NPO 20年

スローライフ運動

あっという間の20年でした。フォーラムが目立ちますが、他にも、講座をしたり、ワークショップをしたり、構想やプロジェクトをまとめたり。映画作りの協力や上映会も。そして毎週のメルマガ発行や月1回の「さんか・さろん」も。その合間を縫って自分の仕事も。思い出しただけでくたびれます。一財産はできませんでしたが、人が繋がった。人財産ができたのですから、良しとしましょう。

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※今回は文字が多く長いです。お時間あるときにご覧ください。まだ途中ですが・・。
NPOスローライフ・ジャパンの構造は、図のようになります。

「特定非営利活動法人スローライフ・ジャパン」の殻と白身の中に、タマゴの黄身のように「スローライフ学会」がある。一心同体なのですが、法人の正会員は、役員だけで年会費は一口10000円、スローライフ学会会員は法人から見たら決定権の無い賛助会員で、年会費は5000円。正会員も、賛助会員も、月一回の勉強会「さんか・さろん」の会費は一回1000円、年間参加だと3000円という会費になっています。このほかに、自治体会員もいてくださいました。

「はあ~~、そうだったんんだ、今分かった」という方もあるかと思います。大体、「私、スローライフの会員」というと、「スローライフ学会の会員」を意味していることが多いですものね。

ま、このスローライフ卵から、どんなことが産まれて来たのか。この20年、何をやってきたのか、この機会に確かめてみましょう。

そもそも、「スローライフ・ジャパン」が生まれたのは、これは何度もお話してきましたが。2001年 山口県宇部市で「きらら博」があったときの夜の宴会で。川島正英理事長と、故・瀧栄治郎理事が、「スローライフ」の記事の載った「ニューズウィーク」を持ちこんで、故・筑紫哲也さんに見せ、日本でもスローライフ運動を起こそう!とその場で決まりました。お酒も手伝い、もりあがったわけです。その場で私は事務局と決まりました。

その後、どこか自治体でスローライフをアピールする催しをやろう、ということになり、筑紫さん、川島さんと同じ早稲田大学出身の静岡県掛川市の当時の榛村純一市長に話を持ちこみました。掛川では、野口が生涯学習として地域づくりができる人づくりをする塾(「とはなにか学舎」という名)を何年かコーディネートしていて、市民の皆さんと繋がりがあった、という経緯もあります。この塾にいたのが、現理事の長谷川八重さんです。

当時スローライフ・ジャパンはまだ法人になっていない、集まりでした。とはいえ、川島さんが朝日新聞を退職後、(株)地域活性化研究所をされていて、長年「地方都市の未来像研究会」という勉強会を続けていていました。なので、そこに集まっていた方々が最初のスローライフ運動のコアメンバーになっていきます。

この方々も手伝ってと掛川市民の手作りで、2002年最初のスローライフイベントが行われました。数時間の講演会やシンポジウムではない、一カ月にわたる、小さな催しをみんなで繋いでいこうという考え方。「スローライフ月間」と呼び、その中にいくつかのフォーラムが含まれる形でした。この時に筑紫さんがサラサラと書いた文字が、今もいろいろに使われています。

スローライフ月間、スローライフ・フォーラム

掛川を出発に、新潟県安塚町、岐阜県多治見市といろいろなまちに「月間」は受け渡されて、「月間」だけでなく、ほかの催しやコンテストなど、内容はその土地の事情に合わせて多様になっていきます。「一カ月はしんどいから、1日だけのフォーラムに」という自治体もあり、だんだん「スローライフ・フォーラム」と呼ばれるようになり、それを芯に、いろいろなおまけの着く催しが、続いていきました。25自治体が関わってくださって、2023年5月の京都府綾部市が直近のものです。

いずれにしても、地域にあるもの、こと、そして人を、東京の物差しではなく地域の物差しで再評価していくことは変わりません。それを、市民と外からの人達が一緒に発見して考え、何かを提案をしていくというスタイルは一貫してきました。

