「水源の里」三つの会合
京都府綾部市は高齢化の進む集落を「水源の里」と呼んで、援助をしています。私もアドバイザーとして通っています。少人数の集落から、寄合に出てきてくださる数人は、貴重な存在。私だったら、地域づくりの会合に仕事を休んで出席するかしら、といつも頭が下がります。昨年末に3カ所の会合、それぞれに課題は重く、参加者の笑顔が頼り。こんな現場の様子を選挙で騒ぐ霞が関の方々にこそ、知ってほしいものです。
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「市野瀬」という集落です。自然薯を作っているところです。集まったのは5人。そのうちのお二人は、私が泊った農家民宿のご夫妻。さっきまで私の食事の用意や、子どもの世話をしていても、会合に駆けつけてくれました。

お顔はカットしてありますが、この人数でこれからどうしようと話し合うわけです。自然薯の話になりがちですが、そもそもこの集落をどうしていくのか?維持していくのか、それにはどうするのか?などという根本的な話はこれまでしてきていなかったとのこと。つい自然薯作業に追われていたのでしょう。雄弁な方は語り続けますが、無口でも、会合のために自然薯の天ぷらを作ってきてくださった方がありました。これは彼なりの表現です。こういう自然薯料理を食べる催しができないか?などとすぐ私は考えてしまうのですが、現実は厳しいものでした。

続いて「水梨」という集落。公民館にはかわいい手作りのツリーがありました。「作りたいなあ」と女性たちが言ったら、「よしきた」と男性たちが、木の枝を切ってきてくれたそうです。モミの樹ではなく、マキの樹?です。それでもツリーは出来ますね。

この日は集落から6人の方々がみえて、ちょっとしたパーティーでした。ご馳走は、少し離れたところにあるお店に注文した鶏のから揚げと、ここのお米のおむすび。そして、インスタントのお味噌汁。そこに先ほどの集落の自然薯天ぷらも加わりました。

一年の振り返りや、これからやりたいことなどをモグモグしながら皆が話します。会議ではなく、食べ物があるとふんいきが和みますね。新しい年にやりたいことが膨らみました。公民館を出る時に、皆さんがまたツリーを愛でて、おしゃべりしながら帰ります。その様子がほほえましい。手作りツリーを作った様に、地域も少しずつ良くなっていくはずです。

そして「シン山家」という、4つの集落が繋がった会合です。ひとつの集落では、行き詰ってしまいがちで人もわずかですが、すぐ横の集落と繋がればパワーが出ると、出来上がった「山家」地区の新しい繋がりです。皆で「シン山家」と名付けました。4つの集落から、1~3人が参加です。

この日は、ある集落で販売している「米粉どら焼き」について、皆で意見を出し合いました。持って来て下さったどら焼きを一口ずつ食べながらです。実演をやってみたら、とか、横の集落で作っている山椒の実を使ったらどうか、もっと包装に自慢を書いてもいい。など意見が出ます。

でも本音は「どんどん売り上げを上げるより、楽しんで作って行ければいい」とのこと。そこがはっきりしていれば、身体がしんどくなるほどまで頑張らなくてもいいね。と、皆が納得しました。
都会の合理的な、会議室での会議とは全く違う世界です。合意形成も時間がかかります。話もあっちこっちに広がります。でも、参加している方々の存在感と人間力が、都会のパソコン相手の軽い人達とは違います。と、私には感じられます。
「水源の里」のお世話を多少している身としては、勉強になることばかりなのでした。







