ホーム - 2019/11/11のエントリ

ヘッダーナビゲーション

現在のカテゴリー位置

ゆとりある記 静岡でお茶を思う 2019/11/11 12:07 pm

静岡市で開かれた「世界お茶まつり」を覗いてきました。“世界”というだけあって「世界の路上茶体験」「国際シンポジウム」「汽車土瓶と茶の木人形の展示」など、内容は本格的です。

ペットボトルのお茶が当たり前になり、家族で「お茶にしようか」と急須でお茶を淹れる機会が無くなっています。

お茶は単なる飲みものでなく、いい時間を作ってくれるものとあらためて思いました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

春と秋とお茶まつりがあり、「世界」と付くのは数年に一回だそうです。ちょうどよいときに静岡に用があり、立ち寄ることができました。








東静岡駅にあるグランシップという施設、以前、静岡に住んでいた者としてはなつかしい。

建物の外も中もお茶一色の催し。もっと時間に余裕をもって来るべきでした。






いきなり茶の樹の販売。

これを買って帰れば、我が家の窓辺でも茶摘みができるのでしょうか?フライパンで炒る、釜炒り茶なら作れそう。







なつかしい手もみの技。熱い「ほいろ」の上で、しわの深い手が動きます。それぞれの揉む動作に名前があって、役割があります。

今の時代に、まだこういう伝統が残っているのが嬉しい。針のように細くまで揉み上げたお茶は高級品です。つまんで食べれば、ポリポリと美味しいもの。



世界の路上茶体験コーナーで「ウズベキスタン」のお茶を体験。

茶葉は緑、これをティーポットに入れて、お砂糖を少し、お湯を注いで、さらにレモンを半分搾ってから、ポトンと入れてしまう。ま、レモンティーですね。

取っ手のない、湯のみのような茶器でいただきました。


展示物を見ると、これは楽しいお茶のサッカーボール?お茶の花とお茶の葉がパッチワークのようになっている。

サッカー王国静岡ですから、こんなボールが本当にあってもいいくらい。可愛いデザインで、ほしくなります。




世界各地のお茶、発酵茶や碁石茶や。お茶を飲む場の設えがあったり。茶席がいろいろあったり。何冊もの本を読むくらいの濃い情報です。

なかでも気に入ったのは「茶の木人形」。お茶の木を彫りあげた茶娘。根付に使われたとかで、小さい。なんともかわいいのです。江戸から明治にかけて作られたとか。知りませんでした!

頭のなかにお茶のことがいろいろ詰まった状態で友達の事務所(そふと研究室)に行くと、茶箱とふるいが積んであります。

これは展示物ではありません。もうやめてしまうお茶屋さんから引き取って来たとか。ここはお茶をテーマにしたツアーを企画しているので、こんなこともあるのでしょう。

ほおっておけばゴミになってしまう貴重なお茶文化です。茶箱は買いたい人があるでしょう。ふるいはドライフラワーと一緒に壁に掛ければインテリアになります。

友達が仕事を片付けている間、お茶について考えました。少し聞くことができたシンポジウムで話されていたこと。

お茶離れが進んでいるけれども、ペットボトルのお茶でかろうじてお茶が飲まれている。これからプラスチックごみが問題になって、ペットボトルが消えていくと、お茶は生き残れるのか?

かつてお茶のペットボトルが売り出されたときに、静岡では「ただで飲めるお茶をお金を払って買うのか」なんて話題がありました。

静岡ではどこも茶畑で、お茶は「ある」ものでした。食堂に行けば美味しいお茶が当たり前に出てきていたのですから、そう思うのも無理はありません。

それがいつの間にやら、会議のお茶は全国的にペットボトルになり、家でも大きなペットボトルのお茶が使われるようになり、急須の出番がなくなりました。茶葉を買う人が少なくなっています。

日常茶を茶葉を使って急須でだす人は減って、葉でだすのならこだわりのあるブランド茶とか、有機農法茶とか、玉露とか、特別なものを求めるのではないでしょうか。特別な時にそれを淹れる。ペットボトルか高級茶か、2極化しているように思います。

でも、それも寂しい気がします。「おーいお茶にするか〜」なんて言葉が日常の中になくなって、リーフは高級品だけになるとは。

最近は「お茶する?」という呼びかけは、カフェに行ってタピオカなどをすする行為となる始末。

お茶のみ友達、お茶の間、お茶漬け、お茶うけ、茶柱なんて世界はペットボトルでは創れない。お茶を飲まなくなった私たちは、一緒に大事なものやことをなくしてしまったのかもしれません。

せめて夫婦で、家族で、仕事場で「お茶にしましょう」と呼び掛けて、お茶を葉で淹れたいものです。細い葉がお湯を含んで広がって、時間とともに香りたち、うまみと甘みと渋みのある緑の液が出来上がり、それを均等に何度も少しずつ注いでつぎわけて、憩いの時間を分かち合う。

そんな生活習慣を取り戻せば、少しはこの日本が良くなるのではと思うのです。

と、まずは自分に淹れたお茶。少々出がらし、急須はネットのあるガラス。ま、これでもいい、、、から始めます。

このエントリーの情報

最近のブログのコメント

ブログ カレンダー

« « 2019 11月 » »
27 28 29 30 31 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

写真でみるゆとりある記

日本民藝館へ。雨のイチョウ並木。
飯田で
南牧村で
兵庫県篠山市雲部「里山工房くもべ」のもてなし

連絡先

野口 智子 のぐち ともこ
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局
ゆとり研究所

TEL 090-7433−1741
E-Mail yutori@noguchi-tomoko.com

NPOスローライフ・ジャパン
〒160-0002 東京都新宿区四谷坂町9−4 リカビル301
TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
E-Mail slowlifej@nifty.com


略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。