土地の小話
京都府綾部での催しに、皆さんいろいろな感想をお持ちです。私は、ちょっとしたことが、琴線に触れ、強く記憶に残ります。ピアノ教室の看板、ランチに使われていた古い器、バラの鉢を並べた民家、風呂屋のマッサージ機、し尿くみ取券販売所、移動販売の車、料理旅館の床飾り、高架下の滑り台、自販機に凍り付いた雪、などなど。小さなことに土地の素顔を感じるものです。
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まあ、こうした小さなことに触れられるのが、何度もうかがった事務局ならではの楽しみ。私が個人的に歩くのが好き、ということもありますが。あら?皆さんに見せようとしたピアノ教室の写真がない。ピアノの格好をして鍵盤も描かれているレトロな看板なのに、写真を消しちゃったかな?代わりに、保育園?の外に立つシマウマさんの写真をご紹介です。ここではモッコウバラも綺麗でした。
バラと言えばこちら。見事な綾部バラ園も素敵ですが、個人のお宅の駐車場横に、バラの鉢が並んでいます。これは秋の写真。バラ好きな人がいる綾部であることが良くわかります。
懐かしい「汲み取り」、あの強烈な臭いは、いまも地方に行けば出会いますが。ここでは販売所と名乗っている。隣はメダカの飼育箱かな?こういうことごとに、土地の素顔を感じるわけです。
まだ、昨年くらいは、フォーラムが出来るか否か?みたいな時期。NPOスローライフ・ジャパンなんて名乗れども、わからない怪しい集団ですよね。無理もないです。街を一人歩きながら、そんなことを考えていました。窓から私を眺める猫ちゃんが励ましてくれます。
市役所近くに手作りサンドイッチの店はあるのですが、食べるところがない。道路の下にある公園風のところで立って食べる昼食。ここにベンチがあるといいなあ。と思う人、私だけではないはずでしょう。
でも、こういう心のこもったお料理を、昼に出してくださるお店もありました。朱塗りの古い器たちがいいでしょう。
皆がこの5月にお世話になった駅前のホテル。冬は雪深くなる綾部です。その雪深いところから1時間くらいかけてきてくださる方々と、フォーラム開催に向けての話し合いをしました。電車も止まって大変でした。そんな夜は、駅前でも雪が凍り付いている。このまちで、皆が毎日暮らしている、居酒屋さんだけがちょっと賑やか、あとはみんな夜は静かに、、、そんなことが良くわかります。春お世話になったコンビニで、冬は温まらせてもらいましたっけ。
なんとかフォーラムを開催できそう?という風になってくると。「夜なべ談義」の会場下見になってきます。立派な床飾りのある料理旅館、うれしくなりました。
女将さんがこの池の上にお風呂があった、という昔話をしてくださいました。夜なべ談義で皆さんが、そんなお話を聞きながらゆっくりできれば良かったのですが。そんな時間が取れずにごめんなさい。
ある移住者さんを訪ねたけれどお留守だったときに、ちょうど出会った移動販売の車。地方では当たり前の風景ですが、周りの立派な屋根に囲まれてで、妙に目立ちました。
販売のお姉さんはお得意さんを把握されています。「いつも買うお寿司は今日はいいの?」とか「出て見えないからあのお宅はいま留守だね」とか。流石です。「風邪を引かないように」なんてコメントの貼ってある車の棚にグッときます。私はここでヤクルトを買いました。
ひとつの催しが終わると、寂しくなります。特に、そこの土地の素顔を知ると、もっとなじみたく、応援もしたくなります。
そんな思いでフォーラム終了後入らせていただいた、小さな小さな古い銭湯。昔のマッサージ機がお疲れさまと言ってくれました。
湯上り、のれんをくぐって外に出ると、「幸地蔵さん」もおいででした。