フォーラム裏仕事①

スローライフ運動

奈良県・川上村でのフォーラムが終わりました。このブログは帰りの新幹線で書いています。

いつも思うのですが、シンポジウムなどのステージ上のことはそれまでに積み上げたことの、最後のてっぺんに掲げるもので、そこに至る裏仕事というか、表にでないことがいろいろ山ほどあるほど、表舞台はおもしろくなります。

そんな話を何回かに分けてお伝えしましょう。先ずは「逸品展」。

この「スローライフ・フォーラム」は、私どものNPOの年に一度のお祭りみたいなものです。

様々用意はありましたが、今回、最も力仕事だったのが「逸村逸品展」です。全国都道府県から集まった全100アイテムの“スローライフ逸品”を、梱包し、展示し、また梱包する。この作業が大変でした。

わが事務所を手伝ってくれている丸山さんの自宅は、逸品置き場になり、ダンボールだらけ。猫もダンボールス・トレスで食欲がなくなるほどでした。

その100アイテムの物とチラシなどを、いかに小さく梱包するか。数日がかり、何人ものボランティア作業。荷物は出来上がり、チャーター便に乗せたわけです。

その荷を乗せる時間に合わせて、仕事を抜けてきてくれてダンボールを運んでくださった方々に感謝です。

そして一路、川上村へ。初日の移動日は、村のお好み焼き屋さんで夕飯、イカ焼きなどで力をつけます。

フォーラム会場の「やまぶきホール」その3階ギャラリーが「逸村逸品展」の会場。テーブルと白布が先ずは搬入に。続いて、送り出したダンボールが到着。一気に人手が必要になりました。

ダンボールをあける、品物を出す、説明ポップを貼る。すべてみんなでやるのですから、時間がかかるかかる。

ああでもない、こうでもない。誰かが何かをより良くするために提案すれば、そのたびに「う~ん、どうかな」とみんなで考える。時間がかかりますが、でも、だから、それが楽しいわけです。

一度展示が終わってホッとすると、続いて当日配布資料づくりもこのスペースで。パワフルな役場や県庁の応援団の方々がやってきてくれます。

手作業を続ける間のおしゃべりがおもしろい。疲れているはずなのに、冗談や笑い話や。こういう時間で、なんだか心が繋がっていきます。

その時、最初のお客様が、会館で働く女性たちです。展示を見た数人が、また数人を呼んで来てくれる。「これ買えないんですか~~~」の連発。なかなか、帰りません。ありがとう、うれしいなあ。

そして、23日10時、正式オープン。お客様がていねいにてねいに見てくれます。

「ほほう」「へええ」といい続けるご夫婦。チラシを次々と持っていく女性。写真を取りまくる男性。


やはり各地で志のもと、作られている物々は、人の心をつかみます。存在感があります。

物が、逸品が、会場じゅうにメッセージを放っている、それをみんなが受け止めている、そんな感じでした。企画した側は涙が出ます。

とはいえ、24日の夕方にはクローズ。「このままあと1週間くらい飾っておきたい」というのが本音でした。

東京に住んでいると、実は、地方の物々に出会うチャンスがたやすくあります。各県のアンテナショップがある、物産展がひっきりなしにある。だから何を見ても逆に驚かなくなっています。

ところが地方では、視察にでも行かないと実物にはなかなかお目にかかれない。まして、奈良県南部で、となると・・・。

これだけの逸品が勢ぞろいすることは、今までなかったのではないでしょうか。

奈良県南部と同じように人口減少に悩む各地で、それでも地域資源を活かして何とか経済おこし、逸品づくりをしているところがたくさんあります。

だから、できるよ、頑張ろうよ!という私達なりのエールは伝わったでしょうか。

どんな高尚な理屈より、現実の物は強い、と私は思います。だからこそ今まで20年以上“逸品運動”を続けてきました。

今回の「逸村逸品展」を見てくださった、奈良県南部の皆様の反応は、私にまた新しい何かを始めるヒントにもなりました。

他地域の活動が、その地域を励ます。それを目の当たりにみて「逸村逸品運動」という動きおこしが、私のライフワークとしてますますはっきりしてきたように思います。

この「逸村逸品展」の担当を、自宅まで開放してやってのけた、丸山 薫さんに拍手です。