところを話します。市役所の女性が進行をしてくれます。ここに書ききれないほどのことが出ました。
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<篠山のいいところ>

・ちょうどいい阪神間にある。距離感がいい1時間で来れる行けるがいい。
・1時間で都会と全く違う風土がある。
・都市部の大学とコラボしやすい。
・ネズミの物語『篠山本鼠草紙』が暖かみがあっていい。
・天気のいい日の犬の散歩が好き。
・夕日がきれい。
・人間サイズ、歩けるところがたくさんある。
・古いと新しいが上手に同居している。
・デカンショという皆がひとつになれる歌がある。
・食べ物そのものが、何か工夫しなくてもそれだけで単純に美味しい。
・霧があり、寒暖の差があり、水がきれいで、いい土だから。
・黒豆、山の芋、牡丹鍋、箱寿司、さば寿司、美味しいものがある。
・先祖から黒豆という大特産物を引き継いだ。昭和の終わりころから黒枝豆として人気に。全国に発送して親しまれている。さらに5年前に黒豆納豆を作った。今後は冷凍黒枝豆で世界へ。
・黒豆の皮にポリフェールが豊富、血液サラサラ、血管に良い。
・体にいいものばかりがある。
・植林していない雑木が多い。秋になると黄色になる。
・日本三大猟地のひとつ。山が自然なので猪がいいものを食べていて猪肉が美味しい。
・圃場が狭いので特産品が作りやすい。
・農家が豊か、家も大きい。改装すると使える広さ。
・丹波焼は日本六古窯のなかでも元気、若者が多い。「丹波スタイル」という新しい試みもしている。
・日本遺産に認定でお客も増えている。丹波は明らかに変わっている。
・農産物をいい器で食べるということができる。出来合いのおかずでも、器で違う。器をどう使うかも提案している。
・「丹波篠山デカンショセレクション」という認定の仕組みを民間で作って回している。物だけでなくコトや技術も。
・固有名詞で「○○さんの皿で、○○さんの猪肉を食べる」というこだわりをする。酒も地酒。丹波焼での乾杯が条例化されている。
・デカンショ祭りを成功させるために1年間動いている。
・10月の篠山は祭りだらけ。毎日どこかで祭り大小の祭りが。交流に繋がる。
・自治会や職業にとらわれていない集まりが結構ある
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休憩を挟んで、これからのことを考えました。またまたいろいろな意見が出ます。もちろん私もいろいろ話しました。

<こうなるといい、こうしたい>

・変えないこだわりがある。それも大事だが商店街復活は大きな目標。
・大正時代の味を変えない店がある一方、味をどんどん変えているところもある。それでいいと思う。
・都会でしんどかったら田んぼに来てぼーっとすれば気分爽快になるよと、若者に訴えたい。
・米は大きな田んぼでないと。どんどん機械をいれて農業しやすい環境にしたい。
・中山間地、条件不立地でももやって行かないと。山と畑の接点で活動する人を増やさないとならない。山の管理や狩猟、林業など。これ以上獣を増やさないようにしないと豊かさを維持できない。
・農業を守るために山を守る。伐採したところでグランピングしたり、山で茶会等。山に入って行けばいい。篠山は入れる。
・農業だけだとダメ、いろいろできるマルチプレイヤーを目指す。
・交流の中で、都会の人に例えば「苦労豆」と呼ばれるほどの黒豆づくりの大変さを知ってもらい、獣害から一緒に自分たちが守った黒豆という認識をしてほしい。特別な黒豆になるはず。そんな中で本当に美味しいという声を聞けば、農業者のモチベーションになる。
・田舎には人口が減った時、コンパクトになった時でもやっていけるノウハウがある。上水道がダメなら簡易水道、下水がダメなら合併浄化槽と。そんなアドバイスを都会にしてあげたい。
・鹿を解体しながらそれをスポーツトレーナーの研修に使った。筋のつき方などが具体的にわかる。狩人×?をいつも考えている。
・集いの強化が大事。人が話し合っていろいろなことを決めていく。そのためにもいろいろなカフェがあるといい
・発信するにも情報源がいる。こういう出会いの話し合いの場が必要。
・ブランドなどはあっという間に消える、そうならないように日々コツコツと積み重ねる努力が必要だ。
・昔の料理や味の伝承が必要。学校給食に篠山の味を出そう。
・あらゆることに子どもを混ぜていこう。
・100均ライフから、100年ライフへ。篠山がそれを提唱しよう。
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要約してこのくらいですから、本当はもっと意見が出ています。つくづく思うのは、『みんなよく考えている、よくわかっている』ということです。

