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スローライフ運動 雲部のもてなし 2019/03/11 5:49 pm

地域の味で集う「夜なべ談義」は、わがスローライフ・フォーラムの名物です。

今回の篠山市雲部「里山工房くもべ」のお料理には皆が感激でした。

焼き豆腐、なます、押し寿司、ぬた、白和え、などなど。献立は素朴ですが、身体に良いものを、手間をかけて料理している。

都市部はもちろん、田舎でもこういう味は消えつつあります。雲部の人の心意気が、篠山市の印象を高めてくれました。

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毎回この「夜なべ談義」をこしらえるのには苦労します。地元の味でお願いしたい、他所からの何か持ち込みもあるかもしれない、安上がりに。普通の旅館やホテルでは面倒で断られます。

でも、何処の土地でも同じような、お刺身、天ぷら、ミニステーキに頼るような宿料理で交流などしたくありません。


たいていの場合、板前さんが柔軟な発想や技がなく、「出来ない」の一言で終わります。

というなかで、「里山工房くもべ」は「了解!」、即答でした。「とことん地元の味を作りましょう」と。全国各地から篠山市に集まる、ある意味“観光慣れ”している人たちが、何を喜ぶのかお判りなのでした。


廃校になった小学校ですから、ハードは宴会用にはできていません。一階に、ランチ中心のレストランはある。でも、きっと80人近い人たちのパーティーは初めてだったかも。

下見に行ったとき、ここの責任者・今井さんの笑顔と自信に惚れて、お願いしました。



うかがう3日前にはこんなメールが届きました。

「3月9日丹波篠山雲部へ御出でくださる皆々様方へ 丹波篠山雲部 里山工房くもべの今井でございます。いよいよ3月9日スローライフ学会前夜祭(夜なべ談義)が迫ってきました。 今、丹波篠山は、紅梅、白梅咲きそろい、野には土筆や蕗の薹が我先に土中から顔出しています。また、山野辺には藪椿が咲き、まさしく春到来を感じさせます。さて、当日、皆様ご賞味いただく献立も決まりました。今日は徳利、盃、手塩皿類、料理を盛る鉢類も準備できました。明日からは黒豆を煮たり、蕗の薹を収穫したり、鹿肉を調理したり、大根、白菜などなどの野菜も収穫をして水洗いをするなど、皆様を心からおもてなししたく、喜心、老心、大心の心構えで、里山工房くもべのスタッフ一同取り組んでおります。どうか心安く弥生の夜を丹波篠山雲部でお過ごしください。重ねて心よりお待ち申し上げております。合同会社里山工房くもべ 代表社員 今井進拝」

このメールを読んで胸が熱くなりました。食事に行く予定のところから、こんなに温かなお手紙をいただいたことはありません。

このお手紙をスローライフ学会参加者、皆が読んで、いざ、篠山市雲部へ、となったのです。「篠山はなんていところなんだろう」と、行く前から誰もが思ったことでしょう。



前日、チラリと様子を見にうかがうと、私よりずっと先輩の皆様が、机椅子を運んだり、棚に布をかけたり。食器は昔ながらのものが集められています。紙コップ・紙皿などの出番はありません。頭が下がりました。






そして当日、ずらりと並んだお料理が凄かった。最初に目を引いたのは錦糸卵が春らしい「黒豆寿司」、名産の黒豆が炊き込まれたご飯の押しずしです。「さばずし」もピカピカ。昔は魚がここまで届かない、鯖は貴重だったのです。





なますを豆腐であえるここ独得の「豆腐なます」。一軒ある手作り豆腐屋さんの炭火で炙った焼き豆腐を煮たもの。「たいたん」という言葉にほっこりします。

名産の山の芋と栗を使った「きんとん」、「鹿肉の香味揚げ」「ネギのぬた」「菜の花の辛し和え」等々、有名な「牡丹鍋」も野菜一杯で湯気を上げていました。

これらをどのように出すのか、これが雲部の知恵の見せどころでした。大きな部屋はないけれど、学校なので廊下はあります。廊下を活かしたバイキング方式になりました。





理科室で作った猪鍋を、廊下の窓から顔を出していただくというバイキングも。これもアイディアですね。廃校が、この日は見事に生き返った感じです。

おもしろい趣向で、取り皿にいただいてくる、様々な田舎料理。その味に、会場が狭いなんて文句は出てきません。皆ご機嫌で、次々にスピーチをしたり、お土産物を配ったり。

テーブルの上のお皿には、好みのいろいろな料理が並びます。料理を挟んで地元の人と、他所の人が語る語る。そして料理を取りに行ったら、座る場所を変えてまた話す。




「あ、それまだ私食べていない」「昔はこういう料理はお葬式や法事なんかでよく作ったの、今はなかなかね」「こんな焼き豆腐食べたことないです」「バーナーで焼いてるのとちがうよ」「猪って柔らかい、美味しい」「味噌味が独得でしょ。スープがおいしいよ」「地酒も地ビールもいけますね」「油揚げはこういう風に甘く煮なくちゃね」「黒豆納豆の天ぷら、食べてごらんうまいよ」

途中で今井さんが、料理を作ってくださった地元の女性たち、配膳係の助っ人たちなどを皆に紹介してくださいます。

マイクを持ってスピーチなどしない、女性たちですが、この料理がすべてを主張し、本質を語っていました。



米、黒豆、山の芋、野菜を育て、収穫し、どうすれば美味しく食べられるのか、代々伝えてきた、この地の人の文化・技に抱かれた思いです。

訪れた私たちも、地元の方々のご苦労が分かるので、握手や拍手、感謝の夜になりました。

もしこれが、普通のホテルの宴会場で、何処にでもある料理を囲んだら、こんな感動や交流はなかったでしょう。今回篠山を訪れた私たちの仲間が、「篠山よかったよ」と語る半分以上は、このおもてなしによるものと確信します。

ネオンや明るいビルの無い、真っ暗な里山雲部の夜。地元の人と、外からの人がそれぞれに輝いていました。

雲部で知った本当のスローフード、スローライフです。ありがとうございました。

※写真は一部、事務局スタッフの藤井頼暁さん撮影のものをお借りしました。

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お仕事 湯沢の食 2019/03/04 1:48 pm

先日出かけた秋田県湯沢市では、地域の味を楽しみました。

長い根っこも味わう「三関セリ」、雪の中から掘られるアサツキの芽「ひろっこ」、茄子と菊の花とお米を使った甘い漬物「花寿司」、地元の人のおやつ「オランダ焼き」、名産の「稲庭うどん」、地酒。そして、地元女性グループによる様々なお料理の試食。

「食」は地域の顔、表情豊かな湯沢に魅了されました。
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この前は「湯沢の雪」について書きました。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=504

今回は「食」です。真っ白な雪に閉じ込められたようなこの街で、人々は何を食べているんだろう?

