黒岩かるた
私が仕事で通う、群馬県富岡市黒岩地区では、昨年、「黒岩かるた」が全戸配布配布されました。地元の自然、伝統行事、文化財、日常などが小学生の微笑ましい言葉と絵で表現されています。最初に試みてから40年、予算的にすぐできず、時間が経っては改訂を重ね、ようやく黒岩地域づくり協議会が完成させました。一方で小学校は閉校になるとのこと、「さよなら黒岩小」の催しでは、「黒岩かるた」大会があるようです。
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群馬県と言えば「上毛かるた」が知られています。
群馬県の出身者に、問えば、スラスラと読み札の句が出てきて、同郷者がいればそこでにわか県人会のようになり、かるたの話で盛り上がる。地域愛は半端でないことが分かります。
こうした地域かるたは、各地にあります。私が関わった地域でも、ワークショップでオリジナルのかるたを作たことがあります。個人へむけての贈り物として手描きかるたを私が手作りしたこともあります。作ってみてわかるのは、何を扱うか、どう表現するかで、地域やそのテーマについて深く知り、考えるきっかけになること。つまり、かるたを通して地域が身体に沁み込んでくるということです。
というわけで、この黒岩地区でも小学生がかるたを作ろうとしたのですが、一度にはできなかったようです。作業が大変というだけでなく、印刷費までもが大変なわけです。

そうこうしているうちに年月が経ち、ようやく昨年の秋に完成となったのでした。昭和の時代、最初に読み札を考えた小学生はもはや中年になっているでしょう。印刷間際にさらに改訂をし、最新の情報も入れたそうです。昨年12月にうかがったとき、「今日の一枚」が飾られていました。最近これまで公民館だったところが「地域づくりセンター」の名称になったのですが、それがきちんと札に反映されていました。

かるたの形にする前は、冊子にされていました。これだけでも大変だったかと思います。この黒岩地区は地域の歴史などを掘り起こす方もおいでで、昨年は『黒岩探訪』という冊子も出ています。かるたの内容がこの冊子からも深く知ることができます。

地域おこしの原点は、どんな歴史と時間をたどって今に至ったのかを知ることにある、とつくづく思いました。私がコーディネートをしていたここの円卓会議では、「昔の写真を持ち寄って披露しよう」というアイデアも出ました。すると早速中学時代の写真を持っていらした高齢者もありました。

そんな多様なアイデアを出す会議です。仮「ありがとう黒岩小学校」という、学校の統合に向けての催しをどのようにやるかという会議でした。昔の写真を集め披露しよう、はもちろんですが、各グループで“絶対やりたい”ということは「黒岩かるた」の大会です。みんなの学校はなくなっても、ようやくでき上がったかるたは残りますものね。

黒岩地区の、『黒小』の思い出をしっかり繋ぐために、大かるた会をやろうというのは、会議参加者の総意でした。なかには、若い参加者が大きな絵札を背負って、校庭を走り回って逃げる、人間かるたにしようという面白い発案もでました。どうなることやら楽しみです。

40年かけて「黒岩かるた」はようやく完成しましたが、これがゴールではありません。小学校に感謝する催しを皆で発案し実行することで、「黒岩愛」がぐっと深まることでしょう。学校はなくなっても、黒岩地区への愛の輪は永遠に、ということ。
『黒小』、喜びますね。






