温泉活用

お仕事で,美味しい話題

こんな言葉からは、発電や立ち寄り湯建設など大きなことを考えますが、ささやかな活用のお話です。おなじみの十津川温泉は「飲める温泉」。調理にも使えます。今回、温泉を使った食パンや蒸し料理、温泉炊きのご飯などをいただきました。もっと、焼酎の温泉割りや、温泉染めがあってもいいとアイデアが湧いてきます。そして温泉活用を自慢する説明書きも作ろう!と思いました。

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おなじみの奈良県十津川村。今回訪ねたのは、十津川温泉にある「やまとや」さんという民宿でした。民宿以前にここは「ドライブイン長谷川」という広いお店をやっていて、知る人ぞ知る「釜めし」のお店です。ま、その評判の釜めしの美味しさのことは横に置いておいて、今回はパンの話です。

初めてここの女将さんと、村の勉強会「十津川暮らしのおすそ分けをみがく会」でお会いしたときに、このパンをお持ちくださいました。この会は正式には「特産品と人材開発&ブラッシュアップ事業」ふるさと財団というところの助成事業です。「十津川温泉は飲めますから、このパンにも使っているし、私、十津川温泉愛がある」との発言が印象に残りました。そして、その時お持ちくださった、「温泉入り生食パン」をお土産に私にくださったのです。

そのパンをトーストしないで、ワシワシとむしって食べてしまった記憶があります。「温泉の力かなあ? 既にこんないいものあるじゃない!」という印象でした。それで今回はこのパンを作るところを見たかったのですが、女将さん曰く、「お見せするほどのものじゃない」とのこと。それにお店や宿を営業しながらの作業ですから、本格的に多量に焼いているわけではない。しかも早朝作業。と聞けば、やはりこれは出来立てを食べる方に、私は集中しようと、思ったわけです。ね、おいしそうでしょう。

十津川村は全国で初めて「源泉かけ流し宣言」をした村。十津川温泉郷として、3つの源泉がありますが、「十津川温泉」は飲める温泉です。薄めずにかけ流している豊富なお湯は、大きな資源でしょう。とかく、「この村は山ばかりで、産物がない」という話になりがち、平地が少なくて田んぼや野菜畑向きではない土地ですが、この温泉こそ、ほかにない“特産物”なわけです。

ここの女将さんは「温泉愛」があるので、お夕飯の蒸し物に温泉を使ったり、温泉入りのパンを焼いたりしていますが、もっともっと温泉を使ってもいいわけです。

飲みものメニューに「焼酎の温泉割り」がないけれど、頼んで飲みましたら、美味しい。体にもいいのでしょう。温泉を冷やして、暑い時期は水割り用に使ってもいいと思います。こんな説明ポップが、お風呂の脱衣所に貼りだしてあったら、湯上りにグイっと飲みたくなりますよね。お酒をたくさん飲む罪悪感が温泉で薄まる?かも。

ここでは、温泉入りの蒸しパンやパウンドケーキも作っています。小さな紙に小さく「十津川温泉入り」と書いてありますが、実はもっと自慢していいはず。地元の方は、湧き出す温泉は当たり前で、普通のコト。ついつい大声で自慢することを忘れます。もったいない。「温泉釜めし」も作ってほしいです。

このプリンも美味しいのです。さあ、もっと温泉使用をうたって自慢しましょう!パッケージだけでなく、品物と一緒に説明の紙が入っていれば、お土産話になるし、情報発信になる。温泉自慢もしましょう。立派なお金のかかるパンフレットでなくても、自らの力でできる範囲で作ればいい、と思いました。

こういうことが、特産品と人材を「磨く」作業なんだと思います。

朝湯の後、温泉入り生食パン焼き立てに、手作りジャムをつけてふんわりパクリ。こんな朝食がいただける、民宿、村。素敵ですね。