私は一応アドバイザーという役でしたが、こちらが勉強になりました。他の2つのグループも内容濃い話し合いだった思います。

私たちのようなよそ者が来ることで、話し合う機会ができるならば、「丹波篠山スローライフトーク」なんて集まりを、定期的にやったらどうでしょう。毎月の美味しいものがあれば、よそ者は話し合いに飛んできます。

フォーラムのパネルトークはどうしても大きな話になりがちです。グループトークの市民の皆さんによる、手の届く具体的なこういう話が、私にとっては重たいみのりある場に思えました。

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ゆとりある記 篠山時間を振り返り 2019/03/18 4:26 pm

よそ者と土地の人との交流では、いろいろなことが起きます。良いことだけでなく、嫌な場面や失礼なことも。

篠山の観光施設でおかしいな?と思うことがありました。

一方、訪れた我々側は静かな町並みを奔放に歩き、宿を大勢で覗き込んだり。私などは「早く早く」と大声を上げたり。

お互いの無礼に目を向けないと、本当の磨き合いにならないと私は思います。ただ今、反省しきり・・・。

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※今回は写真は無し、長いのでお時間あるときにどうぞ。

さて、交流にはお作法があります。

お金を払ったんだからわがままする。旅の恥はかき捨てでいい。お金をいただいたんだからかしずく。お金さえいただけば、後ろでアッカンベーをする。これが、今までの観光の世界でした。よそ者と土地の人は、お金を間に関係が作られていたのです。

それが交流時代となると、お金は間に入るものの、そのお金が最終目的ではなく、お互いが何かを得るように時間を分かち合うことになる。ともにいい場をつくろうと気遣い合うということになる。

でもそれは理想であってなかなかそういうわけにはいきません。お作法が身に着くまで経験の積み重ねなのです。

今回、スローライフ・フォーラムで40人近くが視察に回り始めた時のまず最初の昼ご飯のことでした。お店に着くと、なかに入れてくれない。理由は「まだ用意ができていません」とのこと。待合の部屋もないので、皆が入り口や階段に立ちっぱなしとなりました。

団体用の部屋をのぞけば、ほぼ料理は並んでいます。あと小鉢とお味噌汁くらいでしょうか。それなら、まずは座らしてもらいたい。

「全部そろってなくても座るだけ、いいですか」
「いえ、用意ができてからお客様を入れろと言われていますから」従業員の女性は頑なです。

お店の厨房の方に回り、「責任者の方は?」と聞き、「料理が揃ってからじゃないとダメと言われ、皆、外で待っているのですが」と訴えました。

店長?らしき人は「ええ?何で」と言いながらやってきて、私たちお客の前で「なんで入れないんだ?」「だって、用意できてからっって言ったじゃないですか」と口論。結局「どうぞどうぞ」と店長は私たちを案内し座ることができました。

女性店員さんは「出来立てを食べてほしかったんです」と私に言いますが、食事のメインの黒豆コロッケは冷たく冷えています。そんなスタートでした。

その時何が大事なのか、判断できる人が育っていないと、世の中上手くはいきません。メニューの説明もないので、せっかくの黒豆や山の芋を使った昼食が味気ないものになりました。

でもこれには伏線があります。団体で席を確保するには、ある程度の値段の豪華な定食を頼まなくてはならない。それを私が値切って1200円のものにしていただいた。高い定食にすれば、1人パートさんを頼めたのかもしれない。

女性店員さんも一人でパニックだったのです。そこに東京弁の私にガミガミ言われて、膨れっ面にもなりますよね。

続いて、観光施設のアプローチの坂道ででした。「足元注意」という看板が立っています。何故注意なのかわかりませんが、その危険なところを覆うように分厚いベニヤ板が乗せられています。

そのべニヤが反り返っていてこれ自体が実に危ない。ベニヤにつまづいて転びそうになる。少なくとも3人つまづくのを私は見ました。

本当なら私は気づいたのですから“気づいたもの責任”として、施設の人に言いに行くか、べニアをどかすかなどすべきだったはずです。それを「危ないな〜」なんてつぶやいて、眺めていました。

