コロナ疎開禁止

ちょっとしたこと

少し前、「都市部から脱出して、これを機会に田舎に住もう」と書きました。自分自身、仕事のある地方にしばらくいようかと計画も。

これは大きな誤りでした、私が感染源になりうると考えていなかったのです。「都会人は地方に来ないで」が、現実です。

地方には高齢者が多く病院は少ない、疎開が危険を運ぶことになる、だからステイ東京! 今を、多くを考える機会にしましょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
もともと私は地方へ行って仕事をしている、そろそろゴールデンウィークだ、ちょうどGW明けから始まる仕事がある、ならばそこに夫と早めから行ってレジャーも兼ねてゆっくりしてから仕事をしよう、いつから行こうか?と夫婦で話していました。

そこにこの新型コロナです、日に日に東京が危険になる、人口の多いところは危ない。疎開するように地方に行こう、と以前は思ったわけです。

地方で暮らそう、都市と地方と2地域居住しよう、と言い続けてきた私です。実際地方に家を借り、行ったり来たりの暮らしもしてきました。今も地方に家を持っていたら、早々に移動したかもしれません。

だからこのたび、疎開のように地方に移動して、それがきっかけに地方で暮らす人が増えればいい、都市から地方に人が流れればいい、とも思いました。それで冒頭の発言となったわけです。

しかし、これはとんでもない勘違いでした、というより間違いでした。都市から移動した方は地方へ行ってホッとするかもしれませんが、来られた方はたまりません。

都市からの人はウィルスと一緒に来るかもしれないのです。感染していても無症状だったら、また、移動中に感染したら、それは自分だけの問題じゃないのでした。

遅ればせながら移動をあきらめた私は、自分の愚かさにあきれながら、あらためて都市と田舎の抱える問題を考えています。

鳥取県智頭町に「疎開保険」の制度があります。年間の保険料を払うと、いざという時、智頭町で一定期間の食事と居場所を用意してくれるという仕組みです。

災害時などの家族での避難、田舎でお産したい人、猛暑から逃げたいとき、いろいろな形で使えるでしょう。こういう仕組みは、関係人口を増やす意味でも有効です。でも今回はダメでしょう、相手はウィルス、人がそれを運ぶわけですから。

都市住民は、これまで地方からチヤホヤされてきました。「ぜひ観光にいらしてください、心よりお待ちします」「田舎へ移住しませんか?いろいろ助成しますので」「空き家をセカンドハウスにいかがでしょう?」「自然の中の温泉付きマンションを、別荘を、」と、セールスされ歓迎されてきました。

なのでそのノリで、こんな時も、田舎では歓迎してくれると思い込むのです。

あるフリーランスの若い方がコロナの影響で仕事が無くなり、田舎に帰ろうとしたところ実家から断られたそうです。「なんとか東京で持ちこたえてほいし。こっちに戻ったら近所の手前もあるし、困る」と。そういう親も辛かったでしょう。

ある観光地では「東京ナンバーの車が多くて嫌だ。何考えているんだろう」と声が上がったり。お宿では「お客様は欲しいけど、都市部の人は結構です」と本音が。「自分の別荘に避難してきたとしても、2週間は一歩もに出ないで欲しい」という声も上がります。

東京側からは「そんなに急に嫌わないで、今までチヤホヤしてたのに」「こういう時の2地域居住、別荘なのでは」「日帰りドライブくらいいいじゃない、お金も落として帰るから」なのですが、、、。そうそう都合よくは運びません。

なんだかこれはコロナ騒ぎのはじめ頃、あれだけ「外国人客歓迎」と言ってきたのに、掌を返して「外国人の観光客に近寄りたくない」と言っていた日本、自分に重なります。

感染拡大を抑えるためにはとにかく人の移動を止める、そのためには里帰り出産も諦める、ましてコロナ疎開などひかえましょう。

この現実を前に考えましょう。地方と都会の立ち位置を、医療の違いを、高齢者の割合を、仕事の量・質を、収入を、ライフスタイルを、文化を、、、、。都会も田舎も、人はいま、ジッととどまりながら、根本的なことを深く考えるべきなのです。