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ゆとりある記 古い家と麦畑と 2020/02/22 2:28 pm

先日東京・三鷹市に伺って印象深かったのは、伝承されている大正時代の家と麦畑でした。

縁側に木枠の引き戸建具が入り、冬の日射しが畳に届く家。そのガラスの向こう黒土の庭で子どもが積み木で遊んでいる。はめ殺し窓の高層マンションとは違う景色です。

そして麦畑では、麦踏みをした後の麦がよいしょと体を起こしています。

いずれも、都市住民に何が大事かを伝える装置でした。
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NPOスローライフ・ジャパンの「お出かけさろん」として三鷹市へ伺ったことは、こちらへ報告をあげていますので全体の話はこれをご覧ください。

http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=405

ここでは個人的感想です。「星と森と絵本の家」という場所。主は、大正時代の家で絵本を見たり、遊んだり、学んだりできるようになっています。



こういう家は何とも懐かしい。ガラス戸がはまり、裏には竹やぶがあり。遊んでいると、竹やぶを吹き抜ける風の音がする。

身体に当たるお日様がポカポカと暖かく、夕方になっても外にいたいものです。





ガラス戸からは庭の様子がよく見えて、きっと座敷にいるお母さんは子どもの様子をのぞいては微笑みかけたりしたことでしょう。

子どもも少し遊ぶのに飽きると縁側を開けて、「おかあさ〜ん、おなかすいた〜〜」なんて。

蒸かしたサツマイモなどが運ばれて、縁側で母子はおやつをしたのでは。


家のなかにはいろいろな展示物がありましたが、このミシンがまたなつかしい。

昔は服を作るという作業が、家事としてありました。子供服はもちろん、母は自分のワンピースも作っていた。

ダダダダという足踏みミシンの音は、母が頑張っている音で、その音を聞きながら子どもたちは絵本を読んだりままごとをしましたっけ。

縁側もない、ガラスの引き戸建具もない、土の庭もない、ミシンもない、母もいない、そんなマンションにカギを開けて一人帰り、カップラーメンを食べて、即、塾に行く、今の都会の子どもたち。

竹やぶを渡る風の音を聞くことはあるのでしょうか?



かつては小麦の産地だった三鷹市では、都市農業としてわずかな土地に麦を作り、その麦文化を伝えようとしています。

私を始め、訪れた面々は、葉を見ただけではどれが大麦か小麦かわかりません。広大な麦産地の畑から比べたら、猫の額にも満たない小さな麦畑ですが、ここで伝えられる麦文化は貴重です。



先般子どもたちが麦踏み体験をしたとかで、麦の苗が寝ています。一見かわいそうなのですが、直に元気に起き上がるのだそうです。

なんで麦踏みをするのか?言葉は知っていてもやったことがない。意味も分からない都市住民です。昔は霜柱が立ったから苗が浮く、それを踏みつけると、土に戻る。苗そのものも丈夫になる。へえ〜ということばかり。

麦も知らない、霜柱も最近は見たことない、麦踏みの意味も知らない、小麦と大麦の使い道も知らない。なのに私たちは、焼きたてのあの店のパンとかあのビールとか、食へのこだわりだけは持っている。


昔の家で絵本を読んだり、麦畑を見たり、そんな中で感じることや考えることが大事だと実感しました。それは子どもはもちろん、今の都市の大人に必要なことでしょう。

この古い家を使える形で残したり、麦を作る三鷹市の人々に感謝です。

どんどん情緒が欠乏し、自然はネットで見るだけ、人間力も落ちている。そんな私たちは自分のために、今回のような経験を頻繁に用意しなくてはなりません。

藁の山に映る、自分の影など初めて見ました。

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お仕事 土佐・ニンニク・生姜・ニラ 2020/02/16 3:05 pm

高知へ女性団体の研修に行った翌日、土佐市で活動する「とさし旬物クラブ」を訪ねました。

農家の女性グループ、自分たちの野菜でニンニクの効いた焼肉のタレや生姜焼きのタレも作っています。ニラの作業場も訪ねました。

いずれも身体にいいものばかり。活動へのアドバイスどころか、こちらが元気いっぱいになって帰ってきました。
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研修に参加させていた団体のどこかにお邪魔したいなあ〜と思い、一番近いところへ。どうもどこかに出かけて講演してそのまま帰るのはイヤで、現場を訪ねたくなる性分です。急に言い出すので事務局にはご迷惑をおかけしました。