どなたか男性が「裏返した方がいいのでは」とつぶやく。そうこうしているうちに、1人の男性が見かねてベニヤを裏返す。それをみんな見て、ある意味ほっとしたのですが、それでもまたつまづく。

つまりベニヤをポンと乗せただけではもともとダメなのです。それで何とかなると踏んでいる施設がおかしい。何度もつまづく人が出ているうちに、チケット売りの女性がようやく何か変だと気付きました。ベニヤに近づくところまでは見ましたが、どうしたのやら。

誰もが自分の持ち場だけ守ればいいと思います。私のように「危ないな〜」と眺めることはできます。でも、一歩踏み出すことでいい場づくりはできるのですが・・・。

なんて反省する前に、お客様が必ず歩くアプローチをそんな状態で平気でいることが??ですね。

さて、篠山の悪口を書いたようになりましたが、実はこちら、よそ者グループもひどかった。

篠山には城下町全体をホテルにという考え方で古民家を改修した「NIPPONIA」という名のホテルが何棟もあります。一般社団法人ノオトというところが、10年くらい前から進めるプロジェクト。ホテルに限らず、街を歩ていると「ここもノオトさんが入ってお店にしつつあります」という解説を何度も聞きました。

この動きは有名ですから、チラリとでもホテルのなかを覗きたい。レストランなら窓の隙間から様子を眺めたい、料理の匂いも嗅ぎたい。と、私たちよそ者は思います。そうなると、しっとりしたいいムードの「NIPPONIA」ののれんをあげて、いくつもの頭がのぞくことになりました。

ちょうど到着のお客様があったのに、この群がったよそ者は気づかない。そもそもそんなふうにならないようにノオトさんでは視察についてきちんと有料のメニューを用意されている。

これは我々の旅の恥はかき捨て行為、かき捨てられた地元はたまりません。ほんとにごめんなさい。

よそ者はわがままです。私のことです。フォーラム会場に、「普通の花など飾らずに、地元らしい何か飾りを」と役所にリクエストしていました。それはいいことではありますが、担当者の仕事が増えます。そういうなら私が自分で探して飾ればいい、のです。

なのに、やさしい役所の方が、どこかで木製のイノシシを借りてきてくださいました。これが数頭並んだだけで、牡丹鍋が名物の篠山らしくなります。

そうなると、私は周りにササの山など作りたくなる。「杉の枝や、ササの枝などあるといいなあ〜」。つぶやいたところで、私が山に入って採って来るわけでもない。ジワジワと望むのですからたちが悪いです。

一度諦めたのにも関わらず、その希望は周りに染みだしていました。チラリと子耳に挟んだ善意の地元の方がササを用意してくれる、「と言っていた」と聞くと、「ああ、もういいのに」と思いながらも「ありがたいな」とも。

そして結局数本のササが既に開場した会館に届いたのでした。木製のイノシシにふわっと置くだけで雰囲気が出ます。ここまでしてくれて・・・と嬉しいような、申しわけないような。これもまたごめんなさい、なのでした。

学識経験者とか呼ばれる人たちは、実によく語ります。語ると興奮して、止まらなくなります。声も大きくなります。地元の方々の話し合いの傍聴でつい大きな声で話し、しまいにうるさいと怒られた。怒られた方は「休憩時間かと思っていた」のですが・・・こんなこともありました。

そして、話し合い、交流すると言っていながら、ついつい説教がましく話をしてしまう。東京目線を振りまわす。ふと気づくとそんな私が居たりしたものです。

篠山は素敵なところ、文化的なところと強い思い込みがありました。町屋が美術館に変わる!「まちなみアートフェスティバル」など資料を見ただけでも素晴らしいと思います。一度、ちゃんと来なくてはと思います。

そんなところなので、冒頭のちょっとしたソフトの不備がこたえるのです。「篠山でこんなことがあるなんて・・・」と思ってしまうわけです。

ただの観光客なら、熱心に見学しないし、語り合うこともないでしょう、でもこれからは興味のかたまりのような我々のような人たちが地元の人と語りたくてやってくる。きっとトラブルも増えます。

双方に、お作法ができあがっていかなくてはなりません。今回の失敗は、よそ者、地元、共にうかがえば、ここに書ききれないほどあることでしょう。

無礼ごとも含めて、これからも交流を勧めましょう。臆病に本音を出さないでいたら、今までの観光と同じです。悪いところも出し合いながら、指摘しながら、磨き合いましょう。

