フェイスブックというもの

ちょっとしたこと

なにやらひとくさり文句をいいたそうですが、違います。始めてみましたところ実に楽しい。全国に友達ができて、一気に距離が縮まった感じです。

そんなに簡単に「いいね!」と言っていいものか。友達は「承認」するものなのか。「シェア」とは何ぞや。

さまざまな?は残り、疑問も湧いてきますが、東京だけで世の中回っていると思いがちの者にとって、地方をリアルに知るいい装置になります。

私は数年前まで、あるSNSサイトの雇われ編集長なるものをしておりました。全国各地の方に地域ライターになっていただき、地域の情報記事をあげていただきました。

「キツツキの巣作りです」「麦の刈り取りです」「ハタハタ来たぞ~」などという地方の話題に、各地のいろいろな人がコメントをつけて、話が膨らんでいく、言葉がピンポン玉のように飛び交っていくことが楽しかったものです。

その後、そんなことから遠ざかっているうちに、みんなが“つぶやく”ようになり、あれよあれよというまにフェイスブック(FB)というもので、外国では革命までおきてしまいました。

「顔本? 何それ」位にしか分からなかった私です。でも、アメリカの青年たちが最初、ガールフレンドを見つけるために出会いやすい装置として考えた仕掛けがここまできた、と、そのサクセスストーリーなど読むと、こんな私も妙に興味が湧きました。

もともとパソコンは苦手、周りに教えてもらえる若い方もないので、いまだに私はエクセルはできず、パワーポイントなども使う気がしません。

そもそも「更新」「検索」「ファイル」「フォルダ」「上書き保存」など、パソコン上で大手を振っている言葉表現がいやでした。

もっと嫌いだったのが携帯メール。いい大人がシャモジを持って行進しているがごとく、メールを見ながら歩く人々の姿がいやでした。

小さな画面をのぞきこんでチマチマ親指を動かしている、そんな男に何ができる、と今でも蹴飛ばしたくなります。

最近は、みんな人差し指でスイ~スイ~となでるしぐさになりました。これまた美しくはありません。人間のしぐさとして許せない。したがって、私はガンとして、メールはパソコンだけで通してきました。

携帯も「もうサービスがなくなります」と脅されて、あわてて機種をかえたものです。それも、友人いわく「こういうのガラケー、ガラパゴス携帯電話っていうの」だそうです。※ガラケーについて、ご存知でない方お調べください。

そんな私なのに、そんな私が、恐る恐る手を出してしまったわけです。フェイスブックに・・。

ど~れとFBをはじめてみると、昔の知り合いが「友達リクエスト」をくださって、また、新しい知り合いがお友達になってくださって、にぎやかな毎日になってきたのであります。

普段からたくさんの人たちに会うのが私の仕事ですが、会ったその後みんなどうしているのか、電話やメールまでして確かめる、までいかないまま月日が経つことが多いものでした。

まちづくりや観光おこしなら、何をしてどう考えたのか?それが具体的にどう進んでいるのか、全国各地となるとつかめません。

それが、FB上で、毎日のようにその土地での動きというか、雰囲気、空気みたいのがヒタヒタと伝ってくる。遠くの人たちと、いつも近しく肩を並べているような気持ちになれます。

今回、1ヶ月ぶりに訪れた鳥羽市でも、その、特に離島の青年たちがどんなところで飲んでいるのか、どんな魚を採っているのか、ミーティングは進んでいるのか、などがいつも伝わってきているので、久しぶりに思えずに、ふわっとすぐなじめました。

私のような仕事だと、東京港区の夕暮れ時に、離島の夕暮れを意識できるかどうかは大事なことです。仕事だからということでもなく、東京人は特にいつも地方を意識すべきでしょう。

台風が東京を通過したら、もう安心と思ってしまうのは、東京人のエゴ。その先の、各県のみんなの上げてくるFBの記事を見ると、「土嚢を積み終えました」「田んぼがひどいです」など、その土地の人が身体を張って台風と戦っている様子が伝わってきます。

東京で電車が遅れた、傘がさせない、程度で大変がっていることが恥ずかしくなります。

テレビのニュースなどでは拾えない、普通の人々の細かな日常の話はFBをみんなが正しく使う限り、今、これに勝るものはないでしょう。

昔、私がかかわっていたSNSに日々投稿される、真摯な地域のグッドニュースを、「神は細部に宿る」と、あの筑紫哲也さんがほめてくれたことがありました。

せっかく覚えたFBを、筑紫さんにほめてもらえるように、まちづくりや、人のつながりおこしのために使っていきたく思います。

やっと携帯からも投稿できるようになりました。とはいえ、まだまだFBを操縦?できずに失敗ばかりですが、皆さん、野口智子で検索しこのブログと同じ着物姿の私を探して、お友達になってくださいね。

そう、近々、スローライフ・ジャパンのフェイスブックページも作らねば。"