カリカリ山椒魚

ゆとりある記

栃木県日光市栗山地区、宿に泊ると囲炉裏で炙った山椒魚が出ました。「強壮剤だよ」「キャ~食べちゃった」などとはしゃいでもいられません。

平家落人伝説のある米の作れない山奥で、タンパク源として、希少な換金物として、この地の人々は山椒魚の燻製を作ってきたのです。

昔の集落はダムに沈み、昔の漢方薬・山椒魚はいまや観光資源に。カリカリと乾いた味でした。

もちろん、天然記念物のオオサンショウウオではありません。ハコネサンショウウオというらしい、20センチほどのもの。トカゲといわれれば、そうかとも思ってしまう姿です。

梅雨時期に山椒魚は沢に卵を産むそうです、細長いカゴのようなものを流れに仕掛け獲るのだそうです。

生命力の強い山椒魚は塩水に漬けると弱る、それを串にさして燻製に。黒ゴムでできたフィギュアのようなものになります。これを煎じて飲むと、疳の虫にきくとか、疲労回復、精力増進とかいわれてきました。

今はお土産品。ドライブインのようなところには、瓶のなかで何匹か泳いでいる山椒魚焼酎も。クマ肉や鹿肉と、和風ジビエの一つのようにも並んで売られていました。

囲炉裏で日本酒を飲みながら、カリカリポリポリをしたのですが、「おいしい!もう一匹」とおかわりするものでもありません。ゲテモノ食いと感じながらも、心の底は妙にしみじみしてしまいます。

山の奥の奥の、昔はほとんど交流のない土地で、沢に入ってこの山椒魚を一生懸命獲って燻して、束にしてお金にして・・・、そういう暮らしに想いを馳せるわけです。日本の山間地の暮らしは、ついこの間まではみんなそんな感じだったのでは。

でも、確かに夜中、身体がポッポしたのは温泉だけのせいではないと思います。

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しばらく日光のことを書きますね。)