私のわがままを聞いてくださって、わざわざ時間をとってくださったのは土佐市の「とさし旬物クラブ」の方々。8名の農家の方が、農産物のブランド化や商品開発に頑張っておいでです。3人の方が「ドランゴン広場」という直売所においでになりました。

ここで売っているのが彼女たちの野菜と、「焼肉のたれ」です。たれがかご盛りになった横にあるお店のポップにはこうありました。









「えっ手作りの焼肉のタレ?・・・・・定番のを使えば間違いがない・・・がこのタレを食べると考えが変わります。あっ、これが正解なんだと。食欲をそそるニンニクがきいた甘辛いタレ。野菜炒めや豆腐ステーキにもよく合います。・・・」






早速お3人の目の前で舐めてみました。わあニンニク、そして甘い、そしてほんのり酸っぱい!口の中に野菜のうまみが残ります。このまま熱いご飯に食べてもいいくらい、焼きおにぎりにしてもいいでしょう。

お話をうかがうと、メンバーの中にトマトを作ってる方があり、そのトマトを隠し味にしたとか。なるほど瓶にはトマトの絵です。材料の野菜はメンバーの畑から。いい野菜をふんだんに使える強みですね。

「ニンニクが強くてよくないかしら?」と心配も。いえいえ、そのニンニクがいい。パンチがあってトマトと共に特色になる。むしろ、ニンニク調味料として胸を張っていいのでは。

すると、「こういうのもあります」と出てきたのが「生姜焼きのタレ」。まだ開発中だそうですが、瓶丸ごと生姜の微塵切りがいっぱいです。生姜の産地だからできる技。これも生姜を入れ過ぎかな?という心配はあるかもですが、生姜調味料として量を加減していろいろに使ってもらえばいい。

キュウリの漬物を作るとか、カツオのたたきに使うとか、生姜焼きと決めないでデビューさせた方がいいのではと申し上げました。

ご近所の方も使うのだから、材料はケチらない、いいものをちゃんと作る。ご立派です。彼女たちの野菜にはロゴマークがついていて、目立ちます。








そのマークの付いたニラの作業場を訪ねました。元ビデオのお店だった建物が、ニラを計り束ねる場所になっています。

入ったとたんに強い強いニラの匂い。中では女性たちがリズミカルに綺麗な緑のニラを計り束ねていきます。




どうやって食べますか?とうかがうと。毎朝の味噌汁。肉ニラ炒め。卵とじ。玉城焼。オムレツ。お浸し。ニラすき焼き。と次々料理名が上がります。

ニラはほかの野菜と違って扱いが簡単、即ザクザク切れる。私も大好きです。「風邪の引き始めはね、ニラをたっぷり入れた熱い雑炊を食べれば治るよ」とのこと。今後はニラを常備しましょう。

地元の学校給食にも野菜を治め、食育活動もしているという「とさし旬物クラブ」さん。こういう女性たちの地域での日々の活動が、少しずつ地方を日本を良い方向へ導いてくれるのだと思います。

土佐を、高知を、日本をパワフルにするために、ニンニク・生姜・ニラに特化した商品開発をしていくのもいいですね。

ニラの作業場に居た数分間、鼻から口からニラの匂いを嗅ぎ、全身ニラの香りに包まれ、元気いっぱいになった感じで帰りました。

※急きょ丸1日私を案内してくださった、高知おかみさん会推薦の素敵な男性“マッチャン”ありがとう。


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お仕事 高知パワー 2020/02/09 3:00 pm

高知で研修をしてきました。地域おこしに頑張る女性たち対象です。

気づいたことを書き出してもらうと「身近なものを大切に」「何もなくても何かを作る」「へえ〜?!から、新しいことが生まれる」「繋げば広がる」「必ず何か逸品がある」などでした。

