いただき正月

ちょっとしたこと

2地域居住をしてみると、違うお正月を体験できます。今回は和歌山県紀の川市の家で夫と年越しをしました。

すると、お餅を搗いたからと届く、滞在中のミカンが箱で届く、大根抜いたからと届く、年越しそばと和歌山ラーメンが届く、更にそばつゆが届く、果ては鹿肉・猪肉まで。

そういう付き合いのないそっけない東京のお正月とは違う、ありがたい、心をいただく年越しでした。
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東京を離れたのは去年の12月29日のこと。ギリギリまで様々をして、切符も手配できないままの飛び込み。ここまではざわついていました。


誰もいない家につき、さっそく大掃除。道を歩く人がわずか、という環境だけでも急にゆったり。向かいの山の稜線が綺麗。そこから陽がさし、座布団などを膨らましてくれます。


周囲をぶらつくと、暮れにふさわしい句の刻まれたお地蔵さんを発見。個人のお宅に個人が作った雰囲気。ほっこりします。


ここについたことを知らせると、餅つきに来ませんか?年越しをしませんか?などのお誘いが。移動と掃除、更についついご近所を散歩しすぎたため、もはや疲れて夫婦は家で年越しに決定。もっとのんびりしなくては・・・ガツガツ動く癖がついていますね。

そうこうしていると、いろいろなものが届き始めました。軽トラに乗って、長靴姿で、子連れで、いろんな人がいろんなものを「どうせ何も用意していないでしょ」と言いながら届けてくれます。


さすが果物のまち。お供えに乗って届いたのは、「うちの畑のダイダイ」です。


「さっき引いたの」という大根も。抜くことを引くということ覚えます。いつも東京で買う白菜は8分の1のサイズ。ここでは丸々が二つもド~~~~~~~ン!と。


こうしてたくさんの頂き物に囲まれて新年を迎え、すぐ近くの「粉河寺」へ初詣。今年もたくさんの人に会い、にこにことみんなでまちおこしができますように・・。


そして、あるお宅におよばれ。手作りの伊達巻がおいしくって、子どもたちと取り合い状態。チビさんの歌を聴き、ピアノ演奏もしていただき、なんとも幸せの時間を過ごさせていただきました。


この辺りはお正月に鯛は欠かせないそうです。関西はそうなようです。関東でもそうするお宅もあるかもですが、スーパーに鯛がずらっと並んでいることはありません。その鯛の美味しい塩焼きを、もう一軒のお宅でいただきました。どこのうちでもこの鯛を皆でつつくとしたら、なんだかお正月らしいおめでたい風景ですね。

東京暮らしで隣の人もよく分からない、という私の暮らし方がいけないのかもしれません。物や時間やくつろぎを分かち合ってくれる、こういう土地で過ごすと「これが人の暮らしだなあ」とつくづく思います。

ただ、これまたドーンと届いた鹿肉と猪肉にはびっくり。猪鍋を2日間食べて精をつけさせていただきましたが、鹿はまだ冷凍庫です。