よそ者として失礼しました。そして、これからもよろしく。

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スローライフ運動 雲部のもてなし 2019/03/11 5:49 pm

地域の味で集う「夜なべ談義」は、わがスローライフ・フォーラムの名物です。

今回の篠山市雲部「里山工房くもべ」のお料理には皆が感激でした。

焼き豆腐、なます、押し寿司、ぬた、白和え、などなど。献立は素朴ですが、身体に良いものを、手間をかけて料理している。

都市部はもちろん、田舎でもこういう味は消えつつあります。雲部の人の心意気が、篠山市の印象を高めてくれました。

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毎回この「夜なべ談義」をこしらえるのには苦労します。地元の味でお願いしたい、他所からの何か持ち込みもあるかもしれない、安上がりに。普通の旅館やホテルでは面倒で断られます。

でも、何処の土地でも同じような、お刺身、天ぷら、ミニステーキに頼るような宿料理で交流などしたくありません。


たいていの場合、板前さんが柔軟な発想や技がなく、「出来ない」の一言で終わります。

というなかで、「里山工房くもべ」は「了解!」、即答でした。「とことん地元の味を作りましょう」と。全国各地から篠山市に集まる、ある意味“観光慣れ”している人たちが、何を喜ぶのかお判りなのでした。


廃校になった小学校ですから、ハードは宴会用にはできていません。一階に、ランチ中心のレストランはある。でも、きっと80人近い人たちのパーティーは初めてだったかも。

下見に行ったとき、ここの責任者・今井さんの笑顔と自信に惚れて、お願いしました。



うかがう3日前にはこんなメールが届きました。

「3月9日丹波篠山雲部へ御出でくださる皆々様方へ 丹波篠山雲部 里山工房くもべの今井でございます。いよいよ3月9日スローライフ学会前夜祭(夜なべ談義)が迫ってきました。 今、丹波篠山は、紅梅、白梅咲きそろい、野には土筆や蕗の薹が我先に土中から顔出しています。また、山野辺には藪椿が咲き、まさしく春到来を感じさせます。さて、当日、皆様ご賞味いただく献立も決まりました。今日は徳利、盃、手塩皿類、料理を盛る鉢類も準備できました。明日からは黒豆を煮たり、蕗の薹を収穫したり、鹿肉を調理したり、大根、白菜などなどの野菜も収穫をして水洗いをするなど、皆様を心からおもてなししたく、喜心、老心、大心の心構えで、里山工房くもべのスタッフ一同取り組んでおります。どうか心安く弥生の夜を丹波篠山雲部でお過ごしください。重ねて心よりお待ち申し上げております。合同会社里山工房くもべ 代表社員 今井進拝」

このメールを読んで胸が熱くなりました。食事に行く予定のところから、こんなに温かなお手紙をいただいたことはありません。

このお手紙をスローライフ学会参加者、皆が読んで、いざ、篠山市雲部へ、となったのです。「篠山はなんていところなんだろう」と、行く前から誰もが思ったことでしょう。



前日、チラリと様子を見にうかがうと、私よりずっと先輩の皆様が、机椅子を運んだり、棚に布をかけたり。食器は昔ながらのものが集められています。紙コップ・紙皿などの出番はありません。頭が下がりました。






そして当日、ずらりと並んだお料理が凄かった。最初に目を引いたのは錦糸卵が春らしい「黒豆寿司」、名産の黒豆が炊き込まれたご飯の押しずしです。「さばずし」もピカピカ。昔は魚がここまで届かない、鯖は貴重だったのです。