いつも私は、その土地の普通の人が食べているものが気になります。今回も、湯沢の人が毎日のおやつに買っているジモティーな味からスタートしました。


「オランダ焼」です。以前来た時に食べ逃し、気になっていました。駅前にある、お店で焼いています。

よく見ると、「高市青果」というお店。もとは八百屋さん?まそんなことどうでもいいんです。

メニューはけっこうあるのですが、お客さんのほとんどは「オランダ5つと、イモ5つ」なんて買い方。


人気はこの2種に集中しているので、私も迷わずこの2つにしました。

何でオランダ?という質問をしたくなりますが、それもどうでもいいんです。

とにかく三角に切った耳の赤いペラペラのハムが2枚入り、マヨネーズがコラショと絞られる。


今川焼の中身があんこではなく、ハムマヨというしろもの。「さつまてん」は甘味の強いサツマイモをホットケーキミックスでくるんで揚げたような感じ。

熱々を店先でいただきました。食べだすとお茶がすっと出てきます。休憩中のお店の女性が、自家製の即席漬けも勧めてくれました。


その土地に行って、最初に口にした味で土地の印象が決まる。と、いつも思っています。

湯沢での最初の味は大成功でした。「ウェルカムオランダ焼」ってところでしょうか。

商店街を歩くと面白い!見るのも聞くのも初めてのようなキノコ類、山菜の塩漬け等が売られています。食べ方を教わりたいな〜。

ホテルでの夕飯です。「せりのキムチ風」、「せりのかき揚げ」、きりたんぽ鍋にもせりがどっさり。そう、湯沢はブランドせり「三関(みつせき)せり」の産地、しかも根っこまで食べることで知られています。

根の歯ごたえと香りがたまりません。エビの天ぷらは全国どこでも食べられますが、このかき揚げは湯沢だけでしょう。

この日、私は「スローライフのまちづくり」という話をさせていただいたのですが、その半分は食べ物の話でした。地域を大事にていねいに暮らすには、土地固有の食べ物、食べ方が大切だからです。

私の話を証明してくれるように、講演会のあとは湯沢の女性グループによる伝統の味・健康な味の試食会。さっきまで壇上にいた私も、いただきま〜すモード!

「いぶりがっこチーズのせ」これはお酒がほしい。

「せり焼き」というものも。これはせりの炒め煮のようなもの。これもお酒が合いそう。

「切り干し大根の煮物」はいい味、あ、海草を使った「エゴ」もあります。ああ、お酒が。



ご飯を半殺しにして丸めて汁に入れた「だまこ汁」、普通のうちでよく食べるのはきりたんぽよりこちらの方が多いのだそうです。

これなら私にも作れそう。でもお米の味がやっぱり違いますね〜。






6団体の方々がお料理を作ってくださっていましたが、どのグループも「ね、美味しいでしょう!」と自信たっぷりの顔。

この女性たちの永年鍛えた技と、胸を張った笑顔がこの美味しさを作り出すのですね。伝統の味だけでなく、それを活かしたアイディア料理もあり、作り方を知りたかったのでした。


私はあまり時間がなく、つまみ食いでしたが、ゆっくり食べれば、そして皆さんと「お茶っこ」しながらいろいろおしゃべりすれば、さらに美味しい時間となったことでしょう。

この「こざきねり」という不思議なデザート?も忘れられません。





ところで、私はどうしても、どうしても、「三関せり」が欲しくなってしまいました。

すぐなくなってしまう人気ブランド品です、予約をしておいていただき、しっかりと入手!こんな立派なせりは初めて見ました。





栽培している地元の方から、料理のレシピもいただきました。根っこはよく洗ってあること、冬場はビニールハウスの外側は寒いので丈は短く、中側は長く伸びること。いろいろ教えてくださいます。

もっとゆっくりうかがって、三関せりのウンチクをうかがえば、さぞかし面白いだろうと思いました。



せりと一緒に、「ひろっこ」も美味しいよと勧められ買いました。アサツキの芽、雪の中から掘り出すのが大変だそうです。雪深い土地の、春を求める味なのでしょう。

海苔で巻いて天ぷらに、酢味噌和えも、と、同行の方からアドバイスがあります。

紫色のものは気になっていた「花寿司」です。土産物屋さんのものはもっと潰れてしまっていますが、これはさっきどなたかが作ったばかりという美しさ。

ご飯も入り、寿司ではあるのですが、甘い。菊の花の香りと黄色と紫の色と、紅い唐辛子が何とも言えない華やかな美味しさ、美しさです。

さて、いよいよ帰路に着きます。車で送っていただいたまでは良かったのですが、ワサワサ勢いよく繁る長いせり5束、ひろっこ、クルミ、花寿司、これ等の買い物に、お土産にいただいた「稲庭うどん」が私の荷物の現実となりました。

それなのに夫に「オランダ」+「イモ」のセットをお土産にしたく、さらにどっさり買ってしまい、湯沢駅での私は行商の人のような姿になってしまいました。

大荷物、雪のホームで佇みながら考えました。湯沢の食は人を虜にする・・・。

街なかのお店を回りながら、少しずつ地元のものを食べる。ゆくり歩きながら、あっちに寄り、こっちに寄り、もちろん地酒もちびりちびり。

せりの扱い方や、キノコ料理、ご飯の“半殺し”の仕方、などなど地元のおじちゃん・おばちゃんから教えてもらう。花寿司などスイーツ感覚で作りたいもの。

食のツーリズムが可能です。今あるもの、人、技術を活かし、繋げるだけでできる、スローフードウォークです。都会へ食いしん坊集まれ!と呼びかけてみましょう。

実は、今回書ききれていないもっとたくさんの味があります。これだけ固有の食文化があれば、敵なし。伝承のためにも交流は欠かせません。毎月代わりで、いろいろなカリキュラムを作れますね。

何だか食いしん坊としては、ワクワクしてきました。

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ゆとりある記 黒糖作り 2019/02/25 10:04 pm

