靖国神社で

ちょっとしたこと

8月15日、写真を撮りに出かけてみました。雨の中、意外に多くの参拝者たちが整列しています。

目立つのは日の丸・旭日旗を掲げた戦闘服集団、黒スーツで強面の“その筋”風の方々、軍服姿の高齢者など。

一方、「零戦」前は記念写真ポイント、安倍総理の漫画絵ポスターを貼る店や「海軍カレー」を出す食堂は大混雑。靖国土産を山と買う人たちも。

この国は何処へ、と考えました。

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これまでも靖国神社に行ったことはありますが、8月15日は初めてでした。一度、どんな様子なのかのぞきたかったのです。

手水舎に群がるように人だかり。

一度に参拝すると危ない。ロープでいわゆる入場制限がされています。番がくるまでじっと待つ人たち、ロープが下がると、静かに行進して前に進みます。

目立つのはこういう人たち。よく街で、大きな音で軍艦マーチなどを流し、怒鳴っている人たち?のように見えます。そういう車が確かに、神社を取り巻くように止まっています。

「誠」「大和魂」「目覚めよ日本人」「天皇陛下万歳」そんな言葉を背中にプリントして、激しいメッセージの幟を掲げて。

ファッションなのか、思想なのか。家族そろって戦闘服で参加の人たちもいました。

これは相当古いポスターでしょう、でも大事に飾ってある。指さして笑いながら、売店に入る人もいる。

賑わってます。

氷屋さん。涼しいのであまり売れないかな?

戦闘服に金のブレスレットのお父さんが、子どもと氷をつついていました。

展示されている復元された「ゼロ戦」は、人気スポットです。「かっこいい~」と若者たち。子どもたちにはびっくりの本物なのです。

何組ものカップルや家族ずれが記念写真。ゼロ戦前の「はい、ピース!」。複雑な思いになってしまいます。

いろいろな人が、いろんな立場、考えで訪れる場所、靖国神社。今回一番気になったのは、このお爺さんでした。

参拝の列に並ぶわけでもなく、日の丸集団に注目するわけでもなく、淡々と境内を巡っています。

海軍の人が植えた桜の樹の説明書きを、丁寧に読んでいる。自分の時間を過ごしている。こういう人とゆっくり語り合えば、いろいろな話ができるでしょう。

靖国土産を大さわぎで並んで買っている群れもあれば、こういう人もいる。そして私のような人もいる。

冒頭に「この国は何処へ」と書きましたが、車輪になるのは私たち、翼になるのは私たち、そして何より操縦するのも私たちであることを忘れてはいけません。

神社を出ると、靖国通りには車が連なっています。日の丸を掲げたいわゆる街宣車や、機動隊の車です。

部活帰りのような中学生の集団が、歩道を歩いてきました。「なに今日?」「何かあるの?」「戦争の日だよ」「ああそうか、誰か有名人来ているのかな~」

そう会話して去っていきました。