なますを豆腐であえるここ独得の「豆腐なます」。一軒ある手作り豆腐屋さんの炭火で炙った焼き豆腐を煮たもの。「たいたん」という言葉にほっこりします。

名産の山の芋と栗を使った「きんとん」、「鹿肉の香味揚げ」「ネギのぬた」「菜の花の辛し和え」等々、有名な「牡丹鍋」も野菜一杯で湯気を上げていました。

これらをどのように出すのか、これが雲部の知恵の見せどころでした。大きな部屋はないけれど、学校なので廊下はあります。廊下を活かしたバイキング方式になりました。





理科室で作った猪鍋を、廊下の窓から顔を出していただくというバイキングも。これもアイディアですね。廃校が、この日は見事に生き返った感じです。

おもしろい趣向で、取り皿にいただいてくる、様々な田舎料理。その味に、会場が狭いなんて文句は出てきません。皆ご機嫌で、次々にスピーチをしたり、お土産物を配ったり。

テーブルの上のお皿には、好みのいろいろな料理が並びます。料理を挟んで地元の人と、他所の人が語る語る。そして料理を取りに行ったら、座る場所を変えてまた話す。




「あ、それまだ私食べていない」「昔はこういう料理はお葬式や法事なんかでよく作ったの、今はなかなかね」「こんな焼き豆腐食べたことないです」「バーナーで焼いてるのとちがうよ」「猪って柔らかい、美味しい」「味噌味が独得でしょ。スープがおいしいよ」「地酒も地ビールもいけますね」「油揚げはこういう風に甘く煮なくちゃね」「黒豆納豆の天ぷら、食べてごらんうまいよ」

途中で今井さんが、料理を作ってくださった地元の女性たち、配膳係の助っ人たちなどを皆に紹介してくださいます。

マイクを持ってスピーチなどしない、女性たちですが、この料理がすべてを主張し、本質を語っていました。



米、黒豆、山の芋、野菜を育て、収穫し、どうすれば美味しく食べられるのか、代々伝えてきた、この地の人の文化・技に抱かれた思いです。

訪れた私たちも、地元の方々のご苦労が分かるので、握手や拍手、感謝の夜になりました。

もしこれが、普通のホテルの宴会場で、何処にでもある料理を囲んだら、こんな感動や交流はなかったでしょう。今回篠山を訪れた私たちの仲間が、「篠山よかったよ」と語る半分以上は、このおもてなしによるものと確信します。

ネオンや明るいビルの無い、真っ暗な里山雲部の夜。地元の人と、外からの人がそれぞれに輝いていました。

雲部で知った本当のスローフード、スローライフです。ありがとうございました。

※写真は一部、事務局スタッフの藤井頼暁さん撮影のものをお借りしました。

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お仕事 湯沢の食 2019/03/04 1:48 pm

先日出かけた秋田県湯沢市では、地域の味を楽しみました。

長い根っこも味わう「三関セリ」、雪の中から掘られるアサツキの芽「ひろっこ」、茄子と菊の花とお米を使った甘い漬物「花寿司」、地元の人のおやつ「オランダ焼き」、名産の「稲庭うどん」、地酒。そして、地元女性グループによる様々なお料理の試食。

「食」は地域の顔、表情豊かな湯沢に魅了されました。
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この前は「湯沢の雪」について書きました。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=504

今回は「食」です。真っ白な雪に閉じ込められたようなこの街で、人々は何を食べているんだろう?

いつも私は、その土地の普通の人が食べているものが気になります。今回も、湯沢の人が毎日のおやつに買っているジモティーな味からスタートしました。


「オランダ焼」です。以前来た時に食べ逃し、気になっていました。駅前にある、お店で焼いています。

よく見ると、「高市青果」というお店。もとは八百屋さん?まそんなことどうでもいいんです。

メニューはけっこうあるのですが、お客さんのほとんどは「オランダ5つと、イモ5つ」なんて買い方。


人気はこの2種に集中しているので、私も迷わずこの2つにしました。

何でオランダ?という質問をしたくなりますが、それもどうでもいいんです。

とにかく三角に切った耳の赤いペラペラのハムが2枚入り、マヨネーズがコラショと絞られる。


今川焼の中身があんこではなく、ハムマヨというしろもの。「さつまてん」は甘味の強いサツマイモをホットケーキミックスでくるんで揚げたような感じ。

熱々を店先でいただきました。食べだすとお茶がすっと出てきます。休憩中のお店の女性が、自家製の即席漬けも勧めてくれました。


その土地に行って、最初に口にした味で土地の印象が決まる。と、いつも思っています。

湯沢での最初の味は大成功でした。「ウェルカムオランダ焼」ってところでしょうか。

商店街を歩くと面白い!見るのも聞くのも初めてのようなキノコ類、山菜の塩漬け等が売られています。食べ方を教わりたいな〜。

ホテルでの夕飯です。「せりのキムチ風」、「せりのかき揚げ」、きりたんぽ鍋にもせりがどっさり。そう、湯沢はブランドせり「三関(みつせき)せり」の産地、しかも根っこまで食べることで知られています。

根の歯ごたえと香りがたまりません。エビの天ぷらは全国どこでも食べられますが、このかき揚げは湯沢だけでしょう。

この日、私は「スローライフのまちづくり」という話をさせていただいたのですが、その半分は食べ物の話でした。地域を大事にていねいに暮らすには、土地固有の食べ物、食べ方が大切だからです。

私の話を証明してくれるように、講演会のあとは湯沢の女性グループによる伝統の味・健康な味の試食会。さっきまで壇上にいた私も、いただきま〜すモード!

