フォーラム裏仕事②
先日の奈良・川上村のフォーラムでみんなの心をつかんだ一つに「交流会」がありました。
普通は、しかるべき場所で、出来合いのオードブルなど立食でつまみながら、だれも聞かない話が延々続く、交流とは名ばかりのパーティーが多いものです。
川上村は違いました、とことん手作り。村民と他所の人が本当に交流しよう!という意気込みで、みんなでこしらえた「むらの宴」でした。
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川上村で、そもそも村おこしで何をやりたいか、と話し合ったときに「食べものを残したい」「大宴会を」したい、ということでした。
林業が主で畑や田んぼのない川上村で、それでも四季折々の食べものがあり、行事と連動した料理がある。それを大事にしたいし、覚えたい伝えたい。「川上マダムの大先輩から教えてもらいたい」と若いママさんからも声が上がりました。
こんな味を大事にしよう、作ろうとアイディアを出してみると、茶粥、水源地の村らしく水を活かしたもの、鹿肉を活用して、など様々上がりました。
おかゆのことを『おかいさん』と呼びます。「小豆粥、芋粥、茶粥で『おかい三兄弟』だ」と、そんなメニューでもてなすのもいい。「鹿バーガーをもともと作りたかった」「水源地スイーツ、というのがあってもいいのでは」そういい味を今から大切に守り、育てないと村の魅力がなくなってしまう。
なぜ、大宴会なのか?村がたくさんの地区に分かれていて、一つに集うときがない。せっかくダムが出来たのなら、大滝ダムの堰堤を広場として使って、村が一つになる催しをしよう。そして、それにだんだんよその人も混ぜてあげよう。という話が膨らみました。
とにかく交流人口を増やさないと。せっかくのダム湖もスポーツなどに利用していかないと・・・。
そんな話し合いの中から、「村の宴プロジェクト」が育っていきました。11月23日に「スローライフ・フォーラム」があるのなら、その前日に、川上村の宴の試作として「宴会」をやってみよう。
そこで、宴のルールが煮詰まってきました。「地元と他所の人は半々で」「上下なく」「片付けはみんなで」「禁煙」
「地元の味で」「酔い過ぎない」「語り合おう」など。
さて、その場所はどこにするか?丹生川上神社上社、ここでやりましょう。と宮司さんも大賛成!何とかなりますよ、ここで。と計画は具体的なって行きました。
ダムの底にあたる、そこにあった神社が山の上に上がった。その社で、ダムが出来上がったこれからのことが語り合えれば・・・。暗い夜にみんながここまでどう上がるか?マイクロバスで?どうしよう?階段は?電気は?
で、実際のその日を迎えました。全70人、地元と外の人が半々。席次はくじ引き。
司会は会場提供された地元の望月宮司と、NPOスローライフ・ジャパンの長谷川八重さん。何だか数年来の友達のように意気投合です。
川上村のお母さんたちが煮物、漬物、様々を作り説明してくれました。
みんながスピーチ。まあ、なんて楽しいのでしょう。
知事さんもざっくばらんに。
あのアイディア、「おかい三兄弟」が実現です。どれも美味しい!県外の人には新鮮な味、みんなが作り方を聞いていました。
あのアイディア、「水源地スイーツ」も実現しました。地元の柚子を使っての寒天です。水がおいしいからこういうものが美味しくできます。みんな、とりあい。
佐賀、広島、福井など遠方から参加者が。富山県高岡市から参加の4人組は車で。
万葉集と大伴家持とで奈良とは深い関係にあることをスピーチ。昨年の開催地です。
とどめに出てきたのが「鹿マン」。当初、鹿バーガーを作って売り出したいと燃えていた、川上ヤングマダムたちが、鹿肉入りの中華饅頭にトライ。
これがとってもよくできていて、すぐにも売り出せそう。よくやったね、がんばったね、すごい、すごい。
混ざって座った人たちが、みんな親戚のように仲良くなって、川上村の伝統の味と、新しい味を堪能して。楽しかった~~~!
「やりたいなあ」は必ず「やれる」「できる」を実感した夜でした。みんなの記念写真は一生の宝です。
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