残念な生き物?
中村桂子さんのお話をうかがってから「みんな同じ生き物」という視点を大切にしています。そういう時に「ざんねんないきもの展」を見ました。青い舌を出して威嚇するも効き目の無いトカゲ、ノドに肛門のあるデンキウナギ、歯が全部奥歯のウツボなど。何が基準に残念なの?と怒りたくなったのですが、最後には皆それぞれ愛せる存在と思える展示になっていて、ほっとしました。
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東京で行われて大人気だった催しの、福岡でのこじんまり版です。たまたま福岡に居て、見ることができました。
ただの○○トカゲと紹介されるより、「残念」と言われるとなんだか感情移入して「そういわれたらかわいそう・・・」「このトカゲだってそれなりに頑張っているのに」という見方をして、結局深く観察するようになります。「青い舌を出すんだって」とお母さん、「出して~」とお願いする坊や。この展示から離れません。
「ノドに肛門があると言われても、おいらには当たり前なんだよ。それじゃあんたたちは、なぜノドから離れたところに肛門があるの?」とデンキウナギににらまれました。
歯が全部、人間でいえば奥歯のような歯というウツボ。歯並びを美しくするために大金をかけて歯の矯正などしないわけです。
おなじみカメレオン。環境にあわせて保護色に変わるのですが、怒ったりすると色が変わってしまうのだそうです。確かに身を守るには残念かもしれませんが・・・・。なかなか美しいですよね。人間は化粧品を塗りたくって色を付け化けるしかない。
ボロカサゴというカサゴ。海藻にに紛れてわかりませんが、よく見ると魚です。ボロと残念がられてはかわいそう、フェミニンですよね。ピンクのドレス!脱皮するそうです。どうするんだろう??
私が一番気に入った、ヘコアユ。普段は頭を下に縦になって、スポイトのような口で石についた藻を食べているとか。それが何かあったときは横になって泳ぎ逃げるそうです。縦横自在!残念どころかすごいです。
小さな展示ではありましたが、どの動物も立派でした。ツノガエルを見ながら「なんで角があるのかね~」と話す親子は、今夜、家でどんなことを話すのでしょう。身近なカエルやコオロギ、スズメ、猫、犬、いろんな動物に「なぜ?」と考え、それはそれで尊いことと思ってくれればうれしいです。
人間の機能も、ほかの動物から見たらおかしなものでしょう。さらにその機能を平和や安全・安心に使っていないのなら、ヒトが、一番残念な生き物なのかもしれません。