中滝ふるさと学舎

ゆとりある記

これまで、各地の廃校利用事例を見てきましたが、ここはなかなかうまくできています。

本格的な味の食事、ウッドデッキで清流を眺めながらのコーヒーも。

とかく廃校利用といえば、教室での民具展示などだけで少々かび臭いところが常ですが、ここは息づいてる感じでした。

何といってもこの学校出身のシェフが腕を振るい、地元のお客さんが楽しみに来る、だからと思います。
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正式には秋田県鹿角市の「交流体験拠点施設 中滝ふるさと学舎」です。昭和30年から変わらない中滝小学校の木造校舎を、再利用しています。

校舎の裏手には、清流が流れ木漏れ日がキラキラ。

ここの評判は以前から聞いていましたが、今回訪ねる機会がありました。森林セラピーの基地でもあるのですが、今回はご飯がメイン。校舎に入ると「森のカフェ こもれび」にまっしぐら。

ほとんど手を加えていないという教室が、レストランになっています。黒板に描かれたメニューから選びますが、地元の鹿角牛メニューが豊富。

これは鹿角牛のステーキピラフ。

こちらは、鹿角牛のカレー。

東京の洋食屋さんでもなかなかいただけない本格的な味の洋食が、この学校でいただけます。というか、いまや、東京を基準で考えることがおかしいですね、美味は地方にあり、ということでしょう。

レストランには私たち(写真右のお2人は仕事のお仲間)以外に、地元の人が食べに来ています。こういう施設ができても、他所の人が行くところ、という理解で地元は遠くから見ている、というところが多いのですが、ここは違いました。

確かにおいしいので、他所の人を連れてくるにもいいし、たまには家以外の味をという時にも間違いがありません。

厨房で汗しているのは、この学校の卒業生のシェフと同じく卒業生の女性。自分の母校の第2の人生に付き合って、それが結構楽しそうです。

奥を見せてもらうと、ピザ釜やかまどがあり、ピザづくり、おこげご飯づくり、パン焼きなどが体験でるそうす。

レストランから見える中庭はまるで学校時代のままのような、学習畑の雰囲気。

お土産に売っている、水飴や山葡萄の干しぶどうなども、いかにもこの学舎らしいアイテムです。

レストランの隣には暖炉の部屋があり、昔風のソファがありました。ここに身を沈めていい音楽など聴いたら、どんなに安らげるか。

どうでしょう、ここの長い廊下をバージンロードに使って、古い校舎と木漏れ日に愛を誓う「学校ウエディング」など。このレストランの味があれば、ガーデンパーティーなども思い出深いものになるはずです。体験メニューに加えませんか?

ザ~ッという水の音、サ~ッという風の音、小鳥の声。耳を澄ましながら、デッキでコーヒーをいただくと、プチ・森林セラピーをしたような気分になりました。