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ちょっとしたこと “ケチ上手” 2019/12/09 11:54 am

『おひとりさまのケチじょうず』著者・小笠原洋子さんが来訪。「ケチな名刺で」と手製名刺でご挨拶、そしておしゃべりが。

ティッシュでなくトイレットぺーパーを利用。余計な食器は持たない。靴は手入れして長く。鍋料理は注ぎ足し変化させて何度も。

そんな彼女がお土産に真っ赤なバラとチョコレートケーキを。上手なケチはお金の使い方の“緩急自在”であることが分かりました
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小笠原さんとの繋がりは10年前になります。2009年「筑紫哲也賞 スローライフの眼 作文コンクール」を開催した際に、『うさぎとかめ逍遥』という作品を寄せられ、「スローライフ賞」に選ばれたのでした。

それだけかと思っていましたら、以前私が「本気のライター講座」って名だったか?とにかく文章を書く、表現をする、そんな講座をやりまして、それに参加者でいらしていたとか?ああ、恥ずかしい。

コンクールが先か、講座が先か、いずれにしてもご縁があったわけです。その細い縁の糸は、この秋の筑紫さんの命日辺りに、小笠原さんからの「本を出版しました」とのご連絡から手繰り寄せられました。

エッセイストである小笠原さんが書かれたのは、地球にもお財布にもやさしい“ケチ道”の話。興味ありとお返事したところ、すぐに出版社が本を送ってくださいました。

私の関わるNPOスローライフ・ジャパンのメルマガに、早速紹介しました。

〜理屈だけでなく、実践されている具体例が書かれていて、笑いながらうなずくことばかり。パーマやヘアカラーなど髪にお金をかけない。白髪のショートを素敵に。透明プラスチック容器は何度か使ってから捨てる。などなど。皆さん多少はしていることだとは思いますが、ズバリと書かれていて潔い!年金生活でも、無駄をなくし、物質から解放されてエレガントに生きる志と知恵にあふれていました。『おひとりさまのケチじょうず』小笠原洋子著 ビジネス社 1300円+税〜


このように紹介した後、私は無性に彼女に会って見たくなり、「機会があれば」とお願いしていたのです。願いはすぐに叶い、小笠原さんがスローライフの事務所に遊びに来てくださいました。

「ケチの本を書いた」と聞くと、完璧節約家で髪振り乱して「あれはいけない、これはいけない」と言いそうですが、現れた小笠原さんはとってもチャーミングな方でした。

小柄な体を藍染めのコートに包み、襟飾りのあるカシミヤ?のあずき色のアンサンブル。輝くシルバーヘアにベレー帽がシックです。

そして、ケチ話はとりとめもなく、大笑いしながら続いたのでした。小笠原さんが紹介している、「出なくなったチューブは切って、中の残りをとことん使う」は、実は私の得意技。

これはやっている方多いでしょう、でもちょっと恥ずかしいというのがあるかも。我が夫に言わせれば「ちまちま、みみっちい」ということになりますが、切った中にはまだごっそり中身がある、捨てられましょうか?歯磨きはほらね、こんなに。まだまだ相当使えます。

姉からもらったファンデーションは、「もう出ない、捨てよう」と思ったときに容器を切ったら中にゴッソリ。水気が少ないほど中に残りやすいのでしょう。

チューブの底から切って使い、切って使い、いよいよ背丈は小さくなっていきます。最後はもちろん、小笠原さんと同じく、楊枝でホジホジです。たくさん取れるとこれまた嬉しい。、

納豆の空容器は、私はそのまま捨てていました。ケチ上手先生によると、「容器を4分の1に折り畳み、テープで止める」。そのテープたるや、スーパーなどで「レジ袋いりません」というと「では、テープだけ貼らしてください」と貼ってくれる数センチのテープを、捨てずに冷蔵庫などに貼って置きそれを使うとのこと。

このすご技は私にはできない。輪ゴムでお許しをと最近は励んでいます。毎日納豆派にとって、確実にゴミの量が減りました。捨てるゴミを少なくするのも、地球に対する礼儀ケチなのでした。

当事務所で、スタッフが「ティッシュより、トイレットペーパーの方が安いですか?」と質問。もちろん安いのですが、小笠原さんのケチはだた安い、高い、ではないのです。「なにも、ほんの少しの汚れに2枚重ねのティッシュ1枚をわざわざ使うことはあるまい」という考え方なのです。

以来、トイレットペーパーをデスクに置きました。5センチで済むときもある、20センチいるときもある、と自分で判断するようになりました。目薬をさした後の涙をわざわざティッシュで拭かずとも、トイペ3センチで充分ということ。今や日々、「これで足る」を知るという訓練です。

