シウマイ弁当

ちょっとしたこと

地域の顔になるものを、皆とワイワイ研究し、育てるのも私の仕事です。そんな私が、仕事とは関係なく、これは立派だ!と敬い、個人的にも愛用するものが幾つかあります。このお弁当もそれ。実によくできています。味の構成や、パッケージ、こだわり。さすが定番、横綱の強さを感じます。お弁当ひとつににも、逸品づくりのヒントがたくさん詰まっているものです。

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いつも東京駅で18時から19時くらいは、このお弁当の争奪戦になります。今回も、目の前で1つ買われ、残りは1つ。仕方がないので夏仕様の小ぶりのものでもう1つは我慢しました。で、ふと、ほかの売店を見ると、2つある。よし!と、やはりオーソドックスなシウマイ弁当をもう1つ買って、夏バージョンは夫の翌日の昼食としたのでした。

ちなみに「シュウマイ」ではなく「シウマイ」。「ュ」はない、のがここの流儀。ここにもこだわりがあるのでしょう。

なかはいつもいつも同じ、これがいいのです。変に奇をてらったことがない。最初からの献立レシピに自信があるのでしょう。シウマイはもちろん、から揚げ、魚、昆布の佃煮、しょうが、筍煮物と、甘い、しょっぱい、油物、さっぱりと構成ができている。そして最後の干し杏までが澱みない流れとしてできています。

昔は瓢箪型の焼き物の醤油入れでしたが、今はプラの醤油入れ。これをシウマイに突き刺して、お醤油を少しずつ入れるのが私流の食べ方です。

そして、最初と最後に香、木製の経木の香りが何とも言えません。今時、本物の木を使っていることに敬服します。箸・お手拭き・爪楊枝のセットも、使わなければこのままとっておいて、ほかの時につけるようにまとまっています。

このお弁当の中で、きっと「○○だから私は好き」という要素が人それぞれにあるのでしょう。

シウマイはもちろんですが、夫は筍、私は杏子なのです。そういう選択肢が多いのもさすがです。もしかしたら、お弁当を売るときに、いちいち袋代金を請求しないところが気に入っているという方もあるのでは。

あなたは、このお弁当のどの部分に花丸をつけますか?こんど、そんなワークショップをやりたくなりました。