でも、研修しなくとも、高知は既にそれを実行しているように思えます。商店街やおもてなしに、高知パワーを見ました。
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以前うかがったのは2017年6月のこと、全日本おかみさんフォーラムのシンポジウムでコーディネーターをしたときのことでした。その時感じた高知のおもてなし、いわゆる高知の『お客』文化についてはこちらに詳しく書いています。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=418&date=201706
高知の場合、かしずいてお客様をおもてなしする、自分のことはさておいて客人をもてなす、ということではなく、根本的にまず自分たちが楽しんで、そこに混ぜてあげる、楽しさのおすそ分けをしてあげる、ということだと思います。

「何がお好みですか?」なんてことはなく、「美味しいよ、楽しいよ、ほら混ざってごらん」ということです。なので、以前は商店街のおかみさんたちがダンスを披露してくれたことに偉く感動したものでした。

今回も、着いたその日に「ダンスの練習を見ませんか?」とお誘いが。

商店街の中にある、あるかみさんのお店、お好み焼き屋さんの上の階にダンススタジオがあり、おかみさんたちはもちろん地域のそれなりの地位にある男性たちが一緒に毎週水曜日お稽古をしているのです。


お店から駆け付けたおかみさん、スーツの上着とネクタイを取った割腹のいい身体を軽やか?に動かしながら今回の出し物「パブリカ」などを練習中でした。

さっき食べた高知ならではの「カツオの塩たたき」や「亀の手」「チャンバラ貝」の味わいに酔いしれているわけにはいきません。見物しながら、こちらも身体をゆすったのでした。

翌日の研修は、高知県女性商業者等活躍促進事業で、“集まれ土佐のおかみさん 女はいつも今が旬「女性活躍推進セミナー」”と勇ましいものです。私の講演とワークショップは「女性の力で、繋ぐ、広げる」というタイトルにしました。

いつも思うのですが、講演というのは一方的でよくない。ワークショップも妙に手慣れた人の独壇場になりがち。

なので、おかみさんたちがほんわかと参加できる程度のワークショップにしました。

前半の私の話の中で印象深かった言葉をあとで各人書き出してもらう。それを各グループでまとめて、一つに絞り、発表してもらうというやり方にしました。


そういうルールだと、私の話を皆さん熱心に聞いたくださいます。メモなどもしっかり取って。

そのあとは一人ずつが全員、印象深かった言葉とその理由を述べるのですから、初めて同士でも何となく知り合うことができる。


名前と所属を言うだけの自己紹介より、しっかり繋がれます。そしていつものメンバーでない人たちも一緒に話し合えば、視点や考えが広がります。

男性もかなり混ざっていましたが、あっという間の90分。こちらも楽しく過ごせました。各班の発表に、冒頭の言葉が出てきたわけです。

その後、新年会も兼ねた交流会です。御馳走で出てきたのが田舎寿司。昔からこの地の人が食べてきた、ミョウガの漬物や、コンニャクなどが具になったお寿司。これが素朴で美味しい。

身近なものを大切に、宴会料理に出すことがいいなあ〜。しかもこのお寿司こそが何もなくても何かを作ったものですね。

そしてダンスが始まりました。初めて見る人たちは「へえ〜〜〜?!」です。あのおかみさんが思い切り軽やかに踊っている。あの局長が、あの支店長踊ってる。平均年齢70歳を超えているんだって。へえ〜!です。

こんなに若々しくパワフルなら、私たちも頑張ろう。おばあちゃんだって、お爺ちゃんだって、と新しい気持ちが起きていきます。

驚いたのは懇親会参加者全員を紹介し、皆が一言ずつ挨拶する場面があったこと。しかも司会のおかみさんはのどかに間違えっぱなし。

それが名物のようで皆が大喜び。いい繋がり方です、全員のことが覚えられて世界も広がります。

なんだ、研修なんてしなくとも、高知は立派にやっている。高知のパワーこそ逸品なのだと思ったわけでした。

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スローライフ運動 瓦版に時代を見る 2020/02/03 11:55 am

今号も500号特集。創刊当時の「瓦版」内容を振り返ってみましょう。10週分をみるだけでも、10年前の世の中が少しつかめます。

菅政権、ワールドカップ、建設途中のスカイツリー、クールビズ、iPad、電子書籍、冬のソナタ、口蹄疫、草食系、など。

書き手がそれぞれ何を訴え、どんな言葉をすくい上げてきたか?「瓦版アーカイブ」の中に、この国の動きを見る思いです。
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500号を数え、創刊当時の「スローライフ瓦版」を見たいという声が届きました。これはどなたでも見ることができます。