サトウキビを絞り、その汁を煮詰める。単純な作業ですが、なかなか難しい。

大規模工場で機械生産なら楽なのでしょうが、昔ながらのかまどで薪をくべ、大鍋で4時間、人が混ぜ続けて煮詰めていくやり方。混ぜ物も一切ナシ、こだわりの黒糖作りです。

出来上がりは単純でない甘さ、なんとなく海の香りもする色々な旨味の含まれた濃い甘さ。元気になりそうです。雲仙市南串山で。
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雲仙市の南側、南串山町。ジャガイモやレタスをつくっていますが、サトウキビも栽培しています。

ザワワ、ザワワ♪という歌がありますが、この海風がどうもサトウキビを健康に育てるらしい。

有馬自然食品の南串山工場にうかがったのは、先月のこと。この冬の黒糖作りの最後に間に合いました。

竹さおのようなサトウキビが積んである、海辺の小さな工場で4人ほどでの作業です。「黒海道」という品種のサトウキビ。これをを刈ったら絞って、汁をとり、煮詰める。その工程は毎日決まった形では行われません。

今日はこの人数でこの作業、今日はやらない、などなど、なかなか見学したくてもタイミングが合わなかったのでした。

作業場の奥に据えられた煉瓦とコンクリートのかまど、火口は4つ。大きな釜が4つのり、それぞれから湯気が勢いよく上がっています。

釜のは30分置きで仕掛けられ、順繰りに4時間立つと汁は煮詰まって、黒糖になっていくわけです。



薪の燃える匂いと、サトウキビの汁が煮える甘い匂いと、湯気と、熱が、作業場に満ちています。










グラグラ煮える汁を、働く男性たちは一時も目を離しません。大きな木製のヘラで、かき混ぜ続けます。

そしてアクをていねいにすくって。







私が舌なめずりをしていたのでしょう、カップに煮えている汁を汲んでくださいました。










「う〜〜ん、おいしい」サラサラとはしていますが、もう黒糖の味です。

これをパンケーキなどにかけたら美味しいだろうな〜。







そうこうしているうちに、一番端の釜が煮詰まって来たようです。温度を計っています。










ここまでドロドロになると、混ぜるのは二人がかり。力がいるし、すぐ焦げてしまう。










鍋に数滴たらすと、代表の宮崎さんが外へ走り出しました。瞬間のかたまり具合と、その色を海辺の明るさの元で確かめるのです。









良しとなったら火を消します。かまどの薪ですから、即は消えません。火を出し、サトウキビの搾りかすをかけたりします。









そして今度は大きなすり鉢へ移して、ゴリゴリゴリ。こうして空気を混ぜ込まないとカチコチの飴になってしまう。

なるほどまた試食したものは、既にお箸の先につければ飴になっていたのでした。





計りの上に型をのせ、重さを計りながら流し込みます。ここまで来るのに4時間から6時間くらい。

何だか魔法の薬ができあがったような感じです。







食べやすいようにサイコロ状に切り分けて出来上がり。

最近は、生姜入りなども作っているそうです。








商売としては全く合わない作業でしょう。こんなに手間がかかるなら、もっと高価でもいいはずです。

でもここの黒糖男たちはそんなことは言わない。要はこの作業が好きなんですね。そして、誰かがやらなくては無くなってしまうから、なのでしょう。

もちろん完全手作り釜炊き黒糖となれば人気です。引っ張りだこで品物は足りない。

でもサトウキビ栽培をしてくれる人が増えないと、黒糖もできないし、釜の前で何時間も混ぜる作業に耐えないとこの味ができない。

ただ甘いだけでない、旨みと、少し塩のような味も感じる、濃い、でもすっきりとした甘さ。上等なお菓子を食べているような本物の黒糖です。

どなたか志ある若者たちが、この作業を継いでいかないでしょうか?

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ゆとりある記 湯沢の雪 2019/02/18 1:43 pm

秋田県湯沢市を訪問、豪雪地帯です。東京から行った者には白い世界が珍しく、はしゃぎました。

雪に埋もれた電話ボックス、雪下ろしの様子、除雪車、避寒して市役所で勉強する学生、写真をたくさん撮りました。私と同じように外国人グループも雪そのものを夢中で撮影です。

雪の苦労を横に置けば、特別な体験でなくとも、雪国の日常を見せるだけで観光メニューになると思います。
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今年の秋湯沢で「第2回地域共生社会推進全国サミット」が開かれます。今回はそのプレイベントとして行われた「平成30年度湯沢市地域福祉セミナー」へお邪魔しました。

その間に歩いた、見た、雪の世界がなんとも印象深かったのです。

ホテルから眺めた湯沢の中心街です。雪国に来たな〜と実感します。この写真を撮ってすぐに家族に送るくらい、雪の経験の薄い都会人には嬉しいものです。








ちょうど湯沢の冬のお祭り「犬っこまつり」が終わったばかり。商店街には犬っこを祀った雪の祠「おどっこ」がまだ残っていました。どうやって作るのか?シンプルでおしゃれな形です。犬っこまつりにはのべ17万人の人、500匹のワンコが訪れたそうです。





地方の駅前商店街は何処も同じ、シャッターの閉まったお店が目立ちます。雪かきする人の居ないお店前には雪がこんもり。喜ぶ話ではないのでしょうが、よそものにはスリルある商店街に思える、そろりそろりと歩くことそのものが珍しい行為なのですから。





学校がえりの小学生が「投げるのと受けるのと、交代でやろう」なんて言いながら、雪のぶつけっこをしています。雪遊びしながら帰るなんて、東京の子たちにもさせてあげたい。







公園にある電話ボックスは、半分くらい雪に埋もれていました。「冬期間使用中止とさせていただきます」の貼り紙。無理もありません、そもそも電話ボックスまでたどり着けないし、ドアも開かないし。

でもこの雪帽子をどっさり被ったその姿が、かわいくて愛おしくて・・・。何枚も写真を撮っていたら、歩く人に「???」と見られてしまいました。

屋根の上で雪下ろししている人の横を、除雪した雪を運ぶトラックが通り抜けます。

毎冬、この雪との付き合いに、いえ戦いに、どれほどの労力とお金が使われるのでしょう。





ツララだって、私はきれいと思って写真を撮りますが、地元の人には何でもないもの。むしろ危ないもの、嫌なものなのでしょう。

「きれいだなあ〜」と何度もつぶやく私と、住んでいる人のギャップは大です。





雪に埋もれそうなお家は、砂糖菓子でできているように見えます。雪砂糖のお布団をかぶって、ふんわりと眠っているかのようです。

春になったら、「わ〜〜〜よく寝た」なんてこのお家が手足を伸ばし、雪を振るって落とすのでしょうか。なんて童話のようなことを想像します。



でも現実は、雪下ろしができないのか?空き家なのか?心配しなくてはいけない状態でしょう。

そんな家がいっぱいあります。童話では済まされません。道路横の歩道が雪で埋もれると、車道を歩かなくてはならない。だから歩道を確保する。そんな作業も日常のことです。



きれい、素敵といった雪が、風と共に吹き荒れてくると、車にに乗っていても怖さを感じました。

私はこれで東京に帰るけど、湯沢の人たちはこの雪と暮らしていくのですね。

そんな中、湯沢市役所に行くとホッとする光景がありました。避寒できる市役所ロビー、どんな雪でもここなら安心と、高校生が勉強中。東京のコンビニにたむろしている学生とは、違う姿です。

