料理旅館文化

スローライフ運動

綾部フォーラムが近づいています。「スローライフ・フォーラム」の「夜なべ談義」では、これまで地元の味を持ち寄った懇親会が多く、お寺や廃校校舎なども利用で、手作り感満載でした。それが今回は、料理旅館でです。かつて生糸の取引が盛んだったこの地では、買い付けに来た商人を料理旅館でもてなす文化が根付きました。今も地元でそれが普通、ならばその体験を、という訳です。

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以前お願いしようとした料理旅館「現長」さんです。ここのホームぺーによると、

「京都府の中北部に位置する小さな町、綾部。 丹後山地の豊かな緑に囲まれ、一級水系由良川とともに交通の要所として歴史を育んできました。現長が綾部の地に開業したのは、1934年(昭和9年)のこと。 実は、現長が料理旅館を営むこの場所は、以前は「松雲閣(しょううんかく)」という名の館でした。史実にも在ります通り、近世の歌人で大正の三大美女と評される柳原白蓮(やなぎわらびゃくれん)が宮本龍介と駆け落ち騒動を起こした後、滞在していた館が松雲閣です。NHKの”朝ドラ”花子とアンで、仲間由紀恵さんが白蓮のモチーフとなった葉山蓮子を演じてらっしゃったのでご存じの方も多いかもしれません」とあります。

白連が撮った写真が残っている。この灯籠も残っているのでした。

ここで一度「夜なべ談義」開催と思ったのですが、女将さんがお留守になるため、結局今回綾部市役所近くの「亀甲家」さんになりました。

先の「現長」ホームページにはさらにこうあります。

「明治に入る頃、京都府北部の玄関口綾部は、養蚕(ようさん)・生糸業を中心に『繊維のまち』として発展しました。さらに和洋折衷の大衆文化が広まった大正から昭和にかけては、その繁栄ぶりがめざましく蚕都(さんと)と呼ばれたほどです。 遠方からの来訪者には宿泊がつきものだったため、食事だけでなく、宿泊まで存在として料理旅館が大変重宝されました。一般市民だけではありません。 政界や経済界をはじめ、地元企業の接待や大本参拝者の宿泊、さらには由良川を水運とする材木業者など、綾部の料理旅館は大衆のよりどころとなり地域に根付いてきました。」と・・・。なるほど、そういうう訳です。

綾部市の方々にうかがうと、当初から「夜なべ談義はぜひ料亭で。綾部市民にはそういう文化があります」ということでした。「居酒屋などに行くより、結局安上がりなんです」とも伺いました。それで今回はこの「亀甲家」さんです。

料亭ですが、一番お安いお弁当をお願いしました。飲み放題付きです。

さすがです!床の間には、亀の甲羅を表すしめ飾りがドーンと。ここで宴会なんてうれしいですね。

いろいろなものを持ち込みでOKと女将さんからご許可をいただきました。このように女将さんが実権を握っているのも、料理旅館さんの特色ですね。「今はお泊りは受け付けておりませんが、昔はお風呂の床から、池の鯉がみえたんですよ」と女将さん。この料理旅館での宴会、さあ、何を差し入れに持ち込みましょうか・・・。