桃引力

ゆとりある記


いま、和歌山県紀の川市桃山町という名前通りの桃の産地には、新鮮な桃を求めて人が押し寄せています。

ピーチロードと呼ばれる道には桃渋滞が起き、農家の直売所は、朝から桃行列が。

なぜ?と思うほどの人出はやはり、桃の力、味と安さの力なのでしょう。

リンゴやバナナは1年中ありますが桃は今だけ、追いかけるように食べないと時期を逃す。そんな旬を追うこと、あっていいと思います。
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桃山町、この辺りは「あら川の桃」と呼ばれるブランド桃の産地。全国有数の品質と生産量で知られています。道の両脇は桃畑、かわいらしく色づいて。

ピーチロードを行くと、こんな桃のオブジェ看板が出迎えてくれます。

桃農家さんはこの時期、朝4時頃から畑に出て収穫。そして販売。直接買いにくるお得意さんや、通販業者さんの仕入れなど、お客さんも様々。いつ寝るのかという忙しさです。

ここに来て初めて知りました。関東以北はピンク色の桃が主流、和歌山や岡山など西の桃は白いものが主流。もちろんここでもピンク色の種類を作っていますが、いよいよ「清水白桃」という白い桃の季節を迎えていました。

選果場では大きさと糖度が機械で測定されて、次々と箱詰めされていきます。

その桃をめがけて車が押し寄せます。和歌山、大阪、奈良、品川なんてナンバーも。

ここは開店前から人が行列だった店。飛び込みましょうか?暑いし混雑だし、桃の甘いにおいは漂うし・・・。なんとなく東南アジアの市場のような雰囲気もあります。

とにかく安い、新鮮!

だから知人に送る、贈る。宅配便の伝票をみんな何枚も。

関西、特に大阪のおばちゃんたちの買い方はすごいです。品定めに時間をかけて、ドーンとお買い上げ。かつ、値切る。超安い自宅用でも箱を求める。さらに、大きさ比べも。やっぱりここまでしなくちゃいけないなあ、と尊敬!

この方はすごかった、なんと茨城県のつくばから。トランクにも座席にも桃の箱だらけ、一カ所だけでなくいろいろな店で買っていて箱の種類も違います。「これみんな知り合いに配るんですよ。ドライブがてらきました」と満足そう。

庭先で桃ジェラード屋さんを始めた農家も。ここの家の洗濯物を眺めながら、のどかに食べます。採れたて新鮮桃入りでおいしいこと。

桃運動会というか、桃合戦というか、旬を求めて紀の川市桃山町へ。こういう心躍る時間はなかなかいいです。

なおかつ、押し寄せる人たちが買い物とともに、もうすこし紀の川市でゆっくりといい時間を過ごすようになってくれれば。その仕組みをこれから考えましょう、と思いながら「あら川の桃」を麻布まで運びました。

買って帰った、安くておいしいワンダフルな紀の川市の桃を食べ終わった頃、六本木で見つけた白桃です。

お澄まししてて、勢いがありません。しかもお値段が!?これはやっぱり、車飛ばして桃ドライブに行く価値はありですね。"