住民との交流力

お仕事で

協働の時代、行政・住民ともに、うまく心を通わせる交流力が不可欠です。先日あるまちの行政職員に、地域住民との交流研修をしました。

「リラックスした雰囲気を作れない」「高齢者の長い話をどうしたらいいのか」悩みはいろいろ。

パソコンに向き合う時間が増えるほど、生身の人扱いの技は身につきません。大真面目に研修を受ける行政マンの姿が、心に残りました。
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2時間ほど、2回に分けてのワークショップでの研修です。
まずは、悩みを書き出してもらいました。まちづくり会議などでの住民との交流、住民同士での交流における悩み。

小さいながらも本質的な課題が、浮き彫りにされていきます。

「まだ自分の立ち位置がわからない」
「さじ加減がまだつかめない」
「名前が覚えられない」
「自分の考えを押し付けてしまう」

「決まった人しか出てこない」
「子育て世代の男性が出にくい」
「一人の意見がえんえんと続く」
「参加者のヤル気が感じられない」
「お願いばかりのスタンス」
「会話が続かない」
「先輩の意見にケチをつけにくい」
「依存体質 お任せ民主主義」などなど。

山と出た悩みを分類し、絞り込み、続いてその対策案を出しました。

「考えすぎない」
「とにかくいろんな人と話をしてみる。雑談だっていい」
「何をすべきか見つかるまでとにかく地域へ足を運んで住民と話をする」
「気負わない」
「私は○○が得意です!など自己アピールして、地域との距離を縮める努力をする」

「1人当たりの発言時間を決めて、必ず全員が発言するようにする」
「若手を役につける」
「市が主導でまとめるのでなく、市民と一緒にまとめる」
「職員が“良い黒子”になるためのスキルを身につける」
「職員より先に住民に話をしてもらう」

「女性が出席しやすい時間を工夫する」
「若い女性だけの会議を開く」
「お菓子を会場に置いて自由に食べられるようにする」
「会議室等のかっちりした場所でなくカフェなどの場所で開催」
「車座に座る」などなど。

大きな対策も必要ですが、ほんのちょっとしたことで、その会議の雰囲気がガラリと変わる。
住民同士、住民と職員の交流も深まる。そんなこともありそうです。

対策として出てきたことについて、私的には、“え?まだ、そんなこともしてなかったの?”という
驚きもありました。

このまちに限らず、日本全国まだまだ、交流力不足だと思います。

家庭でウンともスンともしゃべらないお父さんが、いきなり住民会議でうまく交流できるわけがない。
まして、場づくりなどを行政としてやるとなると、お手上げでしょう。

パソコンで立派な計画は作れても、目の前の住民と会話ができない行政マンだったとしたら、
その計画は白紙と同じこと、魂は入りません。

一方、住民は、会議で、ワシがワシがと一人で長々しゃべり、行政に要望するだけならそんな人は会議にいない方がいい、
それではまちは変わらない。若い人や女性の発言時間がなくなってしまいます。まずは私はこれをやる、実行の話から始まらないと・・・。

この研修、最後は、まちづくり会議の進め方「いい例、悪い例」を寸劇で演じてもらいました。
大笑いしながらも、職員の方々はとっても真剣でした。
おなじ真剣さをもって、住民もトレーニングしなくては!と思います。

※お顔の写る写真は、わからないものを選び小さく扱いました。"