のっけて青森

ゆとりある記

来年1月25日・26日は、青森市でフォーラムをやります。「そんな寒い時期に寒いところで」と思われるかも知れませんが、寒いときだからこその楽しみがあるはずです。

この秋体験した「古川市場青森魚菜センター」の“のっけ丼”。どんぶりご飯に次々とお刺身を乗せていく仕組みは、寒くなってお魚がさらに美味しくなって、冬こそお勧めです。皆さん、一緒にのっけに行きましょう。

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新幹線が通り、ぐっと近くなった青森、駅前は整備されて近代的な街ですが、数本の道を入ると、急に昭和っぽくなります。

青森の生活文化に、もともと昭和的な温かさと素朴さ強さがあるのかも知れません。

ここに触れずして、東京と同じ顔の表通りだけ歩くのはもったいない。

青森市中心商店街女性部の方々が進めている、青森のまち歩きを“首謀者”としていまや全国的に有名な伊香佳子さんのご案内で体験しました。

詳しくはこちらを https://www.machigenki.jp/115/k-1654

歩いたのは10月のこと、熱血漢の伊香さんは半袖姿、寒そうなので写真は載せませんが、こういう方にサササっとご案内いただくと、知らない街が急に息づいてきます。

最初に行ったのが乾物屋さん。あらゆるものが乾いて売られているような専門店です。

ここで棒のようにゴロンとしていたのは青森で「カンカイ」(寒海)というタラの仲間。コマイ(氷下魚)ともいうそうですが、いずれもお江戸ではおなじみではありません。

さっとあぶってむしってマヨネーズとお醤油・七味につけて食べると、酒飲みにはたまらないのだそうです。では買うしかない!と頼むとお店の女性がいきなりカンカイをトントン叩き始めました。

商品を叩いてから売る?びっくりですが、それほど硬いのでこうして食べやすくしてくれるのでした。

次は、包装用品卸のお店。食品の市場があるとところなので、こうした店が身近にあります。東京ならカッパ橋という感じ。

ここでお正月のお料理に飾ったらいい、またはこういうかごにおつまみなど入れればいい、など、本当は買いたくてたまらないようなものに囲まれ、我慢しました。

裏通りには、駄菓子の卸の店、調味料を目方で売っている店などが並びます。「そういえば、昔ねえ」という言葉がついついでます。

路地に入ると、屋台のようなお店。即席のような設備で、ずうううううっと魚を焼き続けている感じ。

おばあちゃんの店では七輪が健在。ここでも「昔はよくねえ~」と昭和の話が出ます。

身体が温まるようにショウガが入ったお味噌をかけるのが、青森のおでん。

さて、クライマックスの「古川市場 青森魚菜センター」に着きました。ここで少し前から定着しているのが「のっけ丼」です。

1000円でチケットを買って、100円単位の市場の中のものをご飯のどんぶりに次々のっけて行くシステム。

いきなりご飯を手にすると冷めるのでまず、全体把握。ご飯は大小あります。

お刺身は最後にのっけて、最初はお惣菜あたりから、が熟練者。それにしても安いです。

卵焼き自慢のおばあちゃん、「イガメンチ」(刻んだイカと野菜の揚げたもの)の熱々もあります。津軽弁の言葉がなんともたまりません。

むきたてのプリプリのホタテも。

のっけて、のっけて。

できあがり!

グループでつつけば、お惣菜などは一口ずついただけますね。白いぴかぴかの施設でない、昭和ムードの市場だから、緊張せずにリラックス。なんだかほっとしました。

のっけ丼用のお刺身を、いろいろ買って、リュックにのっけて、新幹線にのっけて、東京麻布まで運んで帰りました。

数時間かけて運んでも新鮮、これで1000円以下。お皿にドンとのっけて、美味しさの上にさらに土産話がのっかりました。

この体験が、雪の世界の中でできる、青森の冬。お魚は何が美味しいでしょう?温泉もまちなかで入れる青森です。

特産のナマコで一杯か、タラのじゃっぱ汁か?ホタテの貝焼きもいいなあ・・・。皆さん、ご予定くださいね。青森を食べに、いえ、青森のフォーラムに。