朝ごはんの町

ゆとりある記

青森県鶴田町「朝ごはん条例」のある町に行きました。条例により、朝ごはんを抜くと罰せられるわけではありません。朝ごはんを象徴的に掲げながら、健康長寿のまちづくりをすすめているのです。

ごはんと、地元の野菜類を使った昔ながらのおかず、塩分を控えた様々な漬物、自慢の果物、素朴なお菓子。こういうものを、口を運んで食べに行くツーリズムもこれからはありえますね。

鶴田町(つるたまち)には、昔、丹頂鶴が飛んできたのだそうです。「丹頂鶴自然公園」があり、鶴の形をした「鶴凧」があり、鶴が翼を広げたような形の「鶴の舞橋」は町一番の観光施設です。

冬は雪に覆われて、橋にも近寄れない状態ですが、それでも交流資源としては雪を越えてでも食べに行きたい地元の味がありました。それは「朝ごはん運動」により、守られ、普及されている鶴田の味です。

運動の6つの柱は、①ごはんを中心とした食生活の改善 ②早寝・早起き運動の推進 ③安全・安心な農産物の供給 ④町において生産された農産物の当該地域内における消費(地産地消) ⑤食育推進の強化 ⑥米文化の継承 です。朝ごはんをただ食べればいい、というわけではないことがよくわかります。

この運動は小学校での「自分で作る朝ごはん」調理実習や、地区での総合検診時に見本的な朝ごはんを提供することで広められています。

その中心的な役割を担う鶴田町の食生活改善推進協議会の方々、そして、ふるさとの味にこだわる生活改善グループ連絡協議会の方々、農家の女性、役場の方々などが集まって、鶴田の味で食事となりました。

沢山の具材が賽の目に切られて汁仕立てになっているのが郷土料理「けの汁」、もう一つの汁物「かす汁」には鮭と高菜漬けが入ります。

お赤飯にみえるのは「小豆まんま」小豆は甘い味。ワラビや毛豆の漬物などは、これで一杯やりたい感じ。

私が一番気に入ったのは、「こごり豆」という甘味の豆餅風スイーツでした。

肉などはまったく現れないヘルシーな食事を食べながら地元の話をうかがう夕べ。いいものを食べている女性たちは、いい笑顔で元気に語ります。

翌日の昼食は、食生活改善の方々の勉強会に混ぜていただいて。これは減塩のお料理の提案食だけあって見事な薄味ですが、それがいやでない上手な工夫に満ちています。素材の味を引き出せば、濃い味付けは入らないんだ!と発見しました。

この町で作られている「スチューベン」という甘い冬ぶどう、その農家を訪ねると。「あんまりせかせか働かずに、のんびりするのがいい」とご主人は笑っていました。確かに、いいものを食べても、ストレスが一杯では良い食事にはなりません。

しっかり朝ごはんを食べて、のんびりすることを教わりに、鶴田町へ行こう!そうすれば鶴のように長生きできるかも、です。

※鶴田町について詳しくお知りになりたい場合、このサイトが楽しくわかりやすいです。
「メデタイ・ツルタ」 http://www.medetai-tsuruta.jp/