「米粉かふぇ」をやりました。

お仕事で

新潟県胎内市の「米粉のまちおこし」。夏からワークショップを重ね、ついに実験「米粉かふぇ」を開きました。

単に小麦粉代わり使うのではなく、新しい食べ方を提案しようという試みです。米粉をクレープのように焼き、ご飯のおかずをくるりと巻いて食べる食べ方。「べえべえ」と名付けました。

新しい米食です。人の輪も、米粉の力でもっちり強くつくれました。

最初のころのことは、このブログにあります。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=61&date=201008
要は日本で最初に本格的に米粉の生産を始めた土地・胎内市で、もっと市民が米粉を使って名実ともに米粉のまちにしていこうという動きおこしでした。

当初は、役所の観光系、農業系とが、それぞれ成り立ちの違う二つの会議を設営していましたが、小さなまちで参加者もダブり目指すことも一緒とならば一体で、となっていったような気がします。

米粉に限らず、食べ物にこだわってまちの魅力を磨いていこう、ということで硬かった会議は‘たいない「食」のわいわい会議’という柔らかいものになっていきました。

食べ物のことを考えるのに、腕組みしていてもしょうがありません。会議室はやめて、調理室が会議の場になりました。「とにかく米粉を使って何か作ってこよう、作ってみよう」と呼びかけると・・・。

「シフォンケーキ焼いてみました~」「米粉生パスタのドレッシング和えで~す」「バジルとチーズを混ぜてピザ風に焼こう」とどんどんアイディアと試作が集まり、作られていきます。会議がぐんと動き出しました。

作る、食べる、話す、作る、食べる、話す、の繰り返し。そんな中で重みのある発言がいくつか。

「小麦粉の代わりではなく、米の粉として存在感ある食べ方を考えよう」「ふわふわ軽く柔らかい小麦の世界より、もちもちずっしり重みのある米粉の時代だと思う」「食べものだけでなく、飲み物も」「市内のいろいろな産物を使って」

そして、中国雲南省にある米の粉を焼いて肉などをはさんで食べる食べ方「バーバー」にヒントをいただき、米粉を水でのばし薄く焼いて身近なおかずを巻く食べ方に気づいていきました。

キンピラを巻くとおいしい。納豆もいい。漬物も。カレーも。そりゃそうだ、そもそもご飯だもの。そうだ‘べえべえ’と呼ぼう!と絞り込まれていきます。

意外に、米粉でとろみをつけた「チャイ」はいい。というドリンクメニューの発見も。

せっかくここまで来たら、一度、市民みんなにアピールしよう。そうだ「米粉かふぇ」を開こう。11月7日「胎内いいもん祭り」で1日やってみよう。と、勢いづきました。

実行委員会ができて、これまたわいわい。ここでまた重要なキイワード、「祭りのハッピなど着ないこと。もっとおしゃれにいこう」

で、当日です。市の文化施設のエントランスが会場。外では「いいもん祭り」でにぎやかです。米粉のよさをアピールしながら、世界初!の「べえべえ」を披露、試験販売しました。みんな興奮状態で、大人の文化祭みたい。

市内のお菓子屋さんが、米粉を使ったお菓子を様々に作りたくさん持ち込みました。一個ずつ取れる米粉のお菓子バイキング、人気です。飲み物は「米粉のチャイ」ほかにもいくつか。

「べえべえ」はキンピラ、納豆、キーマカレー、チャーシューの4種類。くるくる巻いて食べるのがおもしろかったり、高齢者の方も喜んだり。一方、説明不足で中のおかずだけ食べて肝心の米粉部分を残す人もいたり、中身を落として食べにくかったり。

米粉入りといわないと飲み物には特色が出にくかったり。でも、シチュウのとろみが絶品だったり。パスタがどんどん売れたり。

まあ、やってみてわかる勉強だらけです。道は遠い。でも、なんやかんやで大変だったでしょが、メンバーの「おもしろくって、おもしろくって」という感想が何よりでした。

それに、今まであまり付き合わなかった、ホテルのシェフ、農家、主婦、お菓子屋さん、メーカーなど様々な人たちがこのプロジェクトで繋がったことは確かです。しかも苦楽を共にしているので、かなりしっかりとずっしりと。人を繋げるのも米粉の力なのでしょうか。

小麦と違い、米粉はゆっくり消化して、だんだんパワーになっていきます。胎内の米粉のまちづくりはこれからが本番。さあて、次は東京?次には、地元で「米粉かふぇ」の常設?そして、胎内で米粉をテーマに全国イベント?

ますます、おもしろくなりそうです。