わたらせ渓谷鉄道

ゆとりある記

日光でフォーラムをやってまいりましたが、その報告はNPOの方でだんだんするとして、私は、サイドメニューを。

初日に乗った「わたらせ渓谷鉄道」が良かったのです。たった一両の電車でコトコトと進むうちに、気持はすっかりスローダウン、乗った大人15人はまるで1クラスの修学旅行の子供たちのようになってしまったのでした。970円の“わ鉄”時間、いいですよ。

浅草から特急りょうもう号で「相老駅」まで、ここから乗ったのが「わたらせ渓谷鉄道」、通称「わ鉄」です。群馬県と栃木県を繋ぎ、かつては足尾銅山の銅を運んでいた鉄道。これも産業遺産の一つなわけです。

乗ってから切符を買いました。日光市足尾の「通洞駅」まで、昔のバスの車掌さん風のガイドさんが紙の切符にハサミで穴を空け、渡してくれます。なんともなつかしい所作、こんな切符がまだあったとは・・。

いつも乗っている通勤の地下鉄などとはムードが違います、空いているし、ゆっくりだし、景色はみえるし。パンフレットを眺めながら、だんだんいつもの早いテンポが緩んできます。


ガイドさんが「わ鉄」グッズを売りに来れば、早速群がってわいわいお買い物。ポーチを買ったり、手ぬぐいを買ったり。これから「産業遺産と環境学習のまちづくり」というテーマのシンポジウムに足尾まで行く人たちとは思えない、はしゃぎ方。

なんでこんなにみんな和んでいるのかと思ったら、どうもガイドさんの語り口にあるようです。「ここ、沢入(そうり)の河原には、白い花崗岩がたくさんあります。これを売ってお金持ちになった方がいます。沢入(そうり)大臣な~んて」

こんなノリの語りが、ほのぼのと続いているわけです。子供に戻った大人たちは、ガイドさんの話にいちいち笑って反応しながら、お弁当をほおばってますます子供に戻っていきます。


赤い制服のガイドさんたちは実に優秀で、自分で書いたメモを読み上げながら、列車丸ごとを盛り上げる盛り上げる!同じ標高・時間を乗る箱根登山鉄道などとつい比べてしまいますが、「わ鉄」はなんとも素人っぽい、スレていない、あったかなもてなしがいい!

駅に温泉があったり、2月中は駅ごとにイルミネーションがついたり。冬の「わ鉄」は心もあったかになる乗り物、と思いました。
(今回、私は写真を撮らなかったので、お仲間の篠原伊佐武さんの写真をいただきました。)