デンちゃん

ちょっとしたこと

『虫愛ずる姫君』ではありませんが、訳あってカタツムリを飼い始めました。名前は「デンちゃん」、霧吹きと飼育箱ごといただき、そのまま事務所に置いています。人間は勝手なもので、覗いたときに動いていないとつまらない。では動かないかというと、結構ヌリヌリと知らないうちに移動しています。
緩急自在のカタツムリ、だからスローフード協会のマークなのでしょう。

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田舎で梅雨の時期に偶然出くわすことはありますが、都会暮らしでカタツムリに会うこと、最近あったでしょうか?譲ってくださった方は、「ブロッコリーを買ったらそこについていた」のだそうです。確かに、無農薬の野菜でも買えば、そこに居ることはあるかもしれませんが、なかなか出会うことはありません。私が興味を持ったので、晴れて養子縁組となり、私のところに来て早速「デンちゃん」と名前がついたのでした。

「カタツムリの飼い方」をネットで調べますと、あまり詳しくは出ていない。そもそもそんなに難しい生き物ではないようです。ただ、野菜と一緒に「家」を作るための栄養のために、卵の殻や貝殻を入れるのだそうです。いつもより上等の卵が手に入ったので、その殻とキャベツやレタス大根などを入れました。一匹のカタツムリには有り余る餌でしょう、デンちゃんは餌に埋もれています。

さて、飼い始めると気になったしょうがない。今何してるのか?何を食べたのか?おや?糞も結構するんだ。こちらは仕事に追われているのですが、ついついせわしなくデンちゃんを覗いてしまいます。ただ、これが愛想がない。まず鳴かない。これは都会のペットとしてはありがたい。呼んでもこちらに寄ってこない。そりゃそうです。それ以前に動かない。「あれ?生きてるの~?」心配になる。それでいてふと気づくと、すごいスピード?で移動しているときもある。「わあ、私が見ているときに走って?よ~」

乱暴な飼い主は、隠れ家として入れた割れた植木鉢を持ち上げて、そこにくっついているデンちゃんを無理無理はがし、新鮮な小松菜の上にのせたりします。「ほら、デンちゃん食べな、食べな」と話しかけ、割りばしでつついたりする。デンちゃんには、いい迷惑でしょう。写真もやたら撮ります。それでも文句は言わない、デンちゃんはエライ。でも角などをギュイーンと伸ばすのは「うるさいなあ~」という意思表示なのでしょうか。

なんと傲慢で、自分勝手な飼い主か。カタツムリに自分好みの生き方を強要するとは。そこで、深く反省をする私。デンちゃんは、私の欲を照らし出してくれたわけです。「動かなくたっていいじゃない、食べたいときに食べるからほっといてよ」超マイペースなデンちゃん、それを我慢できない私はファストライフに毒されています。

本当に「愛ずる」は・・・と考える日々、『堤中納言物語』にあるように、かたつむりの歌でも唄いましょうか。あれ?こうしてブログを書いていたら、小松菜モリモリ食べてる、うれし~~~~~~い!