ずらりと並んだ「スローライフ年表」を見ると、ご苦労様、と思います。どこかのフォーラムにご参加されている方多いかと思います。

NPO法人とスローライフ学会

2003年に正式に「特定非営利活動法人スローライフ・ジャパン」が設立し、早稲田の大隈講堂で設立記念の会を催しました。2005年 には愛知県瀬戸市「愛・地球博」で6か月間ブース参加。その後2006年に「スローライフ学会」が立ち上がります。NPO法人の会員というより、もっと気軽に入れる集まりをという理由だったような気がします。法人は、もっぱら委託事業などを受ける時の器になってきました。

スローライフ学会は当初、商店街活性化部会、スローツーリズム部会、読書部会、自治体部会など、いくつかのテーマでくくっての活動でしたが、どなたかのお話を伺って、そのあと自由討議をするサロン風勉強会にだんだん落ち着いていきます。それが今の「さんか・さろん」です。

勉強会「さんか・さろん」

2009年からスタートして、現在、2023年10月17日で133回となりました。クオリティソフト(株)の浦聖治社長のご厚意で、会場をお借りし続けてきましたが、コロナ禍でリモート開催に。リモートにより、各地の会員さんが参加できるようになった利点もあります。当初はお話を要約して、サロンニュースとしたりしていましたが、今は、ホームページとFacebookに要約をのせ、スピーチのみをYouTubeに載せるようになっています。講師謝金がないにもかかわらず、熱心にお話くださったスピーカーに感謝するばかりです。


これは、第一回のさろん宣伝記事と写真です。
~~~スローライフ学会は、学び、語る、知的なビアタイム「さんか・さろん」をつくりました。120人会員の”知的財産”を活用し、ビール・パーティでも開いては・・、といったみなさんの声をうけて。毎月第3火曜に、スローライフ讃歌、みんな参加の「さんか・さろん」です。基本的に学会会員中心ですが、会員の紹介があれば一般の方も参加できます。お誘いあわせお出かけください。~~~

メルマガ「スローライフ瓦版」

「さろん」に続いて2010年 4月始まったのが、毎週配信のメルマガ「スローライフ瓦版」です。スローライフとは?その多様な考え方を、様々に伝える機関紙的な役割を持ちながら、会員の皆様からの投稿や、各地の逸品をや催しをご紹介してきました。これまで名刺交換などした方々、約3500人にお送りし、2023年10月17日で693号になりました。「瓦版」には、「火曜日の鐘」と「緑と絆の木陰」というコラム欄があり、「瓦版ダイヤ」というのをもとに、9人の執筆者がコツコツと書き続けてくださっています。

逸村逸品

メルマガのスタートと同時に、地方のいいものを紹介する記事が始まりました。当時、野口が商店街活性化の仕事をしていて、地域の逸品づくりを一生懸命やっていた影響もあります。確かに、地方には良いものがあり、それが誕生するにはその背景に良い地域、良い人がいて、物をとおしてそれらを考え見渡すきっかけにと思ったのでした。

富山県高岡市の逸品を紹介するコーナーが続き、後に、だんだん各地の物を紹介するようになります。野口が書いていた逸品の紹介も、後に、スローライフ・ジャパンのスタッフとして関わってくれた丸山薫さんが引き継いで、くださいました。

逸品とは?という条件を作り、一村一品に引っ掛けて、「逸村逸品」という言葉で、今まで続いています。メルマガだけでなく、Facebookにもご紹介するため、ここのコーナーは人気です。この記事の延長で、全国の逸品を集めて、フォーラムとともに展示会をしたらどうかという動きも起きました。富山県高岡市、青森市、奈良県川上村で100点以上の逸品を展示しました。丸山さんの家は、物の集積配送基地となり、大変だった記憶があります。

さて、ここまでで相当長いので、続きは後ほど。次週にしましょう。(つづく)