持っている食器はほんの引き出しひとつ、とか。鍋料理は何度も変化させて延々と食べる、最後はフライも入れる、とか。その極意をうかがうと実に清々しい。物に埋もれ振り回されている暮らしの、馬鹿馬鹿しさが分かってきます。

私のパソコンはいま、こんなにボロボロ。新幹線などで開くと、横の人のため息が聞こえる。だけれど、まだまだ動く。ガラ系携帯もしかり。何も不便していないから、もう少しこのままで、と自信が着きました。

小笠原さんは節約家であり、お上手なケチ道を楽しんでおいでですが、プロフィールにあるように何冊も本をお出しです。その1冊は彼女が魅了されたドイツの画家の、作品にある風景を訪ねる話。10年間に9回も訪ねている。

本を書くためというよりも、自分が納得するまでの旅だったのでしょう。いわゆる悪い意味でのケチな人はそんな旅を繰り返すでしょうか?使うときにはドーンとお金を使って、ある意味とことん贅沢な旅をされています。

要は、お金の使い方を自在にすること。緩急をつけること。自分物差しで生きること。これがケチ上手の極意と思いました。小笠原さんからは赤いバラとチョコレートケーキをいただきました。筑紫さんの写真が嬉しそうでした。

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お仕事 山村での子育て 2019/12/02 1:52 pm

平地がない、公園がない、店がない、交通が不便。“ない”を言い出すときりがない、奈良県山間部の十津川村。

ここで子育てを応援する「山っ子プロジェクト」が始まり、遊び場情報マップを作りつつあります。

いい空気と水がある、人情がある、こだわって生きる人がいる、子連れで行けるちょっとした場所もある。

“あるもの”を探していくと、その豊かさが見えてきました。
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紅葉のきれいな十津川村です。

山は美しいですが、人の暮らしには厳しさを突き付けます。道路を通すにはトンネルが必要、崖に沿う道はすぐに土砂崩れにあう。

村内のあちこちに移動するには、幹線道路から脇道に入ると、道幅は狭く、うねうねとカーブが。



子育て中のママ達には、「村内移動でも怖くて行けない」場所が多くなります。

それでもこの村に居なくてはならない、この村に居たい、ということでみんな日々を過ごしています。最近は、「不便でもこういう村に住みたい」という移住者も増えてきました。

この村で暮らすなら、暮らしたいなら、もう少し能動的に良いことを探そう、お互いの情報を分かち合おう。山に暮らすママ達が、「あそこなら子連れで遊べるよ」という場所を出し合いました。

実際にはいくつかの候補のなかから、「私はここがおすすめ」というところを話してもらいました。この日集まったのは大字谷瀬のママさんたち。お隣の上野地の方も1人。

子連れですから、会議にはなりません。ママたちが座る回り、長い廊下を子供たちはキャーキャーと駆けまわったり、踊りを始めたりします。

でも、まずはこうして集まることができる場があるなんて、いいことです。集落にある一軒の民宿に皆さんが集まりました。

これが都会ならどうでしょう?子供スペースのある会議室を探して予約して、2カ月くらい前から抽選で場所確保なんてことでしょう。

ここにはお爺ちゃんお祖母ちゃんもいます。集まった子供たちみんなが兄弟のようでした。

さて、その遊び場情報マップのことはいずれお話するとして、今回、村を回っての気づきを書きましょう。

ママミーティングに参加したお1人が、子連れで安心の遊び場として、旧上野地小中学校グランドをあげました。

なるほど、立派な公園ではないですが、地域の人がグランドの草刈りをして、今もきれいに維持しています。「ここで虫取りしたり、自転車に乗ったり。寒いときは体育館でも遊べるの」と案内してくれました。

閉校した学校は山村につきものですが、そこは安全な場でもあるわけです。

「十津川村は給食が美味しいの」という声も上がりました。保育所、学校の給食がセンター方式でなく、人数分を丁寧にそこで作る。だから、評判がいい。

「給食に出る人気メニューの作り方を知りたい」といわれるくらい、愛されている味。「あのおかずまた食べたい」と思い出の味でもあるのでした。

この日うかがったある保育所、うちではなかなか作らない食べてみたくなるメニューが書かれていました。

その保育所の近くに「手作り公園があって、よく行きますよ」とママさん情報。歩ていくと、こんな看板がありました。

この公園?は元校長先生だった方が、手づくりで作ったそうです。あそび場の横には畑もあって、芋ほりなどもさせてくれるとか。

看板からも、作った方の温かな気持ちが伝わってきます。都会でこんな人が、こんな場所があるでしょうか?




