ファーマーズ・マーケット

ゆとりある記

各地にありますが、私が行くのは近くの東京・青山。農産物を買うだけでなく、ここには皆がいろいろな「こと」を求めて来ます。

安心安全は当たり前、試食や農家との会話はもちろん、もっと求めているのは生活提案でしょう。

だから「え?知らなかった」「なるほど」と声が上がる店では高くても品物が売れています。

逆に、安くても“品物だけ”のところは魅力がない。厳しいですね。
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まあ、いつも混んでいます。

ただ品物を見るだけでなく、「ふ~~ん」とか「ねえねえ、ちょっと見て。クラッシックを聞いて育ったバラだって」なんて留まるので、滞在時間はやたら長くなります。

布のバケツでジャガイモ栽培は見たことあるけど、ほほう、盆栽もですか~。

千日紅のリース、色の選択がいいですね。夏の花を今までこうして持たせる方が大変でしょう。

胡麻ってこうして絞るんだ~。胡麻話に耳を傾けます。

トマトを食べないで、花の代わりにいいガラス皿に活けようかしら。

友達の披露宴の帰りに寄りたくなる“農産物市”なわけです。

ルバーブなどは当たり前のもの。

ジャムやお菓子以外の、ルバーブの使い方を教えてもらいたい。

摘み草屋さん。量り売りの缶がいい。田舎では嫌われるセイタカアワダチソウも入浴用に提案していました。

今時のファーマーはスタイリッシュです。

私的に、今回の一番!はこれ。夏みかんの皮からエッセンシャルオイルを採り、クリームや洗剤にしている農家さん。

その蒸留装置を動かして見せてくれている。皮の入った水がぐるぐる回り、そこから蒸発したオイルが冷やされて、装置の先っぽでぽたりぽたりと落ちる。

見ていて飽きないし、皮をここまで使ってくれる、その心意気がうれしくなります。夏みかんも喜んでいることでしょう。

手にも、唇にも、こういう「バーム」を使う、お掃除はこの精油入りの洗剤を使う、そんな暮らしに近寄りたい。そう思ってしまいます。

だから、小さなものですが合計1900円を支払います。そして私、今朝から周囲に見せて自慢しております。

これからこれを使うたびに、自然に寄り添う暮らしを確認することになるでしょう。

そういう時間もこの“もの”には含まれているのです。物が満ちてる今、特に都会では、買い物はすっかり“買いごと”になっているのですね。

特に農の世界には、それが求められている、と思います。