女性グループが手芸のサークル活動中。家でひとり寒々としているよりも、市役所に集まれば暖房代も節約できるし、人にも会えるし、心もぬくもるのでしょう。

この日は休日でしたが、平日はもっともっと学生さんが集まっているとか。市役所もそのために遅くまで開いているのです。ここでは窓の向こうの白い雪が、むしろ温かく見えました。

雪国の厳しさも含めて、こんな湯沢の雪暮らしをガイド付きでご案内して頂けたら嬉しいです。何も地吹雪ツアーや屋根の雪下ろしなんてハードなメニューでなくていいのです。

ただの雪の積もった庭や、古い建物を盛んに写真に収める外国人の方々に何人も会いました。私と同じ、雪というだけではしゃぐ人たちです。

雪の似合う場所に連れて行ってもらったり、雪のなかをかき分けて祠にお参りしたり、街路樹に着いた雪が冬の桜のように見える風景を撮影したり、ツララの下がる路地をくねくねと歩いたり、除雪作業を眺めたり。

そんな湯沢の普通の雪暮らしを知るだけで、ちょっとのぞくだけでいいのですが・・・・。もちろん雪かきの必要な商店街の歩道くらいなら、素人の来訪者も多少お手伝いして帰ることもできますね。

雪の街のウォッチングツアー、1時間2000円。最後は市役所で感想お茶っこミーティング。参加記念に雪貯蔵リンゴ一個付き。そんな企画を誰かしてくれないかな〜。

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ゆとりある記 クエを食え 2019/02/11 11:58 am

和歌山県に通うのも今年度で終わり。「それならこの冬、クエをぜひ食べて」と友人に誘われて、日高町のクエ民宿に泊まりました。

九州地方ではアラとも呼ばれる高級魚、何でそんなに高いのか?今回その理由が初めて分かりました。

なかなか獲れない、養殖できない。白身で上質の脂とコラーゲン、旨みはフグに勝るとなれば引っ張りだこのはずです。

一生に一度?の記念となりました。
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日高町のパンフレットにはズバリ「クエの町」とあります。

なぜここで獲れるのか、それが昔からなのか、地元ではどのように扱われてきたのかなど、普通ならしっかり取材する私ですが、この日はレジャーです。ただただ喉を鳴らしてうかがいました。

どうやら「クエ鍋」は昨年の「ニッポン全国鍋グランプリ」で見事「グランプリ 金の鍋賞」を取ったのだそうです。

だからなおさら人気が高まり、民宿もかなりのお客様があったのでした。


海のすぐ横にあるこのお宿、偶然にも「クエ」漁師さんであり、鍋コンテストにも出られているクエの大親分のような方の民宿でした。








親分です。(失礼)でもその立派なクエとそれを釣り上げた雄姿には風格があります。

このご主人自らが、食事の席には「クエ語り」をしに現れてくださいました。

クエは群れないこと、この地の100人近い漁師のうちクエを釣っているのは10人位、20キロのクエなら20年生きている、生きたイカを餌に釣ること、70メートルくらい深いところにいる、等々詳しく教えてくださいます。

「テグスに伝わるトントントントンというのはイカが泳いでいるから、これがググッと引かれる、これはクエが噛みついたとき、この時あわてちゃいけない。じきにもっとグイッと引かれる、これは奴が飲みこんだから、そして、4、5、6、7数えたら思い切り引き上げる」

うかがいながら、海上でのクエとの戦いが想像できます。

「奴らは危ないとなったら岩の下に潜り込んでヒレを広げてそれで踏ん張って、あげられないようにするから力くらべだね。上げられないときもあるから、前の年に俺が掛けた針をつけたままのを上げたこともあるよ」

クエ様の登場です。

白い美しいお刺身。鍋用の厚切り。コリコリするのは胃袋です。

「奴ら何を食ってるかわからないから、胃袋はよ〜く洗うんです。それをバター炒めする。旨いでしょう!」




鍋用のクエにはアラの部分もあり、これをまず先に入れてから野菜、クエと加えていきます。

モミジおろしとネギを薬味にポン酢で。

あれ?そんなに脂っこくないんだ。歯ごたえのある上品な白身魚風。ところが食べているうちに気付きます。細かい脂の粒々がポン酢の上に浮いている。脂が上質なんですね、だから脂っこくない。

そして驚いたのは皮と肉の間のプルプル。コラーゲンの厚み、これは噛むほどに旨みが出てくる。

「クエばっかり食べないで、野菜も食べてね」とご主人は言い終えて席を立ちました。

忠告通り野菜に箸を伸ばすと、いつしか白菜もキノコもクエの旨味をすっかり吸い込んで、只者ではない野菜に変わっています。

クエはもちろん、このクエスープを抱きかかえたようなクエ鍋の野菜の美味しさに惚れました。


こんな鍋を食べながらですから、ヒレ酒が進むこと。

例の蓋をしておいて、マッチで火をつけるとボッと音までする、あれを楽しみます。

唐揚げが出て、クエの炊き込みご飯が出て、その他にもクエの何かが出てはいたのですが、酔ってしまいました。


昨夜、あれほど食べたのにおなかが空いている。クエの脂はそういう脂なんだ、と思いながらの朝・・・・、あれ?顔の肌が上質のクリームを塗ったようにしっとりしています。

既にクエ効果でしょうか?

