雪騒動
雪に弱い東京です。先日は報道されたように、車が立ち往生したり、駅に人が押し寄せて入れなかったり、家に帰れなかったり。いろいろ大変でした。
ただ悪いことばかりではありません。スノーシャベルを持っている家の方が、長い路地を黙々と雪かきされて、皆がお礼を言いながら歩く。小さな雪ダルマを作って自慢気な子どもに、道行く人が笑いかける。
心温まる雪でもありました。
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さて、いつも通う裏通りです。雪囲いなどしてありませんから、家の植木がお辞儀状態です。
事務所での会議が延期になって、とあるお祝い会も延期になって。今回の雪では、ずいぶん予定が狂いました。
この植木も「ええ?こんなはずじゃないのに~~~」ですよね。
路上に止めてあった自転車が、白いカバーに包まれました。
この写真をFacebookで見た雪国の方からは「ビックリ!」のコメントが。
そうですよね、雪深い土地では冬に自転車を出しっぱなしなんてありえない。雪に埋もれてしまうし、第一、自転車に乗れる機会も少なくなる。
足元に気をつけてはいるのですが、普段目に入らなかった冬枯れの枝が、花盛りのように美しく、思わず顔を上げて眺めてしまいます。
だからこうして、写真にまで撮ったりして。
電線だってきれいなんです。
いつもは電線だらけの景色がイヤなのですが、これは砂糖菓子のように美しい。
バサリ!と落ちたりするとそれがまた面白くて、夜に出かけたくなってしまいます。
新宿区四谷の裏通りに、こんなかわいい表情も。
このお家に子どもが居たんだ。よくぞ紅葉の葉を使ったね~。誰かが「カッパ?」なんて言いました。
車が入ってこない、酔っ払いもいない、夜の道。雪のおかげで浄められたような感じです。
とはいえ、混乱も美しさもたった一夜の出来事。
翌朝、日が差せば「やっぱりあったかいのがいい」と、太陽のありがたさに感謝します。
普通に歩ける、うれしい~~。
屋根の雪が溶けて、ボトボト水音がする軒の下。ストックの色が目に飛び込んできます。
白い中からみえる、濃いピンクの華やかさ。雪のおかげで急にスターになったみたいね。
あれ?昨夜の雪ダルマ、顔が大きくなっていた。
カッパの雪ダルマの近くにあったこの雪ダルマ、出来上がって自慢そうにしていた男の子に、「頭が少しちいさくない」なんて、私は批評していました。
あれからまた、夜に大きくしたんだ、きっと。
本人も、小さいとは思っていたのでしょう。お父さんと一緒に作っていたので、きっと夕飯後に、もう少し雪の上を転がしてひと回り大きくしたんですね。
家の前の路地で雪玉を転がす親子、いいなあ~。
お日様、溶かさないであげて。もう少し、雪ダルマ、このままで置いてあげて。
たまの珍しい雪だから、味わえたあたたかな気持ち、やさしい時間なのでした。
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