バラの力

スローライフ運動

京都府綾部市のフォーラムで、神野直彦先生は、「西洋ではバラ、日本ではショウブやアヤメに美しさを例える。今日はバラと、シャガと、両方の美しい花に囲まれて話す」と基調講演冒頭で語られました。確かにステージは、派手なバラと清らかなシャガの葉、つぼみに飾られていました。もちろん目立ったのはバラ。強く香り、開催中、ずっと和ませてくれました。

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まちの中心部にある「グンゼスクエア」の一角にある「綾部バラ園」は市民が世話をしているバラ園、ちょうど「バラ祭り」を開催中。誇らしげにバラが咲いていました。

このバラのアーチをくぐると幸せになるそうです。色と香りで心晴れやかになりますね。昨年の秋、ここにうかがったとき「アンネのバラ」を知りました。あのアンネ・フランクが育てていたわけではないのですが、彼女をイメージして作られたバラがアンネのお父様へ渡り、それがこのバラ園でも大事にされていたのです。商業用に苗を売らないという方針のバラです、想いを繋いで皆が接ぎ木などで増やしているのでしょう。その「アンネのバラ」もちょうど満開でした。

このバラ園からフォーラムのステージを飾るためにバラを分けていただきたいと図々しくも申し入れ、いただけることになったのですが、、、。なにしろ会場が広い。一番うしろから見たら、バラの一輪なんて、見えません。ある程度のボリュウムがないと存在感がない。

そこで、ほんの少し、というつもりが、もう少し、もう何本か、もう一色、と欲が出てきます。「バラ祭り」を開催中の、一番バラの花が必要な時に、切らせていただき、本当に申し訳なっかたわけです。でも、おかげさまで、花屋さんに頼んだステージ花とは全く違う花が生けられました。

華やかです、香ります、そして物語があります。だから、ただ飾りの花があるのとは違うわけです。バラを引き立てる、シャガもいただきましたが、これも綾部の水源の里のひとつに群生するものです。地域おこしに役立っている市民が育てたバラと、同じく、限界集落に人が足を運ぶようになるきっかけをつくったシャガ。志の高い花なのでした。

バラには独特の魅力があります。ここのところ眼を患った私を癒してくれたのは、横浜市の公園のバラでした。亡くなった姉が育てていた実家のバラの芽には、姉の変わり身なのか、生きる勢いを感じます。バラ水は昔から好きな化粧品。色も形も香りも、人を癒しながらも勢いをつける、バラには独特の力があるように思えます。かつて、温泉旅館で無農薬のバラの花びらを浮かしたお風呂を試み、大人気になったことがあります。これもほかの花ではできなかった人気でしょう。

もしかしたら、ステージ上で語られた方々も、この“バラ力”を知らないうちに浴びながら、発言や提案をされていたのかもしれません。

以前ご紹介したアンネの像とバラの写真、今一度ご紹介しますね。綾部駅の北口にあります。