美しき出雲の國

スローライフ運動

出雲に足を運ぶ度、沢山の写真を撮ってきました。むろん素人のスナップです。

写真を撮りたくなる土地は“いい土地”といわれます。そういう意味では、出雲方面は素晴らしい。

飯南町では「大しめ縄」、雲南市では「こけら葺きの屋根」、奥出雲町では「ソロバン玉」、出雲市では瀬戸物を繋いだ「一式飾り」。

普通の観光地ではなかなか出会わない、いずれも美しいものばかりです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昨年も「出雲のかたち」というような内容で、出雲ならではのデザイン・形について書きました。
    ↓
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=365&date=201605

こういうことに気付くのは私だけではないはずです。


飯南町の「大しめなわ創作館」。出雲大社はじめ、全国の大しめ縄を作っています。

この入口に吊るされた見事なしめ縄。この美しい形。力強く、まろやかで、あったかな印象。世界に、このようなデザインがあるでしょうか。


うかがったときには、ドバイの個人のお庭に飾る予定の大しめ縄ができていました。

宗教や風土は違っても、この美しさはわかるのでしょうね。


雲南市、高殿と呼ばれる、たたら製鉄の炉がある高屋根の建物。栗の木のこけら葺きが几帳面に並び美しい。たたらの高殿は日本でここだけです。


用の美でしょう。高殿の中の土製のたたら製鉄の炉。左右から空気が送られる管が。

そして、地下5メートルまで、湿気を防ぐ構造が造られているそうです。見えるところも、見えない地下も、左右対称です。


奥出雲町の鉄穴(かんな)残丘からの眺めです。

砂鉄を採るために山や丘を削り、そのあとには棚田を整備した先人たち。削る際に残した墓地やご神木のあるところは小さな丘になって残ります。

上ってみれば回り一面棚田。米作りの美しい光景が広がっていました。

奥出雲はソロバンの産地です。たたら製鉄での商売でソロバンが必要だったとか、製造技術は広島から伝わったとか、いろいろな話が残ります。

それにしても、木をくりぬいて造るソロバン玉のきれいなこと。

とにかく面白い。瀬戸物を針金で繋いで、これはヤマタノオロチを作っている、市役所に展示のもの。

以前このブログを書きました。今は出雲市の「平田の一式飾り」の話。なぜ一式というかはブログを読んでいただいて。
    ↓
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=368&date=201606


瀬戸物に穴を開けずに、元に戻せるというのがルール。再利用の美でしょうか。


出雲市は夕日の聖地といわれます。その夕日ポイントの一つ「稲佐の浜」に行くと、夕日を見に来た人が一杯。

その中で、気になったのがこのカップル。背中の夕日を入れて自撮りしているのですが、その向こうに、夕日で金色に輝く窓の家がある。童話にそんな話があったこと思い出します。

神様がここからやってくるという稲佐の浜の夕日、そう思うと特別な夕日に思えてきます。友達と戯れながら眺めた夕日の美しさを、彼女たちは忘れないでしょう。

大自然やテーマパークでもない、出雲の國のいろいろ。こういう美しさを愛でるには、ゆっくり何度も行かなくてはなりません。

その下見のつもりで、10月28日・29日の「スローライフ・フォーラムin出雲の國」へお越しください。