ステイホームの副産物

ちょっとしたこと

家にずっといなくてはならないからには、この時間を無駄にしないという人が多いですね。

読書、室内ストレッチ、家族でお菓子作りなどはよく聞きます。

マニュキアを徹底的に塗る、ニンニク一杯の餃子を作って食べる、バードカービングに挑戦して雀が完成、俳句を始めた、里芋を植えた、山に山菜採りなども。

ご飯も味噌汁も作れないそこの男性!いまが、変化するチャンスです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ニュースに「家にいても何もやることがないから」と、自粛せずに開店しているパチンコ屋さんを探して、県境を越えて並んでいるおじさんの姿がありました。

いま、「何もやることがない」なんてありえません。家のことは自分ができないから、または自分でやることが見つけられないで、居場所がないだけです。

そんなおじさんは家にいても邪魔ですから、家族も冷たく当たります。ますます居場所がなくなって、パチンコに逃げるわけです。

これは、実は仕事が今まで通りなら、男性たちは「仕事が忙しいから」と逃げて済んでいたのでしょうが、仕事がお休み、または出てくるな、なのですから仕事を理由に家から逃げることもできません。

こういう男たちが創り上げてきた社会は、今、見事に壊れました。もちろん、「お父さんはいいのよ、お金だけ稼いでくれれば」と、こういうおじさんを認めてきた女たちも同罪です。家に居られない、家で役立たない、男。それを良しとしてきた女たち、今こそ変わりましょう。


おじさんに限らず、若い子育て世代でも、テレワークになって、学校が休みで、しわ寄せは女性に来ます。

「パートなんかやめちゃえ」と勝手に言うパパは、「ママは子供の面倒見ればいい、俺はテレワークなんだから」と偉そうに言います。そして、「今日のめし、ナニ?」ともう一人の子供になります。

まったく、どいつもこいつもと頭に来ます。

ま、こうしてぼやいてもしょうがないので、「偉い」人たちを紹介をしましょう。私の周りの方々の話や、SNS上の例です。みんなほんとにささやかなことで自分をもてなし、時間を磨き、困難を超えていこうとしています。

三重県鳥羽市答志島のある旅館のYさん(男性)、宿は自粛で閉めていますが、答志島の風景を写真や動画で発信しています。東京に居ながら、波や風の音、渡船のエンジン音など聞いて、いつか答志島へ行こうという気になります。

同じくお宿、那須塩原温泉のKさん(女性)。普段、お客様をお相手の時はマニュキアを控えていましたが、一度やってみたかった入念なネイルに挑戦。きれいな爪は心が晴れやかになりますね。

彼女は髪もバッサリ切って、これを機に、染めずにグレーヘアにしようと決めたそうです。実家のお母様からの電話にいつも「忙しいから手短にね」と言ってきたのが、長電話ができたとも。

青森県田子町はニンニクの産地です。ここのSさん(男性)は、バードカービングに挑戦。初心者ができる雀を完成し、まるで生きているような見事な作品が写真で送られてきました。「自宅でのコロナ対策に向いている」とのことです。

ニンニクといえば福島県飯館村の農家さん(女性)には、息子さんからすりおろしニンニクの大びん一キロ入りが届いたそうです。免疫力の上がるニンニクですが、人と会わないこの時期だから匂いを気にせずにたくさん使えるとのこと。

ニンニクたっぷりの餃子を作っているというご家族の話もありましたっけ。

今は山菜の時期。人に会わないで楽しむには山菜取りが一番。皆さん近くの山に入ってこんなに採ったと写真が。手間がかかる山菜の下処理も、自宅で時間をかけて丁寧にできますね。「いまだからできるひと手間」とどなたかがつぶやいていました。

この私でさえ、タケノコを2回も茹でて料理しました。蕗味噌を一年分作ったという北海道中標津町の方(男性)も。彼はさらにチーズ作りにもチャレンジしつつあります。

なかでもたくさんの方がやっていることはマスク作りでしょう。「久しぶりにミシンを出した」「手縫いでも十分いける」「久しぶりのソーイング」と素敵なマスクの写真が送られてきます。

かなりレベルは高く、ワイルドなもの、和柄、漫画キャラ、お姫様風などいろいろ。素材も、布はもちろん、手ぬぐい、ハンカチ、ペーパータオル、ペーパーナフキンなど。マスクの形にしなくても、こうすればというアイディアも。

マスク教室はあちこちで。優秀な型紙も拡散。この時期の皆のマスク活動をまとめるだけで本が一冊できるくらいですね。そして、それを売る道の駅や八百屋さんやコミュニティスペースなどもたくさん。作った人のお小遣い稼ぎと同時に、新しい繋がりも育ちました。

今さら、マスク2枚などいらないのです。


このほか、俳句を始めた人、散歩の距離を毎日15000歩に決めた人、散歩ついでに近所の写真を撮っている人、ひたすら草むしりする人、畑の畝づくりに精を出す人、サトイモを植える人、小鳥を飼い始めた人、楽器の稽古を始めた人、数えたらきりがないです。

コロナを嘆くだけでなく、この時間に自分を育てましょう。持て余している自分をおもてなしするのは、自分しかいないのです。

パソコンを駆使した趣味や仕事、おしゃべりなどできなくても、小さくて自分の手の届く、楽しいことを見つけましょう。

そしてそれが新しい自分を作り出すことに繋がり、生まれ変わった自分が家籠りの副産物として育っていく、それを目標にしましょう。

「コロナの時期に、ご飯とみそ汁が作れるようになった」というおじさんが何万人もでたら・・・、こうした些細な動きの集合が日本を大きく変えることになると信じます。