神田明神
「甘酒を飲みに神田明神にいきたい」と言い出してから、半年を経て初めてのお参りが実現できました。銭形平次の時代は、さぞかし大きな境内だったのでしょうが、今は周りのビルが目立ちます。
それでも、甘酒、屋上庭園、ポニー、数本の桜、日当たりのいいベンチ、などいくつかの癒しのしつらえが。小さな水溜りに集まる渇いた群れのように、都会人たちが訪れていました。
御茶ノ水駅から歩いてすぐ、神田明神です。我が家から1時間もかからないのに、夫と二人で時間がとれてようやくやってきたのでした。
周りはオフィス街、ビルが立ち並びます。そんな中に、赤い神田明神のお社と、入り口には飲みたかった甘酒のお店。
「かうじ」と書かれた看板が下がった「天野屋」は、弘化3年(1846年)の創業、地下の麹室(こうじむろ)でつくられた米麹、その甘酒はよくテレビや雑誌で紹介されています。
今の麹室は明治37年(1904年)のものとかで、千代田区の指定有形文化財になっていると説明看板にありました。
さて飲むぞ、と思っていると、夫が「おい、桜咲いてるぞ」と。私が桜を見たがっていたので、走って知らせにきたのでした。それなら、紙コップでいただいて、桜の下で甘酒としましょう。
久しぶりのお休み、そして思いがけずに咲いていた桜の花に、甘酒で乾杯。おだやかないい甘さ~。
駐車場の上が屋上庭園になっていて、雪柳が満開。昼休みのサラリーマンが、ブラリブラリと歩いています。数本の桜の花におじさんもおばさんもお姉さんも、みんな携帯を構えてシャッターボタンを押しています。
夫はと見ると、立派なカメラを持っているくせに花には興味なし。何を見ているのかと思ったらポニーでした。
説明によると、“神馬”なそうで、今は栗毛でもだんだん白く変るのだそうです。名前は「あかりちゃん」神田明神の「明」からの名。
どう見ても神馬なんて格好良くは見えない、どちらかというとショボイ、子供のポニー。時々立ちあがるものの、日なたでゴロリンとほぼ寝てばかり。その様子を、おとなたちがそれぞれに眺めているわけです。
たった1頭のポニーでも、都会人には動物セラピー効果があるのでしょう。30分くらい動かずに、ずっと見ている若い女性も。
お休みどころでは、お弁当を持ってきたお年寄りや学生さんも。慣れている雰囲気で昼食です。明神ランチといったかんじ。
ちょっと都会的な二人がお弁当を食べていました。「素敵なカップルだな~、こういう二人が明神ランチってのがいいね」などと夫とつぶやきます。
こっちは、銭形平次親分の顔抜きパネルに夢中。素敵なムードとは程遠い!
天野屋で麹を買いました。100年以上も使われている室で作られた麹です。塩麹をつくることにしました。
1週間で今、こんな感じ。出来上がったら、「あかりちゃん」の話などしながら、夫と塩麹漬けで一杯、ほんとのお酒を飲みましょう。
“