衣食住なき職場

スローライフ運動

これまでのシェアオフィスを出て、もっと安い、コワーキングスペースに移る予定です。「仕事に不要のものはとことん削り、お安くしました」と説明されます。他の人と同じ空間の、狭い仕切り間にパソコンと座る仕組み。安い分、声を出してはいけない所もある。膝掛け使用やお弁当温めや、花を生けるなんて、全て仕事に関係ないようです。これが今時の、シンプルな職場なんですね。

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続きは後ほど  ←と書いておいて、いつも火曜日には書くのを、忘れてしまいました。ま、それも野口のキャラとお許しください。

で、今までもNPOとしてはシェアフィスを借りていたのです。3畳一間、もないくらいの鶏小屋風のところでした。でも、それなりに個室風の仕切りはあり、天井は他の部屋と繋がり、声は筒抜けですが、囲いがあるので衣食住とともに仕事は出来ていました。

みえないから中でえいやっと着替えも可能だし、壁には当NPOのキャラである、象さんの版画も飾り、窓もある部屋を選んだので、観葉植物も育っていました。

引っ越しが近そうなので、いささか観葉植物は自宅に持ち帰りましたが、いつも生き物と一緒に居たい私としては、花くらいは活けたい。仰々しい生け花は嫌いなので、ベランダのポーチュラカを摘んできたり、サツマイモの芽を育てたり、そんなナマモノ付き合いをしながらパソコンにはりついて、仕事をしてきたのです。

目が疲れれば、窓からの景色や、緑や花が慰めてくれました。一時は、かたつむりを飼っていた時もあります。

いつもお弁当を持っていきますが、お味噌汁や、ふりかけや、ちょっとした味の調整は多々あります。電子レンジがあったので、オートミールを作ったり、zoom会議で遅くなる時は、あたたかいものを食べて落ち着いたり、自分の食事分野も世話をしてきました。

シェアオフェス以前、もう少しちゃんとした事務所の時には、大きなテーブルで関係者が持ち寄りで一杯やったり、魚の丸のままを買ってきて、お刺身を作ったり。いろんな食べ物が身近にある職場でした。

なので、大根が安ければ、買って、冷蔵庫に保管し、帰りに自宅に運ぶ。なんて当たり前。サンマもタマゴもです。

雑駁に言いますが、「女性の職場」ってそうなんじゃないでしょうか?いつも衣食住とともにある。子どもが近くに居れば顔も見たくなる。おっぱいをあげることもあるでしょう。どれもが、仕事に無駄ではなく、そういうこともひっくるめて、仕事をしていきたいわけです。

じゃあ、お金を出して広い立派な事務所を借りれば?ということになりますが、果たして、これも雑駁に言いますが、「仕事仕事の男性」たちはどんなに広い職場でも、絵や花を飾ったり、事務所で食べ物を作るなんてことをするでしょうか?効率が悪いと思うのではないでしょうか?私にとっては、「無駄を省きました」というオフィスの方が働きにくい、辛い環境になります。

今までのシェアオフィスでさえも、温度や換気は自由にできず辛かったのでした。窓を開けて風を感じたくても、はめ殺しの窓は開けられない。暖房はともかく、冷房地獄には参りました。お若い男性方はギンギンに冷やす。私のようなおばちゃんはひざ掛けをして、カーディガンを着て、凍えあがる。この戦いでした。既に月経・生理などない私ですが、生理痛の時など、女性陣はどんなに辛かろうと思っていました。毛布のようなものを腰にグルグル巻きにしている若い女性を見ると、「寒いですよね」と一緒に嘆いたわけです。

で、今度のお安い、超効率的なところでは、そんなひざ掛けなどを置く余地はない。パソコンだけが置ける小さなロッカーのみ有料で使える。台所風の流しと電熱器はあるけれども「お使いにはなれません。皆さんコンビニで何か買われて、食事されています。または外食ですね」とのこと。自分で詰めてきたお弁当を温めて、サラダぐらい直前に作って、職場で食を楽しむ方々は皆無のようです。

もちろん、電子レンジも冷蔵庫もない。仕事に不必要という訳です。私にとっては、複合機と同じように、パソコンと同じように、衣食住のものもの、ことごとが必要で、そういう中でいい仕事ができると思っているわけなのですが・・・。

などとぶつぶつ言うと、夫は、「いい事務所を借りられるくらいに儲けなさい。昼飯はランチジャーを使いなさいよ」などという。ムカッとしながらも、そういうことね、と納得して、契約に向かう私なのでした。