朝ご飯のクエ雑炊がまた美味。もう一杯、もう一杯といただけます。


「クエの解体がありますよ」との声を聞き、宿の裏路地をのぞきました。

クエ様のお頭です。既にウロコは落とされ、白い肉をみせ、大きな頭は金具を打ち込まれて、まな板に固定されていました。

近づくと、食べられてしまいそうな迫力です。


クエを三枚におろすのですが、さばくというより、確かに解体といった方がいい荒仕事。包丁は使わず、ナタ一本でさばいていきます。

白身の分厚い肉が骨から離れると、クエの身体がまるで生きているかのようにブルンとくねりました。




ご主人が、クエ用の釣り針を見せてくれます。ペンダントにして首から下げてもいいような大きさ。

そしてもう一つ見せてくれたのはクエの“耳石(じせき)”。親指の爪ほどの貝殻のような白いものですが、クエの耳?あたりから出てくるそうで、これを研究するとクエの年齢がしっかりわかるのだとか。

人間ならめまいの原因などになる耳石、クエの暮らしではどんな役割を果たしているのでしょう。

クエの生態はまだまだ分からないことばかりで、大学や和歌山県で研究を進めているとか。解明できれば、もっとクエは獲りやすく、庶民にも食べやすくなるのかもしれません。


ご主人とご長男です。息子さんのクエさばきは素晴らしいものでした。

「長男が宿を継いで、次男が漁を継いでくれました」とご主人は満足そうに笑います。こういうおうちが何軒もあれば、今後のクエの町も安泰なのですが。

クエ貯金してでもまた伺いますから、頑張ってほしいなあ〜。

民宿からすぐの浜には、大きな海と空が広がっていました。今日もこの海原のどこかで、クエは群れずに1人堂々と泳いでいるのでしょう。

あんまり大衆魚になるよりも、養殖なんてされるよりも、幻のクエといわれるぐらい、ワイルドな存在でいてほしいと私的には思います。

次にこの海を見るのはいつになるのか?クエをまた食べることがあるのだろうか?いろいろなことを考えながら、私も悠然と泳ぎ出そうかと思うのでした。


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お仕事 味噌家族 2019/02/03 8:43 am

「仕込みが見れますよ」と女将さんに誘われ、味噌工場を訪ねました。湯気の上がる大豆を、ミンチにしているところ。時間をかけ天然醸造にこだわっているそうです。

応接では社長手作りの味噌汁が出ました。息子さんは自身の出たのど自慢の話、お嫁さはニコニコ笑ってます。赤ちゃんは茹で大豆でおやつ。

ここお味噌はあったかな家族の味なのでしょう。福島県古殿町で。
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うかがったのは「マルマン醸造」という味噌屋さん。こじんまりした工場の奥から湯気があがり、強い大豆の匂いがしています。

ちょこちょこと駆け寄ってきたチビチャンは、ここのお孫さん。いきなり湯気のあがる大豆をつまんでいます。

「ほっといたらどんぶり一杯食べますよ」と社長さん。自分の孫にも安心して与える国産大豆を使っての味噌作り、これだけでここのお味噌に安心感が持てます。



ここのお味噌は、10カ月寝かす天然醸造が自慢。いわゆる「速醸」、人工的に発酵を速めて急いで味噌にする、大手大規模工場のようなやり方はしていません。

大豆、麹、塩をよく混ぜたら、仕込んで寝かせて発酵を待つ。数カ月経ったら、頃合いを見計らって天地返しをする。

つまり、味噌の上下をひっくり返し、混ぜるのです。これによって味は平均的になり、かつさらに良い発酵が進む。



お味噌は完成品以外に、仕込みたても商品として買えます。自宅で10カ月待つ楽しみもあるわけですね。

東日本大震災の時、裏山が崩れましたが工場と味噌を仕込んだタンクは無事だった。上質の水の出る井戸も涸れなかった。

このため、被災したお客さん達に、味噌と一緒に水もずいぶん運んだそうです。



そんなお話をうかがっていたら、息子さんがやってきました。この町ではつい少し前にNHKののど自慢大会があったばかり、何処に行ってもその話が出ます。

ここの息子さんも出場、「歌は下手だからウケ狙いですよ〜」なんておどけた振り付けのご自身の出演ビデオを見せながら解説です。

女将さん、社長さん、そしてお嫁さんも、そのビデオを見ながら大笑い。ここの家族は、もう何度もこのビデオを見て笑っているのでしょう。


ソファに座るとお茶菓子がいろいろ出てきました。干し柿、干し芋、地元の銘菓、大根の醤油漬け、沢庵、味噌に使う麹で作った手作り甘酒・・・・。

「あれもこれもいただきもの!」と、女将さんは笑います。





味噌汁も出てきました。社長自らが毎朝作る具沢山の味噌汁です。「味噌汁は社長が係なの」これまた女将さんは笑います。

いろいろな野菜や油あげの味が味噌をまとって、美味しい味噌汁です。

「この今の味噌の味に落ち着くまで、近所のお年寄りやいろいろな人に聞いて、どんな味がいいのか教わって来たんです」と社長さん。

その結果、この地の風土にあった、皆が求める今の味に落ち着いたとか。



一段と目を引いたのは、これは女将さんがササっと作られた「味噌卵」。甘辛い卵焼き味のスクランブルエッグのようなもの。

お砂糖と味噌で味付けしているところが、ここならではです。これはお弁当や朝ごはんにぴったりの味。味噌のこんな使い方もあるんですね。

小さなまちの小さな味噌屋。小さいけれどこだわって、10カ月待つ作り方。

早く早くとせかさない、もっともっとと造らない。家族の手の届く範囲での、製造と商いと。

なんだかいい雰囲気でお茶をいただいて、いつまでもここに居たくなります。熟成を待つお味噌も、きっとこのご家族の笑い声を毎日聞きながら、居心地よく美味しさを育てていくのでしょう。

ふと見ると、お孫ちゃんはまた大豆を食べています。幸せいっぱいの赤ちゃんです、そして幸せいっぱいのお味噌だと思いました。

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お仕事 「むらフェス」開催 2019/01/27 3:19 pm

栃木県那須塩原町の金沢・宇都野地区で、1月26日住民文化祭「むらフェス」が行われました。

ここは栃木県が今年度から開始した、「ふるさと支援センター事業」のモデル地区に選定されています。

昨年の夏から毎月ワークショップを開催、住民組織「あつまっぺクラブ」が立ち上がり、このたびの開催となりました。

みんなの笑顔をみて、お手伝いして良かったと思いました。
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「むらフェス」の内容はこのチラシのようなものです。

ここに至るまで、5回のワークショップを重ね、こんなことを決めてきました。

<目標>
々睥霄圓楽しく元気に ⊆然と伝統文化を大切に 若者が定住できる地域にしよう!

