会いたい人
2015年秋のスローライフ・フォーラムは雲仙市でした。そこに参加していたジャガイモ農家の若者が、私のFacebookにコメントをくださいました。
彼はバンドもやっていて7月にまちおこしのコンサートを計画中。急に会いたくなってメッセージし、今回、彼の軽トラの助手席に乗る機会を得ました!
すると今度は彼が一度会いたかったお醤油屋さんに電話し、私が接着剤で2人が会うことに。
いい出会いとなりました。
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2015年11月1日開催のフォーラムです。
雲仙市のこれからについて、前日、4つの分科会を開催し、その結果を踏まえたシンポジウムが行われました。
この時、各地から雲仙市を訪れたスローライフ学会会員は、雲仙が北海道に次ぐジャガイモの産地えあること。
ジャガイモ畑が雲仙の独得の景観を作っていることなどを学んだのでした。
盛り土したこの赤い土と、独特の石垣が印象深かったものです。
今回、私が目にした荒木政勝さんの記事です。ジャガイモ農家が時々バンドマンになる。
さらに、彼の仲間は、長崎の調理師学校と連携し、棚田で米を育て、その米粉でお菓子を作り、地域の高齢者を訪ねているのでした。
千々石(ちじわ)という海辺の地区、ここで彼と待ち合わせ。そして荒木さんの軽トラックの助手席に乗せていただきました。
おそらくしばらくの間、助手席に人が乗った気配はありません。でも、今夜の酒宴用なのか、青々とした今採ったばかりのシシトウガラシがピカピカ光って転がっています。
荒木さんです。フォーラムの分科会では私の担当のところではなかったので、しっかり顔を覚えていないのですが、彼曰く
ー。
「懇親会で夜中まで飲んでたら、『いい加減にしなさい』って怒られました」とのこと。
確かに、シンポジウムの前日の飲み会で、「もう寝なさい」と私、言いまくったことは覚えています。その一群に彼はいたのですね。
今の活動をとつとつと話す荒木さん。髪は茶色で、しっぽ?のように伸びているところもある。いかにもそれがミュージシャンらしいのですが、活動は大まじめでしかも芯がある。
そこらの都会の軟弱な若者と違う、厚みを感じました。
7月末に開催の“#ミニフェス”のTシャツ。「これも農家のデザインですよ」と。
いろんな人やことが赤い絆で繋がっている、イラスト。彼らはこれを売って、フェス開催の費用を作っているのでした。
「みんなで地元を盛り上げたいから」いろんなことを考えているそうです。コンサートだけでなく、収穫体験や地元の売店なども。
ジャガ農家や水道工事屋さん、釣具屋さん等が、腕まくりなんだそうです。
地域にはそれぞれ、頑張っている人がいるなあ~と実感します。
荒木さんが電話をしていると思ったら、相手は地元のお醤油屋さんの奥さんでした。
山中ひとみさん、荒木さんとFacebook友達ですが二人は会ったことはありません。
ちょうど「東京からこんな人が来ている」というのはいいきっかけ。荒木さんに連れられてお会いしまた。
「荒木さんとは、バケツの中に何か入れて置くなんて物々交換はしてましたけど、会うの初めて~」と笑います。
ここでは、この土地で愛される、少し甘い味のお醤油や味噌を造っています。
「うちの工場古いから、撮らないで~」とひとみさんはおっしゃいますが、お醤油のいい匂いが満ちた工場では、ちょうどお醤油を絞っているところ。
「絞ったカスは、栄養があり塩分もあるので牛さんが食べてくれるんです」と教えてくれました。
「とにかくみんな古いから」と言いながら、ひとみさんは「こんな小切手打つ機械もあるの。穴あけも」と見せてくれます。
道具博物館のようです。
何でもチャレンジのひとみさん、醤油の原料の大豆を育ててみようと、ご近所の方から大豆を分けていただいていました。
「このくらいの間隔で蒔いてね」とご近所さんが丁寧に教えています。
工場内には、大豆も麦も塩もすべて長崎県産の物を使ったという樽もありました。
なかで旨みが静かに育っているのでしょう。
こんな出会いの後、荒木さんのジャガイモ「デストロイヤー」で一杯をする楽しさ。いい夜になりました。
きっとまだまだ市内の人で、出会えばいい人が出会っていないのではという気がしました。
そんなきっかけに私がなれるなら大喜びです。よそ者が地元の人を繋ぐ。人と人が掛け算で化学反応を起こして、何かが始まる、変化が起きる。
そんな接着剤や導火線になれれば・・・。荒木さんと山中さんを見ながらそう思いました。
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