エビじゃこ

ゆとりある記

和歌山県海南市下津町大崎の夏の味です。トロール船のある大崎では、この時期海底から沢山の芝エビが泥とともに揚るそうです。これを船の上で選別、港に水揚げされると奪い合うようにして地元の人が買い占めます。

「エビじゃこ」と呼ぶこのエビを、みんな大好き。山ほどボイルして上手に殻を外してぐんぐん食べる。さらに玉ねぎと一緒に煮てソーメン汁にする。この味を体験してきました。

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大崎港です。この海を囲むようにして、海運業を営む人、漁師さん、農業の人、などなどが住んでいる小さな町です。

これが「エビじゃこ」。じゃこエビとも、エビジャコとも、芝エビともいわれるとのことですが、ここでは地元の呼び方、書き方でご紹介です。良く見ると、一種類のエビでなく、いくつかのものが同じような顔をして混ざっています。

発泡スチロールの薄い箱に2キロ入り、これを「1丁」と呼び、港に揚ったのを、地元の人は、2丁、3丁と買うわけです。夏はエビじゃこ食べなくては・・・なのです。

実はこの日「げんき大崎」というこの大崎地区のまちおこしNPOが開催した「げんき大崎食の体験クラブ」に参加したのでした。今回の体験は“大崎の海と山の恵みを満喫!夏のご馳走「エビじゃこ」と「ブルーベリー」を味わおう”というかなり魅力的な内容でした。これで2500円は安い!

エビでそうめん汁を作る?初めての経験。まずは一匹ずつ皮をむきます、結構大変ですがこれがおいしさに繋がる。このエビとかなり多量の玉ねぎを煮ます。

味付けは普通のそうめん汁と一緒。でも、玉ねぎの甘さが出るので、それを注意。この汁を冷やします。

冷やしている間にブルーベリー狩り。ブルーベリーと一口に言っても、種類によって味が違う。甘いもの、酸っぱさが程よくさわやかなのもの、ナシのような香りがするもの、やたら大きいもの。無農薬なので直接口へ入れられるのがうれしい。

アナグマやタヌキ、イノシシ、鳥など、農園は動物との戦いだそうです。

熟れたブルーベリーは枝についている軸が赤くなり、獲ってちょうだいと訴えている、それがわかるようになるまでが大変ですが、まあ、ビックリするほど食べました。

農園での参加者同士の語らい。こんな時間がなんともおいしい。この間に、あのそうめん汁は冷えていくわけです。

さあ、お昼です。エビじゃこのボイル、エビじゃこの天ぷら、そしてあのエビじゃこそうめん汁。おいしそう!!

ちゅるちゅるちゅる~~~~~、おいしいに決まっていますよね。

さて、大崎ではこの特産の「エビじゃこ」で“たこ焼き”のようなものを作ろうと試作中です。

粉を贅沢にも、エビじゃこのゆで汁で溶き、そこに剥いたエビじゃこの生を一尾ずつ入れ、キャベツ、バジル、チーズが入る。なんとイタリアンな焼きボール。アツアツをニンニクをきかしたオリーブオイルにつけていただくと、まあ、ビックリの美味しさ。ワインがほしくなります。

「エビじゃこイタリアンボール」このおいしさを求めて、若いカップルが大崎にエビじゃこの夏、訪れる日も近いでしょう。ご馳走様でした。