スローライフ・ジャパンのホームページの左側に「スローライフ瓦版 アーカイブはこちらから」というコーナーがあります。ここから全500号を見ることができます。読み返すと、実に面白い。10週分だけかいつまんでみましょう。

■2010.4.20創刊号
http://www.slowlife-japan.jp/modules/kawaraban/index.php?page=detail&bid=2&req_uid=4
・早野透さんが朝日新聞政治記者を退き、桜美林大学教授になられたお話。
・この日の「さんか・さろん」では今は亡き映画プロデューサーの武重邦夫さんが、映画づくり新時代における「青春100物語」を提唱。
・神野直彦さんは「観客文化から参加文化へ」とスローライフを解説されました。

■2010.4.27第2号
http://www.slowlife-japan.jp/modules/kawaraban/index.php?page=detail&bid=3&req_uid=4
・増田寛也さん東京大学で大学院生を教える2年目の気持ちをフランクに。
・斉藤睦さんが六本木の東京ミッドタウンに西会津町のキノコ農家を応援に。まだ東日本大震災前の話です。

■2010.5.11第3号
http://www.slowlife-japan.jp/modules/kawaraban/index.php?page=detail&bid=4&req_uid=4
・中村桂子さんは、新幹線移動は週一回にすること、それ以上動くと体を壊すという知人の忠告を守っているとのこと。

■2010.5.18第4号
http://www.slowlife-japan.jp/modules/kawaraban/index.php?page=detail&bid=5&req_uid=4
・この年、11月に富山県砺波市でスローライフ・フォーラム開催の予告が。ちなみに前年は兵庫県淡路島でした。

■2010.5.25第5号
http://www.slowlife-japan.jp/modules/kawaraban/index.php?page=detail&bid=6&req_uid=4
・山下茂さんが「ぬるーい温泉を!」のお話、次からはビールのお話も。
・このころは「日光『食』の研究所」から、「たかおか屋」からなどというコーナーもありました。

■2010.6.1第6号
http://www.slowlife-japan.jp/modules/kawaraban/index.php?page=detail&bid=7&req_uid=4
・川島英樹さんが、クールビズ姿、iPad、電子書籍という言葉をコラムの中で使われています。
・増田寛也さんから「宮崎県で口蹄疫が猛威を振るっている」話も。

■2010.6.8第7号
http://www.slowlife-japan.jp/modules/kawaraban/index.php?page=detail&bid=8&req_uid=4
・長谷川八重さん企画によるお出かけさろん「掛川路さんか・さろん」いよいよ来週ですよと呼びかけが。泊りがけのさろん。

■2010.6.15第8号
http://www.slowlife-japan.jp/modules/kawaraban/index.php?page=detail&bid=9&req_uid=4
・坪井ゆづるさんが京都でぶらりと途中下車、みちくさ体験。このころは坪井さんが今ほど怒っていません!
・野口はスカイツリー建設途中の様子を書いています。

■2010.6.22第9号
http://www.slowlife-japan.jp/modules/kawaraban/index.php?page=detail&bid=10&req_uid=4
・掛川では「増田寛也会長と走るサイクリングツアー」が行われたとの報告。まだみんなのどかでした。

■2010.6.29第10号
http://www.slowlife-japan.jp/modules/kawaraban/index.php?page=detail&bid=11&req_uid=4
・丸岡一直さん、よそよそしい介護「マニュアル」よりも、北の地の高齢者をタケノコが元気にするという印象深い話。
・7月の「さんか・さろん」予告では、テーマ『地域変動する政治』―参院選をくぐって菅政権は?中央だけでなく「地方政治」も―となっています。


お時間あるときにどうぞ「瓦版アーカイブ」をご覧ください多少文字化けしている部分があることお許しください。

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連絡先

野口 智子 のぐち ともこ
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局
ゆとり研究所

TEL 090-7433−1741
E-Mail yutori@noguchi-tomoko.com

NPOスローライフ・ジャパン
〒160-0002 東京都新宿区四谷坂町9−4 リカビル301
TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
E-Mail slowlifej@nifty.com


略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。