<集まりの名称>「あつまっぺクラブ」

<やること>※すぐに
「文化祭(村フェス)」手作り品展示即売、写真展、カフェ、芋煮、汁物サミット、もちつき、そば打ち教室、伝統のお菓子作り、ぼうじぼ・俵作り教室

<ルール>
「地元にこだわって」「お金を算段して」「無理をせず役割分担して」「みんなで楽しく参加する」

<お試し>
「むらフェス」を1月26日(土)に、旧金小で開催。
内容:「おらが自慢の昨品展&フリーマーケット」「田舎カフェ」「もの作り体験」



やりたかったことのすべてはできませんが、とにかくお試しでやってみた「フェス」なのでした。

行政の絶大なる応援はいただきながらも、基本「住民主体でやる」をどこまで貫けるか?です。






若い世代も参加。ママさんたちはもっぱらバザーの品物集めに活躍。

朝、仕上げの紙花作りで会場を飾ります。







事業費はゼロ!

ならばみんなで労力を出そう、知恵を出そう、少し儲けて活動原資にしよう、と考えました。








廃校になった校舎での真冬の催し、朝は雪になりました。

暖房はありません。そこいらじゅうからストーブを集め、あちこちにとにかく置きました。







おもちゃやソックスが10円、盃と徳利セットが100円、ハンドバックが500円、なんて具合です。

短期間でよくぞこれだけの品物が集まりました。寄付品ですから売れれば活動費になるのです。






こちらは売らない作品展示のコーナー。

自分の作った物を「見てね」と飾るだけでも、なんだかワクワクします。







絵手紙や、80歳を過ぎてから陶芸を始めたお爺ちゃんの作品、切手のコレクション、小中学生の絵や書も。

文化祭ですから何でもこいです。







なぜか校庭に消防車。

救急用ではなく、子どもたちへの見学サービスです。









さあ、「むらフェス」スタート。

お客さん来るかしら・・・・。










と、思ったら、あっという間に人が集まり、バザーの品が減っていく。

私が買おうと思っていたあれもこれも、ああ、ない。







お金を払って木の椅子など作る人いるかしら?と思ったら、いるいる。大人も子どもも結構、夢中です。

教室に、木の香とトントントンというトンカチの音が溢れています。やっぱり木に親しむのはいいなあ。




お味噌のおにぎりもいい香り。そろそろ売り始めます。

大葉を一枚つけて。ホットプレートで焼いて。








お母さんたちの食堂の隣は、地元の高校生と子どもたちが開いたカフェ。

どれもが100円!少し安すぎたかも。







これは大豆の入ったケーキ。夏に高校と地元の方が一緒に蒔いて育てたものが使われています。

来年はもっと大豆をつくらなくちゃ。







いつもはワークショップをやっているスペースに、今日はお客様がいっぱい。

これをしたかったんですよね〜。








地元には写真や切り絵など、アートの達人が多いということも今回分かりました。

学校の長い廊下は、ギャラリーにぴったりです。







懐かしの写真には、見入る人が多かったです。おしゃべりがつきません。












あっという間に時が経ち、14時には終了。冷え込まないうちに、暗くなる前に片づけとなりました。

私は「お試しだから、目標は30点」と開会のあいさつで申し上げました。最初から100点ではつまらないからです。

ああすれば良かった、こうしたらもっと良かった、と気づくことが一番大事。

教室の電気の容量を超えて、一時電気が飛んでしまったり。
放送設備をうまく使えなかったり。
トイレのサンダルがひとつしかなかったり。
展示物を画鋲できつく押してしまったり。
トンカチの音が大きすぎたり。
作品展にゆっくり座っておしゃべりする椅子もほしかったり。
ケーキが売れすぎて足りなくなったり。
アンケートをつくればよかったり。
開始趣旨を貼りだせばよかったり。
ポップを統一すればよかんたり。
来てみてようやく「むらフェス」の意味が分かったり。

などなど、来月のワークショップには一杯気づきを集めましょうね。それが何よりの今回の「儲け」になるわけですから。

いろいろな年齢や立場の人が、いろいろなアイディアと労力を出し、一つの催しにしたこの「むらフェス」は、様々な素材を使った「のっぺ汁」のようです。

素材同士がお互いに美味しさを引き出して、一つの料理になりました。汁なら片栗粉でつけるトロミ、つなぎは、「むらフェス」では、地域を良くしたいというみんなの強い想いでしょう。



※これまでのブログです。ご覧ください。

「大豆を蒔く、元気を蒔く」
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=475&date=201807

「あつまっぺクラブ」
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=482&date=201809

「むらフェス」やろう。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=493

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お仕事 チェーンソーアート 2019/01/21 1:36 pm

チェーンソーなど怖くて私は扱えませんが、このアートには興味がありました。

先日、福島県古殿町に行ったとき、まさにそのすごい作品が並んでいました。林業の盛んなまち、毎年イベントもあれば、チェーンソーアートを趣味にする方々も集うそうです。

こういうことから木に興味を持ち、皆が林業の大切さを知り、日本の山を維持できることに繋がれば、と切に思いました。
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先回「凍み餅」のことを書いた同じ古殿町。シーズンになれば「凍み餅」が売られる道の駅「おふくろの駅」に、大きな猪がありました。










近づくほどにすごい迫力です。今まで見たことのあるチェーンソーアートとはレベルが違う!









役場の玄関には、犬が。













馬が。猿も鳥もという具合に干支の動物が並んでいました。うかがえば、毎年行われるイベントで来町される、世界的に有名なチェーンソーアート作家の作品とのことです。






古殿町は林業のまち。車で走ればあちこちに材木が積まれ、製材所音を響かせています。

だからチェーンソーは日常的な道具、材料も山ほどあるというわけです。






林業のお宅を訪ねました。ご自身がチェーンソーアートをされ、ここはチェーンソーアート愛好家のたまり場にもなっているそうです。









うかがって驚きました。ここはご自宅に隣接する「サロン」。

床も天井も壁も、木でいっぱい。ふんだんにいい木材が使われています。藤ツルでも巻いていたのでしょうか、この大木は伐られてようやくツルから解放されて、いま悠然と柱として立っているように思えました。




「山奥なので飲み屋もない、だからみんなが集まってワイワイやれるところをつくった」とは主の弁。

大きな一枚板のテーブルの奥には卓球台もあります。お風呂もあって、二階は何人もが泊まれます。





たくさん人が来るときは、このカウンターに料理を並べてバイキング方式。料理も好きな人が作る、持ち寄るという仕組み。

当初はチェーンソーアート愛好家のサロンだった場所ですが、奥さまいわく「だんだんいろいろな山での体験のできる場所にしたい」とのこと。



何も特別な体験をしなくとも、ここのおうちやサロンに使われている木について解説いただき、木の魅力に触れさせてもらい、使わせてもらうだけでも大満足だと思うのですが。

マキ割りや、自然薯堀りや、ネーチャーゲーム、漬物作り、プチ・チェーンソーアート体験などなど、企画していただけるなら、ぜひ!とワクワクしてしまいます。

水野武雄さん、水野瑞子さんご夫婦です。チェーンソーアートがきっかけでうかがったのですが、お話はどんどん広がって。

「山はいいよ、ストレスがない。冷え込む時の空気がしまった感じがいい。仕事はたくさんあるし、いつも人が足りない。若い人がいまこそどんどん林業に飛び込んできてほしい」と水野さん。