ブランコ、滑り台、シーソー、丸太をボルトで繋いだ遊具が並びます。

作者の奥様がブランコに試乗して、「思いきっりこいでみて」とご主人から言われ、こいだところ、ブランコもろとも倒れた、という物語付き。

子供たちのためにとご夫婦が一生懸命になられている様子が、目に浮かびほほえましいです。

歩いていると、同行の役場職員のお知り合いから声がかかりました。「かつての剣道の先生」だそうです。「ミカン持っていくか?」と夏ミカンを、一つ二つと。

「5分時間ありますか?能面いていく?」と自宅にご案内いただきました。作業の小屋にはたくさんの彫刻刀、ノミ、ノコギリ、ナタなどが並びます。


東日本大震災の年、十津川村も大きな災害がありました。大雨で山が大きく崩れ、川が津波のように民家や施設を流しました。切り立った山を覆っていた杉、桧も山ごと倒れ流れました。

「退職後、何かしようと思っていた時に、たくさんの木がダメになっているのを見て、能面を作ろうと思って」と主は語ります。桧を四角く切り出してその塊を3年おき、面に彫っていくとのこと。いまや個展も開く腕前、セミプロの方です。

100以上の能面が並ぶお部屋、この個人ミュージアムに、子供を連れてきたら?泣くかな〜?でも強烈な思い出になることでしょう。

土曜の朝、毎週道の駅の駐車場に出るのが「にこにこ農園朝市」です。同じ地域の女性4人が、ご近所の野菜や漬物、手づくりのお弁当、お餅などを集め、ここで勢いよく売っています。

4人のおひとりは、「この朝市だって、子連れで遊びに来れる場。めはり寿司やヨモギ餅などの地元の味も買えるし、足湯でゆっくりもできるし」

「スエーデンログ」の名の、切り株もありました。丸太に切り込みが入っていて、桧なので真ん中に火を付けると焚き火になるのだそうです。

こういうのを真ん中に、火をつけて、子供たちと夜遊びなんていいなあ。「これ、クマが剥いだ木。珍しいのよ」と解説の声が。山っ子の近くには、クマも居るのでした。くわばらくわばら。

果無集落と呼ばれる、天空の集落へ行きました。「赤ちゃんでなければここも歩けるし、お弁当を食べるのにいいよ」と聞いたからです。

民家の横や田んぼのなかを、尾根伝いに小道が伸びます。世界遺産でもある「小辺路」と呼ばれる古道です。

歩く人のために、清水がためられ、花が添えてある。これだけでこの村の人たちの心が伝わってきます。「人が歩くのはイヤ、のぞかれるのはイヤ」どころか、「ようこそ、ごゆっくり」なのです。

朝市で買った「めはり寿司」にかぶりつきました。海苔が手に入らなかった時代、この辺でおむすびと言えばこの「めはり」。高菜の漬物でご飯を包んである。高菜の塩味で食べるおむすびです。

若いママさんが伝統の「めはり寿司」を作れなくても、朝市で買って子供と味わうことができる。

しかも世界遺産の景色を眺めながら。駐車場もトイレもすぐそこ、贅沢な遊び場です。

平谷地区の交流センター「いこら」に寄りました。温泉の豊富な村です。足湯はもちろん手湯もあります。タオルは近所の宿の方々が用意してくれています。

国道から入ったところなので静か。駐車場で外国人と地元の子供たちが遊んでいます。

ここでは村民が曜日交代でお店を出しています。この日は「日だまりカフェ」の名で、地元の大工さんがお店を開いていました。果無集落を子連れの遊び場として勧めてくれた大工さんです。

「世界遺産の石碑がある所より、さらに上ったところにもいいところがあるよ。車も来ない」とうかがい、再度行くことになりました。

このカフェでは、地元素材を使ったパスタや天ぷら、から揚げなどがある他に、大工さんハンドメイドの物が売られています。

十津川材でできた、赤ちゃんスプーン。子供にはこういう食器を使わせてあげたい。離乳食からこのスプーンで育つなんて、上質の食育ができますね。

皆さんのおすすめをうかがうと、この村は「子育てに良い環境」であることが浮き彫りにされてきます。何をもって良しとするのか、個人の生き方、価値観の物差しの持ち替えで、“ない”が“ある”に変わるのではないでしょうか?

コンビニや大きなスーパーはありません。でも、ママさんたちはネット通販を盛んに使います。不便はITで補いながら、村にある本物の豊かさの中で子育てしていく、これが正解でしょう。

日だまりカフェで買った、手作りワッフルの美味しかったこと。正直に焼いたワッフルが100円なり。それが十津川村なのでした。

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連絡先

野口 智子 のぐち ともこ
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局
ゆとり研究所

TEL 090-7433−1741
E-Mail yutori@noguchi-tomoko.com

NPOスローライフ・ジャパン
〒160-0002 東京都新宿区四谷坂町9−4 リカビル301
TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
E-Mail slowlifej@nifty.com


略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。