一生懸命企業

ゆとりある記

品物をつくりながら、何かしら世の中をよくしていきたい、と燃える企業は結構多いものです。

まじめにそんなことを訴えられると、消費する側はもっとまじめに物を選び、大事に使い、ていねいに味わうことをしなければと、背筋が伸びます。

先日、米粉で麺を造る小さな会社の工場見学をし、その一生懸命のおすそ分けをしていただきました。

うかがったのは新潟県胎内市の「㈱小国製麺」という会社です。米粉でまちおこしをしている胎内市の催し「米粉フェスタ」のなかで、米粉関係の企業の工場見学するメニューがありました。

これはイタリア製の機械から米粉パスタがニュ~と出てきているところです。工房といった感じの工場は、大量生産でなく手作り感があって飽きません。

麺の製造はもっぱら小麦が相手、でも今、小麦のほとんどは輸入。米の産地なのに、輸入小麦に頼っている、そんな不自然がいやだった、とのこと。

目の前に作っている人がいて、安心して確かめて使える米粉を、なんとしても使いたい。米粉麺を造りたいと努力してきました、そのことが自信にあふれた説明から伝わります。

小麦粉と米粉、小麦粉のパスタ・うどんと米粉入りと。目の前で具体的に比べ、食べてみると、その違いがよくわかりました。

「米粉100パーセントなら、それはいいのですが、実際作ると扱いにくかったり、皆さんからおいしいといわれなかったり。だから志はもちながらも、まずはおいしい、ということを目指しています」という考え方に正直さが伝わります。

窓の外には米粉用のお米。休耕田でも米粉用のお米なら作ってもいい、しかも補助がある、それなら稲作を続けられる、農業景観も守れる。

米粉がおいしいまずい、高い安い、料理法がわからない、なんてことだけをぶつぶつ言っていた者には、根本的な目からウロコのお話が続きます。

ここの会社の核になっているのが、女性だからでしょうか?うそがない、ここなら安心できる、米粉について一緒に学び、味わっていける、と心から思えます。

テレビで取材されたときのVTRを見せていただきながら、米粉を食べて、まっすぐに生きたい、そしてこの人のように美しい笑顔になりたい、と思ったのでした。