とはいえ、なかなか続かないのも現実。「身体はきついし、危険だし、覚えるのに時間がかかるからね。でも都会で精神的につらくなるよりずっといい、人間的な仕事。やればきちんとお金にもなる」

お話をうかがっていると、今からでも私ができないかなんて考えてしまいます。

今度はチェーンソーアートの現場を見せてもらいましょう。大木にもう一つの命が刻まれ、周囲に木の香りが満ちる創作の時間は、感動するはずです。

そして、木のもつ力、木とともに生きる人の力を再確認できるでしょう。

水野さんご夫妻の笑顔に触れると、木に囲まれる暮らしは人をこんなに健康にするのか、ということが分かります。



巨大なテーブルでいただいた、手づくり沢庵の美味しかったこと!

薪ストーブで温まりながら話し込むうちに、外は真っ暗。そこに奥様が飾ったイルミネーションが輝きます。

「母が見たがったから。それに山仕事を終えて真っ暗のなかを無事に帰ってきてほしいから」と19年前から飾り、電球を増やし、今では3万球が光っています。

何千人集客しよう、なんて皮算用している都会のイルミネーションとは、灯す志が違います。これも今度お手伝いしてみたい。

山の中のこの輝きを心に刻み、帰ってきました。

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ゆとりある記 凍み餅 2019/01/14 12:00 pm

その存在は知っていましたが、造るところを見せていただき、さらに地元で食べることができました。

福島県古殿町「ふるさと工房おざわふぁーむ」の小澤ご夫妻が郷土の味を消してなるかと頑張っています。

「ごぼっ葉」という山菜を混ぜて餅を搗くと、お餅が凍り、乾燥してもボロボロにならない、昔からの知恵です。

寒さと時間、手間が美味しさをつくる、究極のスローフードでした。
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「おざわふぁーむ」です。もとは酪農をされていたそうで、いまこの建物は農業体験工房のように使われています。

泊まったり、米づくりをしたり、郷土料理を習ったり。牛を育てていた場所が、人を育てる場になっています。




近づくと赤いネックレスのように下がっている干し柿がきれいで、おいしそうで・・・。










その横に下がっている白いものが「凍み餅」でした。

一見、凍み豆腐かと思うのですが、実は白い紙でお餅を包んであるのです。







小澤啓子さん。訪ねると、この夜私たちがいただく懇親会用の郷土料理を調理中でした。

「夜にうかがうんですが、昼の凍み餅を干している様子が見たくて寄りました」と私が声をかけると、「見て、見て〜」と「凍み餅」づくりの途中を見せてくださいました。






「凍み餅」に欠かせないのが「ごぼっ葉」。学名は「オヤマボクチ」という山菜の一種。

これを夏のうちに採って乾かして保存します。一見、フキの葉っぱの乾いたもののように見えます。

この葉っぱの裏側にはヨモギのように細かい産毛のようなものがあり、これがお餅のつなぎになるそうです。

「いい、これをこうして手で揉むでしょう。繊維だけはこうして残るの、粉々にならないの」と、小澤さんが実験してくれました。



カラカラに乾いた葉っぱなので、強く揉めば粉々になるはずです。それが蜘蛛の巣の塊のように、モハモハがしっかり残る。

これをお餅に混ぜて搗くのですから、お餅はしっかり繋がる。鉄筋入りのコンクリみたいなもんですね。




工房には「ごぼうっ葉」入りのお餅がたくさん搗かれ、型に流されていました。










これを切り分けて、一枚ずつ紙に包む。切るのも包むのも大変な作業でしょう。










包み終えたものを紐で繋げて、水に浸ける。たっぷり水をしみ込ませてから吊るすのだそうです。

外に吊るしたお餅は、寒さで凍り、それが昼には溶けて水が抜ける。その繰り返し。フリーズドライとはこのこと!昔の人が考えた保存食ですね。




小澤さんが見せてくださいました、昨年の「凍み餅」。よ〜く乾いています。

寒いだけでなく風がないとダメ、40日くらい吊るすとか。乾ききった「凍み餅」は実際何年も持つそうです。






一方これは「ごぼうっ葉」の入っていない普通のお餅。

上の方にヒビが入っています。つなぎがないとこうなるんですね。








さて、「凍み餅」は食べるときにも時間がかかる。乾いて眠っているお餅を目覚めさせる?には、5時間以上水に浸けないとダメ。

でも、水に浸ければ本当に普通の搗きたてのお餅と変わらないようになるのですから、驚きです。

水を得たお餅はぐっと膨らんで大きくなります。それを切り分けて油少々のフライパンで焼く。


焼けたお餅は砂糖醤油を絡めれば、出来上がり。

ほんのり「ごぼっ葉」の香りがする「凍み餅」。これは本当に美味しかったです。






普通のお餅とは違う、もっちりしっかりしていて、かたくはないけれど柔でもない。寒さに耐えて一度乾くと、餅が厳しい修行を耐え抜いて、強く存在感あるさらに美味い物に変わるのでしょうか。

ただのお餅じゃないのです。
私の目の前で、地元のお若い方は3つ召し上がりました。



小澤昌男さん。お酒を飲みながら昔の話をいろいろしてくださいました。

この地の人が味わい深いのは、寒風がつくった顔、人柄なのでしょうか。いつまででも一緒に居たくなる、懐深い温かさです。

「凍み餅」を東京で食べるのもいいですが、やはりこれは小澤さんご夫婦に米づくり、「ごぼうっ葉」採りも教わり、「凍み餅」づくりの仕事を何度も通って手伝って、最後に食す。そんな時間を過ごしたいものです。

古殿町に通うほどに、寒風に震えるたびに、きっと私も味わい深い人間になれるかと思いました。

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ちょっとしたこと 牡蛎焼き 2018/12/28 1:59 pm

