農青年たち

お仕事で

長崎県雲仙市で農業青年たちに会いました。レタス、プチトマト、アスパラ、ジャガイモを作っている方々です。農家さんと言っても、20歳代中頃から40歳代前半、若いです。ピアスをしていたり、髪が緑だったり、バンド活動もしていたり、奥様がおしゃれだったり。今までの「農家」というイメージではありません。こういう青年に私たちの食べ物を託したい、と、つくづく思いました。

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レタス農家さんです。ね、カッコいいでしょう!レタス収穫体験やレタスしゃぶしゃぶを味わう体験など、観光農園をしたいと語ります。とはいえ、今年はヒヨドリの被害が激しく、ネットが風ではぐられたところなどは、こんな感じ。「中の方の美味いとこだけ食べてる!」と笑います。農薬の無いレタス、畑で丸かじりさせていただきました。甘いのです。シャキシャキした歯触りがたまりません。早く、体験農場にしてほしいなあ~。

プチトマト農家さんです。ハウスには日本ミツバチが一杯!蜂の力をかりて受粉中。去年の夏に植えた苗が、何メートルにも伸びてグルグル巻きになっています。そこから可愛いトマトが鈴なり。採って、即、口に入れるとのどの渇きが癒される、まさにトマトジュース。彼は猟師さんでもあり、獣害を無くすのに懸命です。この前お会いした時から数か月たって会うと、なんと彼は新婚ほやほやでした。「はい!入籍しました」と幸せそう。これからですね~。

続いいてアスパラ農家さん。あまり人がやらないものを作ろうと思って、アスパラに取り組んだそうです。巨大な温室にアスパラがにょきにょき、長さが測れる専用のハサミで切らせていただきました。まっすぐで太いアスパラはそうそうないことが良くわかります。いいものをお土産にいただいて申し訳ない。アスパラをどんな料理にします?と聞くと「育てた商品なので、食べません」とのこと。育てているとそんな気持ちになるのでしょうか・・・。

真ん中の黄色いTシャツの方がこの日ご案内くださった、ジャガイモ・米農家さんです。バンドマンでもあります。自らドラムをたたき、地元を盛り上げるコンサートなども開催しています。棚田には大晦日、仲間とペットボトルの灯りをズラーっと灯します。市内の若手農業青年の中でも重鎮てき存在。長い髪が緑色で、?と、一瞬思いますが、地域おこしに熱心、実に立派な青年です。「後輩のあの子たちが何をやりたいのか、引き出していきたい」と頼もしい。

ジャガイモ・ビーツなどの農家さん。古いおうちの外側をリニューアルしたばかり。その2階の窓に布団が干してある。「子どもがおねしょをやらかして」と笑う奥様は料理の名人。オンライン講座でジャガイモ料理も紹介いただきました。ご主人は農業仲間と手作りラジオ番組なども作っています。「新しい機械いれたから頑張らなくちゃ」と決意新たに。ルッコラの花を鑑賞するご夫婦の眼差しのやさしいこと。この家族に幸あれと、心から思います。

雲仙で出会った農青年たち、この人たちが伸びやかに、いい農産物を作り、家族を養い、生きがいをもち、地域も元気にしていくことを願います。それを支えるのは、消費者の私たち、都市住民だと思います。「安ければいい」なんて求め方はやめて、この人たちの農産物を納得価格で手に入れる、そういう食生活を心掛けたい、と思いました。また会いましょうね。