東京ドリーム

ちょっとしたこと

「東京ドリーム」は現在開催中の夫、金井紀光写真展のタイトルです。故郷を離れ、夢見てやってきた東京とは、豊かな暮らしとはこんな程度のものだったのか? というような作品が並びます。巨大なショートケーキのオブジェの前でポツンと座る少女、輝いていても温りのない光の中の家族、帽子までかぶせられたペット犬のとろけた顔。金井は「過ぎた欲望」「娯楽の消費」と語ります。なるほどと思いました。

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このシリーズは、金井が20年ほどの間に、ぽつぽつと撮りためた作品です。東京をテーマに撮っていますが、東京に暮らす子どもたち、東京がジャブジャブ使う電気、東京に押し寄せるインバウンド、コロナ禍のまち、東京の新しく開発された街、などなど、細分化されたテーマの作品からさらにセレクトされたもの。だと思います。

新宿御苑の広大な芝生の上で、パソコンを広げて仕事をする青年。銀座の街角、見上げる狭い場所に座るというか座らせられている猫。

あらゆるものにスアホを向けて写真を撮りまくるインバウンドの方々。生活感あふれる路地でウエディングドレス、いわゆる“前撮りをする女性。”ゴージャスにピンクに髪を染めた娘さん。

 

巨大なリボンのプレゼントBOXにみえるイルミネーション作品。同じくゴジラか?のようなつくりもの。いずれも光としては激しく、強く輝いでいますが、そこにいる家族、子どもを温かくしてはいない、冷たい東京の光です。

こうしてみると、東京は変です。こんなところによく住んでいるな、と自分も思います。この先どうなるのだろうかと考えます。昔の歌に「東京だよオッカサン」なんて唄われた都は、どうなったのでしょう。どこで間違えて、こうなってきたのでしょう。「いつでも夢を」なんて歌もありましたが、東京にもう夢はないようにも思います。もっともっとと欲を膨らませて、東京は何処に行くのでしょう。

本当に夢を見て、温かい街を創り出すのは私たちがやること、と強く思ったのでした。

 

910日(水)まで。10時から18時、最終日15時まで。無料。東京都新宿区新宿1-4-10 アイデム本社ビル2F、アイデムフォトギャラリー「シリウス」で。(丸ノ内線 新宿御苑駅からすぐ)どうぞお運びください