花の力

ちょっとしたこと

コロナの影響で式典やイベントに使う予定の花が余り、安価に。先週の長谷川八重さんのコラムでは、「こういう時こそ飾ろう、植えよう」と提案がありました。

花業界から市民に無料配布する動きや、桜の盆栽を家で鑑賞する「うち花見」も報道されています。

私も、普段よりたくさんの花を生けました。色や香りで癒されながら、小さな花の存在を忘れがちな暮らしをを反省しています。
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行き場のなくなった花を業界が買い上げて無料で配る、これはマスク2枚よりありがたいですね。いただければ生ける、生ければなんとなく和む。


また、ある商店街では数軒の店が出資し、その安い花と包装紙を御自由にと置き、「お花代箱」にいただいた人の判断で花代をいれるというプロジェクトをしているそうです。

わあ嬉しい、どれにしよう、いくら払おう、というなかで、こういう仕組みを考えた方への「ありがとう」の気持ちも咲くはずです。


桜の盆栽の話題はテレビで見ました。それぞれに「京都 〇〇公園の〇〇桜」など、由緒のある桜からの実生なのか挿木なのか、30センチほどの高さに整えられた盆栽が見事に花をつけ、小さな子のいる家族が楽しそうに眺めていました。


桜並木の見物もいいですが、家で「また一輪咲いた」と小さなことを大きく喜ぶ「うち花見」も素敵ですね。花の後は、緑の葉が茂り、秋には紅葉もとのこと。都市部のマンションらしい花見です。盆栽から家族が一つになれるでしょう。


Facebook仲間の生け花の先生は、最寄の駅の通路に小さな花をたくさんあしらったそうです。殺風景な通路を歩くのと、見るとはなしにかわいい花たたちが視野にはいるのと、駅を行き来する人の心は違うはずです。


我が家もいろいろ生けました。売っているお花にはあまり興味がありません。

プランターに咲いているパンジー、ビオラ、シコクフウロソウ、ナッパからトウが立ち咲いた菜の花、元気に伸びたホトケノザなどなど。


プランターに咲いていれば、あまり気づかないかったパンジーの模様。夫は「これ髭のあるおじさんに見えるね。菜の花の黄色って鮮やかだね」などと気づきます。

思えば季節は移り、人間界がどんなにコロナに怯えようが、花たちは粛々と春を進めていたのでした。

人間だけが主人公と思いがちでしたね。いま、小さな花の色や形香りに支えられています。