「いぶりがっこチーズのせ」これはお酒がほしい。

「せり焼き」というものも。これはせりの炒め煮のようなもの。これもお酒が合いそう。

「切り干し大根の煮物」はいい味、あ、海草を使った「エゴ」もあります。ああ、お酒が。



ご飯を半殺しにして丸めて汁に入れた「だまこ汁」、普通のうちでよく食べるのはきりたんぽよりこちらの方が多いのだそうです。

これなら私にも作れそう。でもお米の味がやっぱり違いますね〜。






6団体の方々がお料理を作ってくださっていましたが、どのグループも「ね、美味しいでしょう!」と自信たっぷりの顔。

この女性たちの永年鍛えた技と、胸を張った笑顔がこの美味しさを作り出すのですね。伝統の味だけでなく、それを活かしたアイディア料理もあり、作り方を知りたかったのでした。


私はあまり時間がなく、つまみ食いでしたが、ゆっくり食べれば、そして皆さんと「お茶っこ」しながらいろいろおしゃべりすれば、さらに美味しい時間となったことでしょう。

この「こざきねり」という不思議なデザート?も忘れられません。





ところで、私はどうしても、どうしても、「三関せり」が欲しくなってしまいました。

すぐなくなってしまう人気ブランド品です、予約をしておいていただき、しっかりと入手!こんな立派なせりは初めて見ました。





栽培している地元の方から、料理のレシピもいただきました。根っこはよく洗ってあること、冬場はビニールハウスの外側は寒いので丈は短く、中側は長く伸びること。いろいろ教えてくださいます。

もっとゆっくりうかがって、三関せりのウンチクをうかがえば、さぞかし面白いだろうと思いました。



せりと一緒に、「ひろっこ」も美味しいよと勧められ買いました。アサツキの芽、雪の中から掘り出すのが大変だそうです。雪深い土地の、春を求める味なのでしょう。

海苔で巻いて天ぷらに、酢味噌和えも、と、同行の方からアドバイスがあります。

紫色のものは気になっていた「花寿司」です。土産物屋さんのものはもっと潰れてしまっていますが、これはさっきどなたかが作ったばかりという美しさ。

ご飯も入り、寿司ではあるのですが、甘い。菊の花の香りと黄色と紫の色と、紅い唐辛子が何とも言えない華やかな美味しさ、美しさです。

さて、いよいよ帰路に着きます。車で送っていただいたまでは良かったのですが、ワサワサ勢いよく繁る長いせり5束、ひろっこ、クルミ、花寿司、これ等の買い物に、お土産にいただいた「稲庭うどん」が私の荷物の現実となりました。

それなのに夫に「オランダ」+「イモ」のセットをお土産にしたく、さらにどっさり買ってしまい、湯沢駅での私は行商の人のような姿になってしまいました。

大荷物、雪のホームで佇みながら考えました。湯沢の食は人を虜にする・・・。

街なかのお店を回りながら、少しずつ地元のものを食べる。ゆくり歩きながら、あっちに寄り、こっちに寄り、もちろん地酒もちびりちびり。

せりの扱い方や、キノコ料理、ご飯の“半殺し”の仕方、などなど地元のおじちゃん・おばちゃんから教えてもらう。花寿司などスイーツ感覚で作りたいもの。

食のツーリズムが可能です。今あるもの、人、技術を活かし、繋げるだけでできる、スローフードウォークです。都会へ食いしん坊集まれ!と呼びかけてみましょう。

実は、今回書ききれていないもっとたくさんの味があります。これだけ固有の食文化があれば、敵なし。伝承のためにも交流は欠かせません。毎月代わりで、いろいろなカリキュラムを作れますね。

何だか食いしん坊としては、ワクワクしてきました。

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連絡先

野口 智子 のぐち ともこ
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局
ゆとり研究所

TEL 090-7433−1741
E-Mail yutori@noguchi-tomoko.com

NPOスローライフ・ジャパン
〒160-0002 東京都新宿区四谷坂町9−4 リカビル301
TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
E-Mail slowlifej@nifty.com


略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。