あるお宅の、牡蛎焼きにうかがいました。都会の洒落たオイスターパーティーとは別世界です。

ジャガイモ農家、作業小屋で火を起こし、地元の牡蛎を食べ
続ける。コンテナがテーブル・椅子。

参加者はおじいちゃん、パパ、ママ、子ども3人、パパの職場の若い衆等々が加わり17人。

ワイルドですが人間関係があったかい、食物は地元産。日本中がこうなれば未来はある、と思いました。
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雲仙市です。築43年、リフォームを繰り返したジャガイモ農家。67坪の家。車が14台止められるスペースがあるなんて!そもそも東京と比べるとレベルが違います。だから子ども達は走り回り、大声をあげ、客人もキャッチボールなど始めてしまう。すべてがのびやかです。




台所と食堂。この日はおばあちゃんがすこし具合が悪く病院でしたが、いつもはここに7人の家族が大騒ぎでご飯を食べているのでしょう。私を招いてくれた主は、「昔の家みたいに大家族でワイワイ暮らしたい」とおっしゃる。なるほどその通りなのでしょう。





仏様のある座敷。ここからガラスを開けて中学生の長女ちゃんが「じっちゃんの携帯あったよ〜」と外のパパとじっちゃんに叫びます。じっちゃんが探していたのでしょうね。









お邪魔しますとリビングに入ると、ボーイッシュな次女ちゃんが話しかけてきます。「私ね、ミカン大好きで一度に10個食べるの。だから2個にしろって言われた〜。このミカン美味しいですよ、どうぞ」

こちらは「あ、私、初対面なのですが。あ、急に仲良しの仲間にしてもらえたようで・・・」という気分。お客様に対し、もじもじする雰囲気は皆無の少女に、こちらの気持ちが解放されました。



子どもたちが小さい頃のお祭りの時の写真でしょうか。










あれれ?台所ではママさんと長女ちゃんが私のお土産の動物パンにぱくついて、ポーズを取ってくれています。








私の住んでいるアパートの4〜5倍はありそうな納屋?倉庫?スペースに行きました。何に使うんだろう?想像できない農機具、機械がいくつも並んでいます。ロープだけでも何種類もある。これだけのものを使いこなして、じっちゃんは、そして休みの日のパパさんもジャガを作っているのですね。





末っ子の長男くんが何かやっています。さっきは納屋の窓辺の金魚の世話をしていました。今度は植木鉢を洗っているようです。

「その隣の、鉄でできたテーブルみたいのは何?」と私が聞くと「これ?これは〜ばっちゃんの」「ばっちゃんの何?」「う〜ん、これでばっちゃんが魚切ったりね」

要は名前はないようで、次女も長女も「それは?ばっちゃんの」と答えます。昔からばっちゃんが便利に外仕事に使ってきた物なのでしょう。

さあ、牡蛎焼きです。火を起こしましょう。パパから炭の世話を命じられた長男くんは、1人、団扇を両手に踊るように扇ぎ続けています。









台所では、パパの職場の若い衆が、ママの指示を受けながら、材料を刻んだり、ピザ生地を広げたり。このうちではこういうことが当たり前なんですね。子どもたちは「○○兄ちゃん」「○○さん」と親戚のように呼びます。





牡蛎焼きが始まりました。焼き役は長男くんです。17人が次々食べていくのですから忙しい。でも大張り切りです。








「パパ〜焼けたよ」「ばか〜汁こぼすな〜」素手でつまんだりして熱くないのかとこちらは心配するのですが、長男くんのナイフさばきは大したものです。








それにしても巨大な牡蛎です。同じ市内、すぐ近くのまちの海で獲れる、これをキロ単位で箱で買う。豪快です。おおきいのが焼けると「焼けたよ〜」と子どもたちがじっちゃんの座るコンテナに運びます。






雲仙にはこぶのできる「こぶ高菜」という伝統野菜があります。漬物で食べるのが主ですが、新鮮なものは生が美味しい。シャキシャキした歯ごたえがたまりません。牡蛎を包み、肉を包み、なんでもあいます。






ため息の出るようなお肉は、この日参加の農業青年の知り合い酪農家の牛。知人の牛肉を「すごいな〜、さすがだな〜」と眺めていました。









ばっちゃんが明日にでも家に帰れそうで、じっちゃんはホッとしていました。皆もです。だからじっちゃんはビールも飲んじゃってます。

高菜で包んだ肉をほおばる長女の後ろで、ママがピザをじっちゃんに切っています。

長男はひたすら焼いています。次女が「じっちゃん、肉だって」と注文を伝えます。パパはお仲間と話しながら、飲んでいます。





広い納屋のコンテナに座り、庭で火を起こし、地元の新鮮なものをひたすら食べる、大声で笑う。

何かテーマのある集まりでもなく、何かを話し合うでもなく、ただただ「美味しい」「旨い」を連発し、ただただみんなが微笑んでいる。

17人が小川のようにサラサラと動き、ご機嫌にしている時間。

「パパ〜〜〜」「ママ〜〜〜」「じっちゃ〜〜ん」と叫びながら、牡蛎焼きスタッフとして走り回る子どもたちにまみれながら、私は幸せでした。

世界中がこんなだったらいいなあ、と混ぜていただいたことに感謝しました。

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写真でみるゆとりある記

震災時の東京で・商品のないスーパーの棚
お雑煮談義・奈良県十津川村で
思い出もの
雲仙市・牡蛎焼き

連絡先

野口 智子 のぐち ともこ
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局
ゆとり研究所

TEL 090-7433−1741
E-Mail yutori@noguchi-tomoko.com

NPOスローライフ・ジャパン
〒160-0002 東京都新宿区四谷坂町9−4 リカビル301
TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
E-Mail slowlifej@nifty.com


略歴

<野口智子(のぐちともこ)>
ゆとり研究所所長・NPOスローライフ・ジャパン事務局長
千葉市生まれ。東京でコピーライター、プランナーを経験。1977年静岡県に移り企画・編集プロダクション設立。
1992年ゆとり研究所を開きコンサルタント業務を開始。
ライフスタイルの提案、「一店逸品運動」による商店街の活性化、時間消費型観光おこし、人材育成などの分野で活動。
2000年からスローライフ運動を開始、2003年スローライフ・ジャパンを設立、現在、事務局長・副理事長。
2006年から活動拠点と自宅を東京へ。現在はスローツーリズムの提案、商品開発、地域観光の育成、都市と田舎の交流、移住・定住プロジェクト、“食”をテーマにしたまちおこし、などに力を入れている。住民参加の独自の楽しいワークショップが得意。
現在、地域力創造アドバイザー(総務省)、地域再生マネージャー(ふるさと財団)、国土審議会半島振興部会委員。