雲仙のご馳走

スローライフ運動

10月31日と11月1日にスローライフ学会が手伝いしてフォーラムを開催する雲仙市。打ち合わせにうかがった1泊2日、あらゆるものを美味しくいただきました。こだわりのフレンチから、素朴な地元のスイーツまで。海と山の幸に恵まれて、それを使いこなす人がいる、だからこんな多様な味があるのでしょう。棚田米のおにぎりを食べに、この秋雲仙に!です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まずは「六兵衛」。その昔、飢饉のときに六兵衛という人がサツマイモで作るおそばを思いつき、皆に広めたそうです。今は名物に。サツマイモの甘味と香りがふぁっとするヘルシーな味わいでした。違う土地に来たなあ、と感じる一瞬です。

「一口香」(いっこうこう)というお菓子。生姜とスパイスのの味がきいています。中がみっしり餡子かとおもいきや、皮に薄っすらついているくらいで、中は空洞です。その食感がまたいいです。ソフトタイプとハードタイプがあり。「お前の頭は、一口香か!」という言い方があるそうです。ある意味、お菓子のピーマンですね。

雲仙市の迎賓館のようなホテル「雲仙観光ホテル」の地元野菜を活かしたフルコース。若いシェフが精力的にチャレンジしています。これは前菜。雲仙のスローフード、カタクチイワシの塩辛「エタリ」で作ったバーニャカウダで、地元の有機野菜でいただきます。こんな工夫のある料理が、次々と。ここに来る来ないで、雲仙の評価は大きく変わるでしょう。

続いて地元民の味、「小浜チャンポン」です。長崎のチャンポンと問う違うの?と思うのですが、要は魚介類が多く入っているのが小浜流らしい・・。確かに、エビやら貝やらイカがたっぷりで、その出汁がスープを絶品にしています。地元の人はもっぱら自宅で作って食べるとか。チャンポン用の麺、スープ、かまぼこなどもスーパーで売っています。

もっとジモティーっぽいのはこちらでは?「ミルクセーキ」です。ミルクセーキといえば、関東出身の私には、牛乳と卵と砂糖、これにバニラエッセンスを加えてよく混ぜた飲み物。そういえば昔、家や喫茶店で時々飲んだものでした。それが、雲仙に限らず、長崎県を中心にした九州北部では、“食べるもの”らしいのです。頼むと出てくるのは、こういう柔らかいアイスクリームシャーベットのような物。食べているうちに、溶けたら飲むというわけ。これが美味しかった~~~!もう一度食べたいものと問われたら、迷わずこれ。わたし好みです。

雲仙には地域野菜でコブのできる高菜「こぶ高菜」があり、その漬物がお土産として人気。この「こぶ高菜漬け」はイタリアのスローフード協会からスローフードとして認定され、さらにその中でもさらに貴重なものとしても認定されています。その高菜漬けを地元の女性たちが、ふかし饅頭にしています。ピリ辛で美味しい、これで一杯やったらいいなあ。

いわゆるさつま揚げが、子どものおやつのように売っています。魚のすり身に野菜を混ぜて、店の裏で揚げている。その熱々がひとつ50円!5個入りを二袋買いました。

これは食べられません。今、畑に植えているジャガイモです。種イモを機械の上に積んで、耕運機のようなものを動かすとイモが一つずつ土に収まって植えられていくという仕組み。雲仙一帯がジャガイモの花に包まれるのは数カ月先です。

お土産に担いできたレモンは一個10円。庭のレモンの樹になったものなので、形も悪いのでどうぞ、ということなのでしょう。雲仙のお振舞なのかもしれません。

良い気候、温泉の恵み、様々の恵みに人の知恵と手が加わって、それが忘れられない味になっています。いただくごとに、そのお店の人とかわす言葉も温かい。また食べに?足を向けたいと、心の底から思う土地です。"